目的
IBM Cloudではメトリクス収集とダッシュボードのサービスとしてSysdig社と提携しており、IBM Cloud Monitoring with Sysdigとして利用することができます。
一方、これまでPrometheus+Grafanaの王道の組み合わせで運用してきたので、Sysdigへの切り替えが素直にできないという方もいると思います(私がそうです)。
しかし、IBM CloudではこのSysdigをかなり戦略的に組み込んでいます。例えば、IBM Cloudのいくつかのサービスは、Sysdigを使わないと性能やキャパシティ情報を確認できなくなっています。
そこで、今回はSysdigのメトリクスを(使い慣れた)Grafanaで表示してみます。
検証
Sysdig API Access Tokenの確認
IBM CloudからSysdigのコンソールを開きます。
ユーザーアイコンからSettingsを選びます。
するとSysdig Monitor API Token
が表示されるので、その値を控えます。
Sysdigダッシュボードの用意(任意)
Sysdigでは、
- My Dashboards
- Shared By My Team
- Default Dashboards
の3つのカテゴリがありますが、Grafanaと連携したいダッシュボードをMy Dashboards
またはShared By My Team
に用意すると、Grafanaにインポートすることができます。残念ながら現時点ではDefault Dashboardsはうまくインポートできませんでした。
GrafanaへのSysdigプラグインの導入
SysdigがGrafanaのためのプラグインを出しているのでそれを導入します。
現時点では0.7が最新版です。また、SysdigプラグインはまだBeta版であることにご注意ください。
Releaseから最新のバイナリ(*.tgz)をダウンロードし、/var/lib/grafana/plugins以下に展開すればよいです。その後Grafanaを再起動してください。
Grafanaコンテナで簡単に検証するには次のようにします。
$ wget https://download.sysdig.com/stable/grafana-sysdig-datasource/grafana-sysdig-datasource-v0.7.tgz
$ tar zxvf grafana-sysdig-datasource-v0.7.tgz
$ docker run -d -v $(pwd)/sysdig:/var/lib/grafana/plugins/sysdig -p 3000:3000 grafana/grafana
データソースの追加
Grafanaの設定画面からデータソースを追加します。プラグインの導入がうまくいっていればSysdigを選択できるはずです。
設定画面で必要な項目を入力します。
- Plan:
Pro Software
を選択 - URL: https://jp-tok.monitoring.cloud.ibm.com (東京リージョンの場合)
- API Token: 先ほど控えた値
続いて、ダッシュボードのインポートをするかどうかを指定します。前述のとおり、現時点ではDefault dashboardsのインポートはうまくいきませんでした。
今回はインポートなしで進めます。最後にSave & TestでData source is working
となれば設定完了です。
ダッシュボードの設定
前のステップでダッシュボードをインポートしていればすでにダッシュボードができています。今回は手動で作ります。
New dashbord > Add Panelします。
今回はSysdigが最初のデータソースなのでデフォルトでSysdigに対応した条件が編集できるようになっています。Sysdigがデフォルトデータソースではない場合はプルダウンから切換えできます。
Sysdigからメトリクスがもらえているか確認します。例えばIBM Cloudのプラットフォームメトリクスはibm_始まりです。
見れていますね。
あとは必要に応じてパネルを定義すればよいです。
注意点
せっかくGrafanaで見れるようになったのですが、現時点?では残念ながらGrafanaのアラート機能は使えないようです。アラートはSysdig側で行う必要があります。
以上