ソースが公開されて、ラズパイ3があれば動かせるということだったので試してみました。
webOS Open Source Edition
ビルド環境
Google Compute Engine (GCE)の仮想マシンのインスタンスを一個新たに作りました。
ビルド環境の要求条件はここに書いてあります。
http://webosose.org/discover/setting/requirements/
OS: Ubuntu 14.04
ディスク: 200GB
CPUとメモリは普段はCPU1個、メモリ1.7GBでいいのですが、後述するようにmakeを実行するときだけCPU8個、メモリ30GBに切り換えました。
ビルド
最初にgitをインストール。
sudo apt update
sudo apt upgrade
sudo apt install git
ここに書いてあることをなぞります。
http://webosose.org/discover/setting/building-webos-ose/
git clone https://github.com/webosose/build-webos.git
cd build-webos
sudo scripts/prerequisites.sh
./mcf -p 0 -b 0 raspberrypi3
仮想マシンの設定をCPU8個、メモリ30GBに切り換えてから以下を実行。
make webos-image
ビルドにはかなり時間がかかるので、代わりに以下のようにすればsshをログアウトしても大丈夫です。
nohup make webos-image &
途中でエラーで止まるかもしれません。
https://github.com/webosose/build-webos/issues/7
これと同じエラーならば、回避策があります。
rm -rf ~/.node-gyp/
make webos-image
これで最後までビルドが通りました。通算で4時間半くらいかかりました。
SDカードにイメージファイルは以下のところでできます。
cd BUILD/work/raspberrypi3-webos-linux-gnueabi/webos-image/1.0-r3/deploy-webos-image-image-complete
ls -lh webos-image-raspberrypi3.rootfs.rpi-sdimg
-rw-r--r-- 3 koba koba 1.2G Apr 3 04:33 webos-image-raspberrypi3.rootfs.rpi-sdimg
確かにディスクの空き容量が100GBは必要でした。
df -h .
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/sda1 197G 75G 115G 40% /
動作確認
SDカードへの書き込み
SDカードへのイメージファイルの書き込み方は以下に書いてあります。
http://webosose.org/discover/setting/flashing-webos-ose/
ラズパイのいつもの方法でddで書き込みます。
イメージファイルのサイズが1.2GBなので、2GB以上のサイズのマイクロSDカードを用意すれば書き込むことができます。
ちなみに、イメージファイルはzip等で圧縮すると200MBくらいに小さくなるので、仮想マシンから転送するときは圧縮したほうがネットワークにやさしいです。
起動
Ethernetケーブルをつなぎ、HDMIにテレビを、USBにキーボードとマウスをつないで電源を入れます。
電源を入れてしばらく待つとHDMIでつないだ画面にマウスカーソルが表示されます。
メニューアイコンを出すには、キーボードからF1かWindowsキーを押下します。
( ... 実はこれがわからずに半日つぶしました ... )
YouTubeの動画が見られます。
ネットワーク
ネットワークはDHCPでIPアドレスを取得します。
IPアドレスを知るには、シリアルコンソールからログインするか、一度RaspbianのSDカードで起動してそのIPアドレスをメモしておいて、webOSを立ち上げ直すとよいでしょう。(IPアドレスはMACアドレスにひもづくので短期間なら同じIPアドレスが割り当てられる。)
IPアドレスがわかれば、sshでログインできます。ユーザーはroot, パスワード無し。
画面の解像度を1920x1080から変更する方法
自宅のテレビが1280x720だったので、以下のところを見て変更しました。
http://forum.webosose.org/t/hd-tv-resolution-problem/211
関連
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