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Rust その2Advent Calendar 2016

Day 18

データ並列ライブラリRayonを使ってみた

Last updated at Posted at 2016-12-18

この記事はRustアドベントカレンダーその2の12/18の記事です

nikomatsakis/rayonはRustでデータ並列なコードをiterator形式で簡単に実装するためのライブラリです。
C/C++/FortranでOpenMPで並列化していたような部分の代替と考えられます。
バックエンドの実装方式としてはIntel Clikと同様のwork stealingによります。
イテレータを分割してスレッドプールを用いてそれぞれに対して処理を実行します。

簡単な使い方

READMEに詳しく書いてあるので、簡単な紹介だけ:
Rustのコードではイテレータで処理を記述することが多いと思いますが、RayonはIteratorの代わりにParallelIteratorを導入します:

  • iter()par_iter()
  • iter_mut()par_iter_mut()
  • into_iter()into_par_iter()

に変更するだけで普通のIteratorと同じように使えるようになっています。

use rayon::prelude::*;
fn sum_of_squares(input: &[i32]) -> i32 {
    input.par_iter()
         .map(|&i| i * i)
         .sum()
}

のように記述するだけで並列にmapを計算し合計値を計算します。
使える関数はrayon::par_iter::ParallelIteratorにまとまっています。

初期化

上記のようなコードは自動的にスレッドプールの初期化を実施します。
スレッドプールの数を変更したい場合は明示的に初期化する必要があります。

let cfg = rayon::Configuration::new();
rayon::initialize(cfg.set_num_threads(4)).unwrap();

詰まったところ

次のようなコードはコンパイルできません:

let a = vec![1.0; size];
a.par_iter()
    .map(|x| 2.0 * x)
    .collect();

このコードはcollect()が存在していないためコンパイルできないです。本来collect()std::iter::FromIteratorを通して定義されますが、par_iter()ParallelIteratorを返しているのでそのままでは定義されない(´・ω・`)。
代わりにRayonにはcollect_into()が定義されているようだ。

let a = vec![1.0; size];
let result = vec![0.0; size];
a.par_iter()
    .map(|x| 2.0 * x)
    .collect_into(&mut result);

事前にvectorを用意しておく必要があるらしい。
collect_into()は事前に長さがわかっているイテレータ(ExactParallelIterator)にのみ定義されているので注意です。

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