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IBM CloudでNetScalerとFortiGateを組み合わせるときの注意点

Last updated at Posted at 2018-12-15

経緯

IBM Cloudでは負荷分散装置としてNetScaler(以下NS)を、Public VLANのファイアウォールとしてFortiGate Security Appliance(以下FSA)をオーダーすることができますが、NSの設定でかなり悩んだのと、FSAとの組み合わせで外部からの通信がNSにうまく到達できなかったので、試行錯誤の末たどり着いた対応方法をメモします。

ここで想定する構成

アカウントのPublic VLANの前面にFSAを配置し、NSはPublic VLANのVirtual IPでトラフィックを受信し、Private VLANのサーバを負荷分散する構成です。また、NSは冗長構成です。

image.png

FSA

FSAは事前にオーダー済とします。FSAはオーダー直後の状態で、Public VLANとのInboundとOutboundが全て許可されていますので、外部からPublic VLAN上のIPと通信が可能になっています。

NetScaler

オーダー

冗長構成のため1台ずつ、計2台オーダーします。オーダー時にVirtual IP用のスタティックIPを合わせてオーダーすることになりますが、2号機のスティックIPは使いません。なぜなら、フェイルオーバー時には1号機に指定したVirtual IP(スタティックIP)が2号機に引き継がれるからです。もったいないですがスタティックIPをオーダーしないという選択ができないのであきらめましょう。

image.png

初期設定

High Availability構成等、初期設定をします。ググれば情報は多いのでここでは割愛します。

Virtual Serverの作成

Virtual Serverの作成をします。一般的な部分は割愛しますが、ここでのポイントは、Virtual IPに1号機(プライマリ機)に割り当てられたスタティックIPを指定することです。

使えるスタティックIPはNSのデバイスの詳細から確認できます。

image.png

ここから選んでVirtual IPとして設定します。

image.png

動作確認

では早速動作確認してみましょう、と言いたいところですが、できません。先ほど指定したVirtual IPは現在Public VLANでは通信できない状態となっています。

FSA

ルーティング設定

通信できない原因ですが、Virtual IPとして指定したスタティックIPのルーティング先をFSAが認識できていないため、のようです。そのため、手動でルーティングを追加します。

その前に、スタティックIPの設定を確認します。ポータルのサブネット一覧から確認すると、スタティックIPは特定のIPアドレスに対して経路指定されていることがわかります。

image.png

このIPアドレスをゲートウェイとして、ルーティングを追加します。

image.png

  • Destination IP/MaskはスタティックIP
  • DeviceはFSAのPublic VLAN側のインターフェース(-insideという名称)
  • GatewayはスタティックIPに紐づいた経路のIPアドレス

動作確認

はい、これで外部からVirtual IPに到達できるようになったはずです。疎通確認やNSがフェイルオーバーしても問題ないことを確認してください。

なぜこれで動くのか

正直、うまく説明できませんし、これが唯一の解とも思っていません。IBM Cloud Infrastructureのネットワークは独特ですし、NSもかなり独特なネットワークの考え方をしています。詳しい方教えてください。

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