anyhowを試していたら?と型でハマった

初心者が、anyhowを試していた時にハマりました。

エラーの型でハマる

anyhow
https://docs.rs/anyhow/1.0.34/anyhow/

anyhowのサンプル

use std::fs::File;
use anyhow::Result;

fn main() -> Result<()> {
   let l = File::open("bar.txt")?;
   Ok(())
}

ファイルがないのでエラーが返ります。

Error: 指定されたファイルが見つかりません。 (os error 2)
error: process didn't exit successfully: `target\debug\test.exe` (exit code: 1)

anyhowはエラーをいい感じにまとめてくれるすばらしいやつです。
勝手にResultをすべてよしなにしてくれるような気になりました。

ふとそのまま返してみると

fn main() -> Result<()> {
   let l = File::open("bar.txt");
   
   match l {
       Ok(f) => f,
       Err(e) => return Err(e),
   };
   
   Ok(())
}

型が違うのでコンパイルエラーになってしまいました。

error[E0308]: mismatched types
  --> src\main.rs:10:29
   |
10 |        Err(e) => return Err(e),
   |                             ^ expected struct `anyhow::Error`, found struct `std::io::Error`

修正版

fn main() -> Result<()> {
   let l = File::open("bar.txt");
   
   match l {
       Ok(f) => f,
       Err(e) => return Err(e.into()),/*intoが必要*/
   };
   
   Ok(())
}

intoが必要でした。
?がキャストしてくれるのですぐに気づきませんでした。

余談ですが、anyhow::Errorが返るマクロもあるようです。

fn main() -> Result<()> {
   let l = File::open("bar.txt");
   
   match l {
       Ok(f) => f,
       Err(e) => return Err(anyhow!("エラー：{}",e)),
   };
   
   Ok(())
}

Error: エラー：指定されたファイルが見つかりません。 (os error 2)
error: process didn't exit successfully: `target\debug\test.exe` (exit code: 1)

非同期でハマる

普通にawaitする場合はそのまま

use anyhow::*;
use tokio::fs::File;

#[tokio::main]
async fn main() -> Result<()> {
    File::open("foo.txt").await?;
    Ok(())

}

Error: 指定されたファイルが見つかりません。 (os error 2)
error: process didn't exit successfully: `target\debug\test.exe` (exit code: 1)

エラーが返ります。

よくspawnしている例があるのでspawnしてみると

#[tokio::main]
async fn main() -> Result<()> {
     let handle = tokio::spawn(File::open("foo.txt"));
     let result = handle.await?;

    Ok(())
}

エラーになるのを期待していたのですが、正常終了してしまいます。

修正版

#[tokio::main]
async fn main() -> Result<()> {
     let handle = tokio::spawn(File::open("foo.txt"));
     let result = handle.await??;  /*2ついる*/

    Ok(())
}

?が2つ必要でした。
handleはJoinHandleに包まれた型tokio::task::JoinHandle<std::result::Result<tokio::fs::File, std::io::Error>>
になっていてawaitすると
std::result::Result<std::result::Result<tokio::fs::File, std::io::Error>, tokio::task::JoinError>
とResultがネストした形になっているためでした。

結論

型をちゃんとみろってことですね。

追記

https://cha-shu00.hatenablog.com/entry/2020/12/08/060000
詳しく解説してくださっています。