はじめに
最近、ソフトウェア開発の世界で注目を集めているのが「ローコード開発」です。
この記事では、ローコード開発の現状と未来の展望について、特にAIとの融合と市場の拡大に焦点を当てて考えてみたいと思います。
ローコード開発とは?
ローコード開発は、できる限りソースコードを書かずにシステムやアプリケーションを開発する手法です。
GUI上であらかじめ用意された画面の部品やロジックの部品を組み合わせることで、迅速かつ効率的に開発を進めることができます。
必要に応じてコードを書くことも可能で、カスタマイズ性も備えています。
市場の拡大
近年、ローコードの採用は企業レベルで増加しており、ミック経済研究所の報告によると、2023年にはローコード開発市場が4560億円に達し、年平均16.3%の成長が見込まれています。
これはIT人材不足やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進がこの背景にあります。
ローコードとAIの融合
ローコードは学習コストが低く、非技術者にも開発の門戸を開いていますが、ある程度のIT知識を要するのが現状です。
しかし、近年目覚ましい成長を遂げるAIと組み合わせて活用することで、ローコード開発はさらに手軽になり、より多くの人々が開発に参加できるようになると予想されます。
例えば、AIに自然言語で指示を出せば、アプリの開発から実行までをAIが担う日も近そうですね。
AIを組み込んだツールの例
Power Apps | Copilot SQL AIアシスタント(Dash Comb) | AppSheet | |
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できること | ・会話形式でのアプリ開発 ・会話形式でのアプリ分析 |
・SQLクエリの生成 ・自然言語によるSQLクエリの改善 |
・会話形式でのアプリ開発 ・脆弱性やエラーの特定から修正まで ・サービスや開発手法に関するアドバイス |
対応プラットフォーム | ・Power Apps ・Microsoft 365 |
・Dash Comb ・SQLデータベース |
・AppSheet ・Google Workspace |
まとめ
この記事では、ローコード開発の基本から将来の展望、特にAIとの融合に焦点を当てて紹介しました。
ローコード開発の未来は、AIとの統合によって大きな変革を遂げようとしており、エンジニアだけでなく、幅広い層にとっても、ローコード開発の可能性は大きく広がっています。
しかし、複雑なアプリの開発にはまだ時間がかかるのが現状です。
多様なツールが登場している黎明期なので、どのツールが市場で生き残るかなどの動向も注視しながら効果的に活用していきたいですね。
この記事がローコード開発の現状と将来性についての理解を深める一助となれば幸いです。
参考資料
ローコード開発市場は2023年度に4560億円、年平均16.3%で成長─ミック経済研究所
ローコードとGenerative AIの融合