この記事で言いたいこと
Kaggleは機械学習コンペでありプラットフォームである。
一方でコミュニティとしての側面も持っており、Kaggleを愛し、日常的にコンペに参加する人は"Kaggler"などと呼ばれる。
この記事では「そのようなコミュニティに参加し、時に発表することは初心者にこそ有意義であるよ」ということを使えたい。
なお、ここでは「初心者」を明確に定義はしないが、Kaggleに興味はあるもののなかなか成果が出せない、メダルが取れないといったような層をなんとなく想定している。
ちなみに私は@tetsuro731 と申します。
都内在住のKaggle Expertです。
どんなイベントがある?
関東Kaggler会 (自分が参加したのはこれ)
- 参加者は合計数百人にのぼった
- 現地参加の抽選に落ちても、Zoom参加、Youtube配信などもあった
- GM (GrandMaster)による特別講演+LTいくつか
Kaggle Tokyo Meetup 2023
- 今年4年ぶりに開催
- Kaggler Expert以上と以下で参加のための抽選区分が分かれている
- こちらも招待講演+LT
関西Kaggler会
- 関東に比べると頻繁に開かれており、よりカジュアルな印象
- 自分は参加したとこないが、より「コミュニティ感」が強いのはこっちかも
他にも小さいものを含めるといろいろあるかもしれないが、有名ないのはこのあたりだろう。
Kaggleは孤独だ
Kaggleはよくマラソンに例えられることがある。
競技プログラミングなどは数時間ですべての決着がつくが、Kaggleのような機械学習コンペは2~3ヵ月かけて取り組まなくてはならないことが多い。
そのためモチベーションを保ち続けるのが極めて難しい。
チームで参加すればまだ相談できる人もいるかもしれないが、僕のような基本ソロで参加している人間は基本孤独である。
特に方向性を見失ったりなかなか良い成績が取れないときはつらい。
そんなときの一つの手段はDiscussionに投稿したり議論に参加することであるが、
基本すべて英語であるのとテキストベースのコミュニケーションとなるので「コミュニティに属してる感覚」を得るのはある程度限界があるかもしれない。
そんな場合こそ上記のようなイベント参加を進める。
以下に
- 参加することのメリット
- 発表することのメリット
を書いていく。
参加することのメリット
イベントにもよるが、普段普通に生活していてなかなかお目にかかることのできないGMの話が聞けることも珍しくなく、懇親会などで話しかければ直接話を聞くことが可能だ。
(懇親会で実際に話すと「あ、GMの人も普通の人間で会話するんだ」という不思議な感覚を得ることができる(?))
現行コンペに直接関係することでなければ何かを相談することも可能だし、Kaggleというコミュニティに属することによってモチベーションも上がる。
発表内容もバラエティに富んでいることが多い。
コンペで勝った手法の紹介だとテクニカルな説明がメインになることもあるが、「初心者がコンペに取り組む上でどうするか?」といった取っつきやすいトピックが発表されることも多い。
例えば自分が参加したイベントだとmakotuさんのコンペの取り組み方の紹介が非常にためになった。
発表することのメリット
さて、参加に比べて発表となるとさらに敷居が高く聞こえる。
というのもイベントで招待講演をするのはいわゆる"つよつよGM Kaggler"のような人が多く、
「自分なんかが発表していいんだろうか?」
と恐縮してしまうのも自然である。
ただ、自分が主催者などと話をした感覚では「一部の強い人ばかりが発表するのではなく初心者も含めて広く情報発信をする場があったほうがコミュニティ全体にとって有益である」というのも真なのではと思った。
例えば本当の初心者にとっては「10年間Kaggle一筋で頑張ってる人のアイディア」よりも「最近Kaggleを始めた人がどうやってメダルを取ったか」のような話のほうがためになるかもしれない。
イベントでは10分弱のLT枠が容易されていることも多く、この枠であれば自分で自由にテーマを決めることができる。
自分の場合は業務でレコメンドに関わっている and 参加したコンペのレコメンドコンペが多かったのでそこに絞って発表した。
自分はKaggle Expertで他の参加者に比べるとたいした実績もなかったが、これをきっかけにいろんな人と話すことができたので発表してよかったなーと思えた。
また、発表者になれば優先的に抽選に選んでもらえることも多く、
「現地行きたいけど抽選当たるかな...Zoom枠だったら当たるかな?」
などとそわそわする心配もない。
まとめ
人によって何に心地よさを感じるかは異なるため、このようなイベントへの参加、発表は
万人におすすめできるものではないかもしれない。
しかし、もしあなたがKaggleに取り組む上で孤独に戦い苦しんでいるのであれば、このようなコミュニティに顔を出してみるといいのではないかと思う。
最後に、このような素晴らしいイベントを定期的に開催してくださっている方々、日々有益な情報を惜しみなく発信してくださる素晴らしきKagglerの方々に感謝を捧げたい。