はじめに
初見でWineを使ってKindleを動かそうとしたところ、かなり苦戦したのでその記録
環境
Arch Linux
デスクトップ環境:Xfce
パッケージ管理:yay
結論(こうすれば動いた)
[事前準備]
- pacmanでmultilibを有効化
- #[multilib]
- #Include = /etc/pacman.d/mirrorlist
+ [multilib]
+ Include = /etc/pacman.d/mirrorlist
-
downgrade(Wineのバージョンを下げる際に使用)
yay -S downgrade
-
lib32-gnutls(これがないとWine上のブラウザでHTTPS接続できない。Kindleのログイン画面を表示するのに必要)
yay -S lib32-gnutls
-
(オプション)zenityをインストール
yay -S zenity
winetricksがGUIで使えるようになる。ただ、以下のwinetricksを用いる作業では大量にWarningが発生するのだが、これをインストールするとWarningがGUIポップアップとして出てきてその都度処理が止まるようになってしまう。GUIが必要なければインストールしない方がいいかも -
Amazonから最新のKindleインストーラを落とす(執筆時点verは1.40.1)
[手順]
-
WineとWinetricksをインストール
yay -S wine winetricks
-
Wineのバージョンを6.23-1に落とす(多分6.xならどれでもよい)
sudo downgrade wine
-
~/.wineを生成するためにwinecfgを実行
winecfg
画面はすぐ閉じて構わない。ただ、Windowsバージョンが10以上になっているとKindleは動かないようなので8.1以前になっていることを確認(筆者環境ではデフォルトがVistaになっており、そのまま使用している) -
デフォアプリを起動してみて日本語が文字化けしていないか確認
wine notepad
wine regedit
とか -
文字化けしている場合、winetricksでフォントをインストール
winetricks fakejapanese
※ 一度インストールしても、あとの作業の中で何故かまた文字化けすることがある。
その際は再度このコマンドを実行すると直る模様 -
Kindleインストーラを実行
-
ログイン画面が無事表示されれば成功(プルダウンでamazon.co.jpを指定のこと)
試してうまくいかなかったこと
-
最新バージョンのwineを使う
→ Kindleを起動して10秒ほど経つと、必ずページフォルトで強制終了してしまう
wine-stagingを使っても同じだった -
wine-stableをインストールしてみる
→ 依存関係のインストール中にエラーが出て、正常にインストールできなかった
エラー: 対象が見つかりませんでした: lib32-libgphoto2
-> Failed to install the following packages. Manual intervention is required:
lib32-libgphoto2 - exit status 8
lib32-libheif - exit status 4
wine-stable - exit status 8
lib32-gd - exit status 8
exit status 1
-
winetricksからkindleをインストール
→ かつてWineとの相性が一番良かったとされるバージョン(1.17)がインストールされる。古すぎるためか、起動しても「インターネットに接続できません」となって使えなかった -
playonlinux 上でKindleをインストールしてみる
→ フォントのインストールを求められ、"tahoma32.exe"のダウンロード中にフリーズして進まなくなった (参考)playonlinux forum
参考サイト
wineを使ってArch Linuxで最新のKindle for PC Windowsを動かす2021年版 - プログラマのはしくれダイアリー
ほぼ同じことをやっている方がいた。最初にこの記事を見つけていれば、すぐ解決しただろうに・・・
感想
やはり、メジャーバージョンが変わると動いてたものが動かないとか出てくるみたい。
それはさておき、Wineを作った人(たち)は天才だと思う。感謝