StackOverflowで気になる質問を見つけたので調査した結果を共有します
https://stackoverflow.com/questions/43103922/remove-dead-code-before-linking

問題

demo.c

int do_things(void);

int application_main(void) {
  return do_things();
}

int test_main(void) {
  return 42;
}

int main(void) {
  return test_main();
}

元の問題は、application_mainとtest_mainを（おそらくはプリプロセッサで）切り替えたいのですが、ライブラリに関数do_thingsが実装されていないためリンクが失敗します。

/tmp/demo-d19626.o: 関数 `application_main' 内:
demo.c:(.text+0x5): `do_things' に対する定義されていない参照です
clang-6.0: error: linker command failed with exit code 1 (use -v to see invocation)

このdo_thingsをリンク前に除けるかという問題です。

global DCE (dead code elimination)

今回はLLVMの最適化ツールoptによって削除する作戦で行きましょう。optは入力されたIRを変換するPassに通すためのコマンドです。Passについては例えば大学院生のためのLLVMなどに詳しく解説してあります。

まずLLVM IRに変換します

clang demo.c -c -emit-llvm -o demo.bc # OK

これには当然do_thingsのシンボルが定義されています

$ llvm-nm demo.bc
---------------- T application_main
                 U do_things
---------------- T main
---------------- T test_main

次にoptを適用していきましょう。ここではglobaldce Passを使用しましょう。これは使っていない内部関数を削除するためのPassです。しかし、do_thingsは内部関数ではないので内部関数にする必要があります。それにはinternalize Passを使います

$ opt -o stripped.bc -internalize -globaldce demo.bc
$ llvm-nm stripped.bc # 何も出力されない

残念全部消えてしまいました(´・ω・｀)
どうやらmainまで内部関数に指定されてしまったようです。mainを内部関数にしないためにはinternalize-public-api-listを使用するようです

$ opt -o stripped.bc -internalize -internalize-public-api-list=main -globaldce demo.bc
$ llvm-nm stripped.bc
---------------- T main
---------------- t test_main

これで無事目的が達成できました(*'▽')

$ clang stripped.bc # OK