はじめに
本記事では、「「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。」を読んでみた感想やまとめを記載しようと思っています。
ありがたいことに25歳という若さで、入社して1年経ちませんがお客様との要件定義を任せていただきました。プログラミングとは違い、ドキュメント作成能力が試されるのですが、私の一番の苦手分野が「ドキュメント作成」です。上流工程でなくても、テスト仕様書を作成する際にもドキュメント作成能力が必要になるため、今後の私の課題は「ドキュメント作成能力」だなと感じました。
さらに、インプリムでは、サポートWEBなどの画面上のやり取りを通して、お客様とコミュニケーションをとる機会も多くあります。この点も私の弱点ではあります。先輩には文章の表現力が低いというご指摘をいただきました。
上記の理由から本書を読もうと思い、アウトプットのため本記事を作成いたします。
100冊を集めてわかった本当に大切な「7つのルール」
1位 文章はシンプルに
シンプルに書くとは「無くても意味が通じる言葉を削る」ということです。シンプルな文章を進める理由としては2つの理由からです。
- 内容が伝わりやすくなるから
むだのない文章は読み手の負担を減らし、内容の理解を促します。 - リズムが良くなるから
1文を短くすると「リズム感」が生まれます。
文の長さの目安は60文字以内です。1文の長さは60文字を目安にすることが良いですが、いちいち数えていられません。そのため、「ワンセンテンス・ワンメッセージ」を心がけることによって、文章は自然と短くなります。
2位 伝わる文章には「型」がある
文章は「型」に当てはめることによって、スムーズに文章を書くことができ、文章の流れが読め読みやすい文章となります。主に汎用性の高い「文章の型」は下記です。
- 逆三角形型・・・「結論→説明」
結論を先に述べる型 - PREP法・・・「結論→理由→具体例→結論」
結論を述べた後、結論に至った理由と具体例を述べる型 - 三段型・・・「序論→本論→結論」
結論を最後に述べる型
3位 文章も「見た目」が大事
文字が画面いっぱいに詰まっていると読む気が失せますよね?少なくとも私はそうです。そのため、文字の大きさ、太さ、1ページの行数、1行の文字数、空白行、文字の配列、改行のタイミング、文字間と行間のバランスによって、文章の見た目を整え、読む気を失せさせないようにします。本書で挙げられている見た目を良くするポイントは3点です。
- 余白
行間のサイズを「文字サイズの0.5~1文字分」、空白行を内容の区切りで1行 - ひらがなと漢字のバランス
漢字が多いと堅苦しい印象を、ひらがなが多いと幼い印象を与えてしまいます。そのため、「漢字:ひらがな = 7:3」の割合で文章を構成することが良いです。
ひらがなにしたほうが良い言葉
本書に記載のある中で私が普段使っていそうな物をピックアップしました。
- 事→こと
- 物 → もの
- 時 → とき
- 所 → ところ
- 位 → くらい
- 頂く・戴く → いただく
- 下さい → ください
- そういう風に → そういうふうに
- 詰まらない → つまらない
- 易い → やすい
- 沢山 → たくさん
- 宜しく → よろしく
- 為 → ため
- 及び → および
- 段々 → だんだん
- 後で → あとで
- 流石 → さすが
- 更に → さらに
- 等 → など
- 程 → ほど
- 余り → あまり
- 人達 → ひとたち
- 迄 → まで
- 出来る → できる
4位 文章は必ず「推敲」する
文章を書き終わったら必ず「推敲」することが必要です。その理由としては下記があげられます。
- 誤字・脱字をなくすため。
- 文字(文)を付け加えたり、削ったりして読みやすくするため。
- 情報に間違いがないかを確認するため。
- より分かりやすい表現に差し替えるため。
推敲するときの4つのポイント
- 時間を置く
- プリントアウトする。
- 声に出す(音読)。
- 他者の目を入れる。
推敲のポイントとしてもっとも多く挙げられていたのが、「時間を置く」です。一定時間時間をおいて読み返すことが推敲でもっとも必要です。時間の目安としては、「一晩~1週間」です。
また、「他者の目を入れる」ということも大切です。書き手とは違う視点で見てもらえるため、自分では気づけなかった修正点を発見できます。
推敲をする際のチェック項目
- 書かれている内容に間違いがないか、論理が破綻していないか点検する。
- 文字を削って、1文を短くする。
- 改行や空白行で余白を作る。
- 誤字・脱字をなくす(とくに固有名詞には注意)。
- 句読点を適切に打つ。
- 漢字とひらがなの比率を適正にする。
- 表記と用語を統一する。
- 不快感を伴う表現、差別用語を避ける。
- 主語と述語の関係を見直す。
- 重複表現を避ける。
5位 「わかりやすい言葉」を選ぶ
「わかりやすい言葉」とは「中学生でもわかる言葉」や「日常的に使われている言葉」、「耳慣れた言葉」のことです。難しい言葉や専門用語を使わないことが基本です(「34位 わかりにくいカタカナ語は日本語に」も参照)。
しかし、私が身を置いているIT業界では専門用語がたくさんあります(もちろんほかの業界でも)。専門用語を文章に盛り込む場合、解説を加えることで補うことが可能です。
解説を加える場合でも、解説内には難しい言葉や専門用語を使わないことが基本です。
7位 接続詞を「正しく」使う
接続詞とは「文と文をつなぐ言葉」です。そのため、接続詞を正しく使うことで前後の文のつながりがはっきりするため、文意が理解しやすくなります。
そもそも、接続詞を使った方が良い理由として下記があげられます。
- 接続詞で文をつなぐことで、論理展開を意識しながら書くことができるから。
- 接続詞を使った方が、論理が破綻しにくくなるから。
- 下記慣れていない人は、接続詞を使わずに文をつなぐことが難しいから。
- 接続詞の後の文を協調できるから。
接続詞が示す2つの文の関係性
- AだからB・・・Aが原因となってBになった(順接)ことがわかる。
- AだけどB・・・Aから予想される結果とは「逆の結果」になった(逆接)ことがわかる。
- AまたはB・・・A以外にBという選択があることがわかる。
項目 | 内容 |
---|---|
順接 | 前に述べたことが、後に述べることの原因・理由となること。 |
逆接 | 前に述べたことを否定すること。 |
接続詞は「使いすぎ」も「使わなすぎ」もダメです。接続詞を少なくしたほうが良い理由としては下記があげられます。
- 文章がすっきりするから。
- 接続詞が多いと文章の勢いや流れをさえぎってしまうから。
- 接続詞を使わなくても伝わるように書くことが文章力向上のコツであるから。
接続詞の4つのルール
- 無くても意味が通じる場合は削除する。
- 「順接」の接続詞は無くてもよい場合がある。
- 逆接の接続詞はあったほうが文意が伝わりやすい。
上述しましたが、接続詞はなるべく少なくする中でも「逆接」は削除しないことがおすすめです。なぜなら、前文とは反対の内容であるため、文の関係性がよりはっきりするためです。
接続詞については下記を参照してください。
https://pothos.blue/setuzokusi.htm
9位 「正確さ」こそ、文章の基本
文章は情報伝達ツールである以上、間違ったことを書かないようにしなくてはいけません。そのため、あいまいさや間違いがないことが文章には要求されます。
正確でわかりやすい文章の条件
- 誤解なく伝える。
- 必要な情報がすべて書かれている。
11位 主語と述語はワンセット
基本的に文章は「主語」と「述語」のから成り立っています。そのため、「主語と述語はワンセット」だととらえましょう。
また、主語と述語が離れているとどの主語がどの述語に対応するかわかりづらくなってしまいます。そのため。主語と述語はできるだけ近づけるようにします。
さらに、主語はむやみに省略しないようにします(省略してもよい場合については、「29位 同じ主語が続くときは省略してみる」を参照)。
13位 「、」「。」をテキトーに打たない
句読点には、「文章の意味を明確にする」や「リズムを刻む」といった文章にとって重要な役割があります。句点は文の終わりにつけるため、わかりやすいです。しかし、読点は文の途中で打つためとても迷います。
読点の8つのルール
- 文の切れ目に打つ。
例)姉の家族が遊びに来たので、祖父は喜んだ。 - 長い修飾がつくときに打つ。
例)昨夜は借りてきたビデオを遅くまで見ていたので、今朝は眠い。 - 対等に語句を並べるときに打つ。
例)家族も、友人も、同僚も、みんなが彼を心配していた。 - 接続詞、逆接の女子の後に打つ。
例)今はいい天気だが、明日は大雨の予報だ。 - 挿入された語句の前後や文節を区切るときに打つ。
例)今日の会議のテーマは、先日お伝えしたように、来期の予算についてです。 - 引用を示す「と」の前に打つ。
例)関氏は繰り返される、と先生が言った。 - 感動詞や呼びかけの句の後に打つ。
例)ねぇ、私の話を聞いている? - 修飾する語とされる語の関係を明確にするために打つ。
例)生まれてはじめてフランス料理のフルコースを食べて、感激しました。
14位 段落はこまめに変える
文章は読み手に伝わることが使命です。そのため、改行し段落を分けていくことで、文章を読みやすくします。
段落分けの3つのルール
- 書き出しは1字下げる。
- 段落をつける。
- 改行後、新しい段落は1字下げる。
19位 「は」と「が」を使い分ける
文章には助詞の「は」と「が」が頻出します。そのため、これらの単語の役割と使い分けを理解する必要があります。
助詞とは「言葉と言葉をつないで、その関係を示したり、意味を添えたりする。
「は」はすでにわかっていること、「が」はわかっていないことに使う
例:主語に使う場合
①こちらは女優のAさんです。
②こちらが女優のAさんです。
上記の例では大差ないように見えます。
①昨日、お金持ちそうな紳士が、バーのカウンターにいました。
②その紳士は、マティーニを飲んでいました。
「お金持ちそうな紳士が」の「が」も「その紳士は」の「は」も主語についている助詞です。これを入れ替えてみます。
①昨日、お金持ちそうな紳士は、バーのカウンターにいました。
②その紳士が、マティーニを飲んでいました。
「は」と「が」の位置を入れ替えることで、文章のニュアンスが変わってきます。
なぜなら、「が」は未知の情報につき、「は」は既知の情報につくからです。
例文
むかしむかし、おじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは、山に芝刈りに、おばあさんは、川に洗濯に行きました。
26位 同じ言葉の重複を避ける
たとえば、1文の中に同じ言葉が2回以上登場したり、同じ段落の中に同じ言葉が何度も出てくると文章のリズムが悪くなり、稚拙な印象を与えてしまいます。
そのため、重複をなくす(減らす)か、別の言葉に置き換えて冗長さをなくします。
27位 「見出し」で内容を端的に伝える
見出しは「何が書いてあるか」を事前に示す道標です。そして、内容には「見出しと同じ内容の言い回しを使うこと」をオススメします。
見出しの付け方
- 本文を書き始める前に仮の見出しを考える
- 仮の見出しに沿って書く
- 仮の見出しと本文の内容があっているかを確認する
- 本文を書き終えてから見出しを見直す
29位 同じ主語が続くときは省略してみる
日本語は主語を省略しても文章として成り立ちますが、主語がないと「何が」がわからないということが起こります。
しかし、むやみに主語を省いてしまうと文意が正しく伝わらない場合があります。
主語を省いてよいケース
同じ主語が続くとき
日本語は前後の関係から主語を推測できます。そのため、主語が連続する場合は省略したほうが文章がすっきりします。
人々や世間が主語のとき
一般的な話では、不特定多数の人が主語になることが多いです。その場合は主語を省略することで文章がすっきりします。
また、文意が伝わるのであれば「私」や「僕」などの人称代名詞は省略したほうがリズムはよくなります。
31位 テクニックでごまかさない
ここまで文章術についてテクニックをご紹介しましたが、結局はこちらの内容が大切になるのかと思っています。
「相手の心を動かすにはテクニックより内容」が重要です。そのため、人の心を動かすためには筆者の思いや情熱がそろった内容が必要になります。
34位 わかりにくいカタカナ語は日本語に
カタカナ語が多いと読みにくい文章となります。日常で一般的によく使われているカタカナ語(例えば、「スーツ」や「テレビ」など)は別ですが、それ以外のカタカナ語はできるだけ使わず日本語に置き換えます(「5位 「わかりやすい言葉」を選ぶ」も参照)。
意味の分からないカタカナ語が出てくると一度文章を読むという行為が止まるため、リズムが悪くなってしまいます。
それぞれの業界では一般的な専門用語やカタカナ語もそのほかの業界や世間では一般的な用語ではないことは多くあります。その業界に居続けるとわからなくなってしまいますよね。そのため、私は勉強する際に専門用語などは日本語でかみ砕いて理解するようにしています。また、可能な限り専門用語は使わないようにしています。
おそらくその業界の人からするとくどい表現になっているかもしれません・・・
ビジネスで使われるカタカナ語の一例
カタカナ語 | 日本語 |
---|---|
アカウンタビリティ | 説明の義務、責任 |
アサイン | 割り当てる、任命する |
ギミック | 工夫、仕掛け |
キャパシティ | 収容能力、受容力、定員 |
コミットメント | 関与、確約、誓約 |
コンセンサス | 合意 |
コンプライアンス | 法令順守 |
スペック | 仕様書 |
ソリューション | 問題解決の手段、方法 |
タイト | 余裕がない、緊迫した、ぴったりした |
デフォルメ | 誇張、対象を変形して表現すること |
ナレッジ | 知識、情報 |
ニッチ | 市場の隙間 |
パートナーシップ | 協力関係 |
バイアス | 偏見、先入観 |
パラダイム | 枠組み |
パラドックス | 逆説 |
プライオリティ | 優先順位 |
プロパー | 正式な、生え抜きの社員、正社員 |
マター | 担当、問題 |
モラルハザード | 倫理の欠如 |
ユニバーサルサービス | 全国均質のサービス |
リーク | 漏洩、暴露 |
リテラシー | 知識、教養 |
レギュレーション | 規則、規定 |
レジュメ | 要約、履歴書 |
フィジビリティ | 実現の見込み、実現できる可能性 |
35位 ビジネス文書・論文は「話し言葉」より「書き言葉」
当然のことながら、ビジネス文書は「書き言葉」(文語体)を使うようにします。
話し言葉から書き言葉への言い換え例
- いろんな → いろいろな
- ~から → ~ので
- ~けど → ~けれど、~だが
- ~してる → ~している
- じゃあ → では
- ~じゃない → ~ではない
- それから → また
- ちっとも → 少しも
- でも → しかし
- ~なんて → ~などは
- マジで → 本当に
- ~みたい → ~のよう
- やっぱり → やはり
36位 ビジネスメールは簡潔さが命
今回はビジネスメールに特化した内容なので少し内容を記載します。
おそらく社会人であればビジネスメールを使わないことはないかと思います。弊社ではあまり外部の人とビジネスメールのやり取りはしません(営業の人はよくしています)が、たまに外部とのやり取りをすることがあります。
その際に「読み飛ばされないようなメール」や「失礼のないメール」を心がけています。その一助としてこちらの内容が役に立てばよいなと思っています。
件名と最初の3行で要件がわかるように書く
ビジネスメールは、移動中や打ち合わせの間などのすき間時間に見ることが多いものです。そのため、受信者の時間を必要以上に奪わないためには、簡潔に要点が伝わるメールを送りましょう。
ビジネスメールを書くときの3つの注意点
- 件名は具体的にして、読み飛ばされないようにする。
- あいさつ文以降の最初の2, 3行で要件をまとめる。
- 長い文章を書かない。
37位 イメージまで共有できれば誤解なく伝わる
筆者と読者の間で認識の齟齬を生じさせないためには、最初に同じイメージを持つ必要があります。
良い文章では、内容の冒頭に「~とは~である。」というような定義づけをしています。これは、同じイメージを持つように定義づけをしてます。
そのため、物事を誤解なく伝えるには、相手が文章を読んだときに抱くイメージと、自分の伝えたいイメージを一致させることが大切です。
そのうえで、「9位 「正確さ」こそ、文章の基本」で紹介したように、正しい情報を漏れなく伝えることで、読み手の誤解を防ぐことができます。特に、ビジネス文書などの実務の文章は「誤解なく伝えようと心がけること」が重要です。
39位 根拠を示す
説得力のある文章は「論理的で正確」である必要があります。「論理的で正確」な文章にするためには、「根拠を示す」必要があります。根拠とは「主張のよりどころや支えとなること」です。
根拠の示し方
- 研究、調査結果をデータ(数字など)で示す
- 専門家の見解を紹介する
- 自分の体験を述べる
- 著名人の事例を紹介する
- 資料(本など)空引用する
40位 過去形と現在形を交ぜると文章がいきいきする
日本語の文章において、過去形と現在形を交ぜることで次の2つの効果が生まれます。
文章にリズムができる
悪い例
昨日まで新潟の魚沼地方にいた。友人と会い、毎日コシヒカリの新米を食べた。新米はおいしかった。1粒の梅干しと焼き鮭で2膳おかわりをした。来年も新米の次期に訪れたいと思った。
良い例
昨日まで新潟の魚沼地方にいた。友人と会い、毎日コシヒカリの新米を食べる。新米はおいしい。1粒の梅干しと焼き鮭で2膳おかわりをする。来年も新米の時期に訪れたい。
ライブ感が生まれる
例文
昨晩の公園に散歩に出かけた。風がそよぐと枯葉が舞う。それを追いかけていた小さな子が転んだ。泣きながらも自分で立ち上がる。見ていた大人たちから安どのため息がもれた。