はじめてのKotlin:Kotlinのクラスの特徴をまとめてみた

Kotlinクラスの特徴

　Kotlinのクラスには、以下のような特徴があります。思いつくままに列挙してみます。

• new キーワードなしでインスタンス化することができます。
  • new キーワードを付けてインスタンス化するとエラーになります。
• 構成要素はプロパティとメソッド(関数)のみです。
• プロパティ
  • デフォルト公開属性は public です。
  • lateinit キーワードを付加すると、後から初期化可能となります。この場合には、 mutable である必要があります。すなわち可変変数キーワード var で宣言する必要があります。
  • lazy キーワードを付加しても後から初期化可能です。この場合にはimmutable である必要があります。すなわち不変変数キーワード val で宣言する必要があります。
• クラス内の関数
  • クラス外関数とまったく同じ方法で定義します。
  • fun キーワードを付けて定義します。
  • 関数はメソッドと呼ばれることもあります。
• クラスとメソッドの継承可能性はデフォルトで final です。すなわち継承を許しません。
  • 継承させたい場合には明示的に open キーワードを付加します。
• クラス内に内部クラスであるインナークラスを定義できます。
  • インナークラスに明示的に inner キーワードをつけて定義すると、定義したクラス内のメンバーにアクセスすることができます。
• init キーワード付きのコードブロックはコンストラクタの定義となります。すなわち、インスタンス時に実行されます。
• 同一ファイル内に複数のクラスを含めることができます。

遅延初期化

　後から初期化する遅延初期化には、lateinit キーワードによるものと lazy キーワードによるものがあります。

　lateinit キーワードの場合には、 mutable ですので、可変変数キーワード var で宣言する必要があります。すなわち、初期化した後から変更することができます。

lazy キーワードの場合には、 immutable ですので、不変変数キーワード val で宣言する必要があります。すなわち、初期化した後に変更することはできません。

遅延初期化するコード例

class LateinitAndLazy {
  lateinit var lateinitString: String
  
  val lazyString: String by lazy {
    val valueOfString = "This train consists 12 cars."
    valueOfString
  }
  
  fun lateinitStringLength() {
    lateinitString = 
      "Boardingn locations are indicated by white circles and No.1 through 7."
  
    val length = lateinitString.length
    println("Length of 'lateinitString' is $length" )
  
    lateinitString = "We are soon making brief stop at Bentencho."
  }
  
  fun lazyStringLength() {
    val length = lazyString.length
    println("Length of 'lazyString' is $length" )
  }
}

fun main( args: Array<String> ) {
  LateinitAndLazy().lateinitStringLength()
  LateinitAndLazy().lazyStringLength()
}

遅延初期化するコード例の実行結果

Length of 'lateinitString' is 68
Length of 'lazyString' is 28

クラスの継承

　クラスはデフォルト、つまり何も指定しないで宣言すると final クラスとなり、継承を許しません。
　open キーワードを明示的に付加して定義することで、定義されたクラスは継承を許します。

クラスの継承のコード例

open class Employee( name: String, age: Int ) {
  val name = name
  val age  = age
}

class Company: Employee( "Jhonson", 58 )
 
fun main(args: Array<String>) {
  println(
    "Name is ${Company().name} and " +
    "Age is ${Company().age}."
  )
}

クラスの継承のコード例の実行結果

Name is Jhonson and Age is 58.

openキーワードをつけなかった時のコンパイルエラー

prog.kt:6:16: error: this type is final, so it cannot be inherited from
class Company: Employee( "Jhonson", 58 )
               ^

インナークラスの定義

　インナークラスの定義でinner キーワードをつけない場合、インナークラスを含む外のクラスのメンバーにアクセスすると、コンパイルエラーとなります。

インナークラスのコード例

class Outer {
  private val outer: String = "Outerクラス"

  class Child {
    fun child() = "Childクラス"
    fun errorChild() = outer //コンパイルエラー
  }

  inner class Inner {
    fun innerFoo() = outer
  }
}

fun main(args: Array<String>) {
  println( Outer.Child().child() )
  println( Outer().Inner().innerFoo() )
}

インナークラスのコード例の実行結果

Childクラス
Outerクラス

コンパイルエラー

innerClass.kt:6:24: error: unresolved reference: outer
    fun errorChild() = outer //コンパイルエラー
                       ^

インスタンス時の処理の定義

　クラスがインスタンス化されるときに実行される処理は明示的に init キーワードブロック内に記述します。

initキーワードを利用したコード例

class Baa {
  val baa: Float

  init {
    baa = 3.14f
  }

  fun dispBaa() { println( "baa is $baa!" ) }
}
 
fun main( args: Array<String> ) {
  Baa().dispBaa()
}

initキーワードを利用したのコード例の実行結果

baa is 3.14!

---

Visual Studio Codeが好き

　どうもMarkdownのコードのソースコードハイライトけが好きになれないです。個人的に、Visual Studio Codeの背景色とソースコードハイライトがお気に入りなのです。
LateinitAndLazy.kt : Visual Stduio Code on Windows10 Pro

Compile and Execute: Windows PowerShell on Windows10 Pro

innerClass.kt : Visual Stduio Code on Windows10 Pro

Compile and Execute: Windows PowerShell on Windows10 Pro