AWS SAA試験のためにEBSを勉強したので、ポイントを整理しました。
🔹 特徴
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ブロックストレージ
- MySQL, PostgreSQL などと同じく、小さなブロック(512B~4KB)に分割して保存
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EC2 のローカルストレージとして利用
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AZ 内で自動的に複製
✅EBSのデータは、同じAZ内の複数のストレージに自動的にコピーされるため、ディスクの故障には強い。
❌ただし、AZ全体に障害が発生すると影響を受けるため、バックアップ(スナップショット)が推奨される。
🗂 ボリュームタイプ
ボリュームタイプ | 特徴 | 主な用途 |
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汎用SSD(gp3) | 一貫した低遅延と高スループット。コストと性能のバランスが良い。gp2より性能向上。 | 開発環境、一般的な用途、システムブートボリューム |
プロビジョンド IOPS SSD(io1, io2) | 高IOPSが必要なワークロード向け。安定したパフォーマンスを提供。 | 高性能DB、重要なアプリケーション |
スループット最適化HDD(st1) | 大容量データの順次アクセスに最適化。 | ビッグデータ、データウェアハウス |
Cold HDD(sc1) | アクセス頻度が低いデータ向け。st1より安価。 | アーカイブストレージ、バックアップ |
マグネティック(旧世代) | 旧世代のHDD | 新規利用は非推奨 |
🔹 各ボリュームタイプの詳細
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汎用SSD(gp3)
- AWSのデフォルトのEBSボリュームタイプ
- IOPS(1秒間の読み書き回数)を自由に設定できる(3,000 ~ 16,000 IOPS)
- ストレージ容量とIOPSが独立しており、柔軟な調整が可能
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プロビジョンドIOPS SSD(io1, io2)
- 高いIOPSが必要なワークロード向け(最大256,000 IOPS)
- ユーザーが自由に IOPS を設定可能(課金はIOPSとストレージ容量に基づく)
- データベースや高トランザクションのアプリケーション向け
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スループット最適化HDD(st1)
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HDDタイプのボリュームで、大容量データを低コストで保存可能
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順次アクセス(シーケンシャルリード・ライト)向けで、ログ処理やデータウェアハウスに最適
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スループット(MB/s)の最大値が設定され(一定の範囲でデータ転送速度が決まっている)、ランダムアクセスには不向き
🔹 ランダムアクセスの具体例
処理の種類 ランダム or シーケンシャル 説明 データベースの検索(MySQL, PostgreSQL) ✅ ランダムアクセス 小さなデータを色々な場所から取得する ログファイルへの追記 ❌ シーケンシャルアクセス 連続してデータを書き込むだけ 動画ファイルの再生 ❌ シーケンシャルアクセス 動画データを順番に読み込む
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コールドHDD(sc1)
- st1よりさらに低コストなHDDタイプ
- アクセス頻度が低いデータの保存に適しており、アーカイブ用途に最適
- 頻繁なデータの読み書きには向かないが、コストを抑えたい場合に有効
💾 スナップショットでバックアップ
- 自動で S3 に保存
- 初回はフルバックアップ、それ以降は増分バックアップ
🔐 セキュリティ
📌 アクセス制御(EBSへのアクセスを制限する方法)
✅ EBS自体にはアクセス制御の設定はなく、EC2を経由して管理する。
✅ EC2のセキュリティグループやVPCの設定を使って、EBSへのアクセスを制限する。
📌 暗号化
- EBSボリュームは作成時にのみ暗号化可能(後から変更するにはスナップショットを作成する必要がある)
- KMSキーを使用してデータを暗号化・復号化
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暗号化の方法
- スナップショットを作成し、復元時に暗号化
- スナップショット自体を暗号化
🔗 マルチアクセス
❌ 複数のEC2からの同時アクセスは不可
🔄 EC2の状態とEBSボリュームの動作
EC2の操作 | EBSの挙動 |
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停止(Stop) | EBSは削除されない(データ保持) |
再起動(Reboot) | EBSは削除されない(データ保持) |
終了(Terminate) |
DeleteOnTermination=True → 削除DeleteOnTermination=False → 保持(課金継続)
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🛠 RAID構成を作成可能
EBSは複数のボリュームを1つの大きなディスクとして扱うことができる(RAID)。
RAIDの種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
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RAID 0(ストライピング) | データを複数のEBSに分散 | 高速化(読み書きが速い) | 1つのEBSが壊れるとデータ消失 |
RAID 1(ミラーリング) | 同じデータを2つのEBSに保存 | データ消失のリスク低減 | 容量が半分になる(2つのEBSが必要) |
RAID 5/6(パリティ付き) | データを分散 + エラー修正 | 高速 & 障害耐性あり | 最低3つ以上のEBSが必要 |
RAID 10(RAID 1 + RAID 0) | RAID 0の速度 + RAID 1の耐障害性 | 高速 & データ保護 | 最低4つのEBSが必要 |
🔁 AWSによる冗長化
✅ EBSはAWS内部で自動的に冗長構成が組まれている
✅ AZ内でデータのコピーを複数保持
✅ ディスク障害には対応可能(AZ障害には影響あり)