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並列同時計算。GPU実行の勾配降下法。多くの解の候補が同時に探索され、最適解に近づく可能性が格段に高まる。

Last updated at Posted at 2024-08-18

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ショートストーリー: 「並列降下のヒーロー」

東京の中心部、煌びやかな夜景が広がる高層ビルの一室。そこには、若きプログラマ、タケシが座っていた。彼はコンピュータの前に向かい合い、数時間にわたってコードと格闘していた。タケシは、大規模なデータ処理と最適化の問題に挑む、若きソフトウェアエンジニアである。

タケシが取り組んでいるのは、数百のテンソルと呼ばれる数学的なデータセットの最適化であった。目標は、正確なテンソルを見つけること。つまりはニューラルネットワークの重み最適化。そのためには、勾配降下法という手法を用いて最適解に近づける必要があった。しかし、テンソルの数が増えると、計算が膨大になり、単一の計算リソースでは時間がかかりすぎる。

「どうしたらもっと効率よく探索できるだろう?」とタケシは悩んでいた。彼の目の前には、たくさんのコードと計算結果が並んでいたが、最適解にたどり着くにはまだ時間がかかりそうだ。そんな時、彼の目にふと、グラフが映った。そこには、スタートポイントの数を増やすことで、最終的な結果がどのように改善されるかが示されていた。

image.png

Processing time: 66.45 seconds

「これだ! このアイデアだ!」タケシの目が輝いた。彼は直感的に、並列処理を用いることで計算時間を大幅に削減できることを理解した。

タケシは即座に行動に移ることにした。彼は、自分のコンピュータをフル活用し、複数のスタートポイントから勾配降下法を並列で実行することにした。これにより、多くの解の候補が同時に探索され、最適解に近づく可能性が格段に高まる。彼は、CuPyライブラリを使用してGPUを駆使し、大規模なデータセットに対して並列計算を実行するためのコードを書き始めた。

数時間後、タケシはコードの実行結果を確認することができた。彼が書いたコードは見事に動作し、スタートポイントの数を増やすことで、最終的な距離が大幅に改善されたことが確認できた。タケシは満足げに微笑んだ。彼のアイデアが正しかったことが証明された瞬間だった。

東京の夜が更けていく中、タケシは達成感に包まれながら、次の挑戦に向けた準備を進めた。彼の脳裏には、さらなる最適化のアイデアが浮かんでいた。未来の技術の進歩に貢献するため、彼の旅は続く。

説明 各出発点に対して演算ユニットを割り振り、勾配降下法を適用し、最小距離を並列同時計算します。

出発点の数のリスト: num_parallel_candidates_listには、異なる出発点の数を指定します。このリストの値を増やすことで、より広範囲な探索を試みます。

勾配降下法の適用: 各出発点の数に対して、勾配降下法を適用し、最小距離を計算します。

結果の記録: 各出発点の数に対する最小距離をmin_distancesリストに記録します。

グラフの表示: plt.plotを使って、出発点の数と最小距離の関係をプロットします。X軸を対数スケールにすることで、大きな出発点数の増加を視覚的に捉えやすくします。

このコードを実行すると、出発点の数が増えるにつれて最小距離がどのように変化するかを視覚化できます。通常、出発点の数が増えることで、より広範囲な探索が可能になり、最終的な結果の精度が向上することが期待されます。

image.png

4ビット量子化の説明
4ビット量子化では、テンソルの各要素を0から15の範囲に制限します。このためには、まずテンソルの値を0から15の範囲にスケーリングし、その後、整数に丸めてから再度スケーリングします。
テンソルを量子化します。

出発点の数を増やしたときに最終的な結果(最小距離)がどのように推移するのかをプロットするコードです。

異なる出発点の数に対して勾配降下法を実行。
各出発点数における最小距離を記録。
出発点数と最小距離の関係をグラフにプロット。
以下のコードでは、出発点の数を変えてそれぞれの結果を記録し、最終的な最小距離がどのように推移するかを示すグラフを作成します。

import numpy as np
import time
import matplotlib.pyplot as plt

# 量子化関数
def quantize_tensor(tensor, bit_depth):
    # 指定されたビット深度でテンソルを量子化する
    max_value = 2 ** bit_depth - 1
    tensor = np.round(tensor * max_value) / max_value
    return tensor

# 勾配降下法の最適化関数
def gradient_descent(target_tensor, learning_rate=0.01, num_iterations=1000, start_points=10, bit_depth=4):
    best_candidate = None  # 最良のテンソル候補
    best_distance = float('inf')  # 最良の距離を無限大で初期化
    distances_list = []  # 各スタートポイントごとの距離を保存するリスト

    for start in range(start_points):
        # 3x3x3のランダムなテンソルを初期化し、量子化
        current_tensor = np.random.rand(3, 3, 3)
        current_tensor = quantize_tensor(current_tensor, bit_depth)

        # 勾配降下法による更新ループ
        for i in range(num_iterations):
            grad = 2 * (current_tensor - target_tensor)  # 勾配計算
            current_tensor -= learning_rate * grad  # 勾配に基づいてテンソルを更新
            current_tensor = np.clip(current_tensor, 0, 1)  # テンソルを0〜1にクリップ
            current_tensor = quantize_tensor(current_tensor, bit_depth)  # 更新後に再量子化

        # ターゲットテンソルとの距離を計算
        distance = np.linalg.norm(current_tensor - target_tensor)
        distances_list.append(distance)

        # 最良の距離が更新された場合、最良のテンソル候補を更新
        if distance < best_distance:
            best_distance = distance
            best_candidate = current_tensor

    return best_candidate, best_distance, distances_list

# ターゲットテンソル(量子化済み)
target_tensor = np.random.rand(3, 3, 3)
target_tensor = quantize_tensor(target_tensor, bit_depth=4)

# パラメータ設定
learning_rate = 0.01
num_iterations = 1000
start_points_list = [100, 500, 1000]  # 異なるスタートポイント数

# 処理時間計測と結果プロット
all_distances = []  # 各スタートポイントごとの最良の距離を保存するリスト
start_time = time.time()  # 処理時間計測開始

# 各スタートポイント数について最適化を実行
for start_points in start_points_list:
    _, best_distance, distances = gradient_descent(
        target_tensor, learning_rate, num_iterations, start_points, bit_depth=4
    )
    all_distances.append(best_distance)  # 最良の距離をリストに追加

end_time = time.time()  # 処理時間計測終了
print(f"Processing time: {end_time - start_time:.2f} seconds")

# 結果をプロット
plt.plot(start_points_list, all_distances, marker='o')
plt.xlabel('Number of start points')  # x軸ラベル
plt.ylabel('Best distance')  # y軸ラベル
plt.title('Effect of increasing start points on final result')  # グラフタイトル
plt.grid(True)
plt.show()

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