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Windows での Python 環境構築から実行までのあれこれ

Last updated at Posted at 2017-08-11

Python の環境構築時に、「認証プロキシ設定も、共存環境も、実行確認も必要」となり色々な記事を渡り歩いたので、 1 つに纏っていると良いなと思い投稿します。

はじめに

内容

当記事で紹介する内容は以下です。認証プロキシや共存環境構築は必要に応じて読み飛ばして下さい。

  • Anaconda のインストール (Windows)
  • 認証プロキシの設定
  • 異なるバージョンの共存環境構築
  • 対話モードでプログラムを実行
  • Python スクリプトを実行

誰向けか

以下の何れかに当てはまる Python 初学者向けです。

  • 会社の PC (Windows) で Python を使う必要が出てきた
  • Python2 と 3 両方使用する等、異なるバージョンを共存させたい
  • サクッと環境構築から実行確認までをしたい

環境

動作確認済の環境は以下のとおりです。

  • Windows10(64bit) Version 1607
  • Anaconda 4.4.0 Python 3.6 Version
  • Python 3.6.1 と Python 2.7.13

手順

Anaconda のインストール

  • ダウンロードサイトから対象 OS に対応するインストーラをダウンロードします。
    (※) Python2 系メインの人でも、3 系のインストーラで OK。

  • インストールした exe をキックし、インストールを進めます。
    __「環境変数PATHへ追加する」にチェックを入れる__以外はデフォルト設定のままで OK です。

Anaconda.PNG

インストール時の設定情報確認

  • スタートメニューにある Anaconda Prompt を起動します。

AnacondaPrompt.png

  • 以下のコマンドより存在する環境の確認を行います。現在動作している環境には " * " が表示されます。
C:\Users\ユーザ名 >conda info -e

# conda environments:
#
root                  *  C:\Users\ユーザ名\Anaconda3
  • python と入力し、現在動作している環境の Python のバージョンを確認します。
    以下より、Python 3.6.1 であることが確認できます。
C:\Users\ユーザ名 >python
Python 3.6.1 |Anaconda 4.4.0 (64-bit)| (default, May 11 2017, 13:25:24) [MSC v.1900 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>
  • 以下を入力し、対話モードを一度抜けます。
>>>exit() 

認証プロキシ設定

(※) 認証プロキシ環境下の方は、先に認証を通さないと「共存環境の構築」が実行出来ません。

  • Anaconda3 の HOME ディレクトリ (通常は C:\Users\ユーザ名\Anaconda3) 直下に設定ファイル .condarc を作成します。
    .condarc にプロキシ認証に使用する「ユーザ名」「パスワード」「IPアドレス」「ポート番号」を以下の通り記述します。1
proxy_servers:
    http: http://ユーザ名:パスワード@IPアドレス:ポート番号
    https: https://ユーザ名:パスワード@IPアドレス:ポート番号

(※) 直接作成出来ない場合は適当なテキストファイルを作成し、以下を実行して下さい。

# Anaconda3 の HOME ディレクトリに移動してから実行
C:\Users\ユーザ名\Anaconda3 >ren <テキストファイル名> .condarc
  • 以下のコマンドを実行して設定が反映されているか確認します。
C:\Users\ユーザ名 >conda config --show

add_anaconda_token: True
...

proxy_servers:
  http: http://ユーザ名:パスワード@IPアドレス:ポート番号
  https: https://ユーザ名:パスワード@IPアドレス:ポート番号

...
verbosity: 0

異なるバージョンの共存環境構築

  • 今回は例として、Python2.7 系の環境を共存させます。まずは、以下のコマンドを実行します。
    末尾に anaconda を付与すると、Anaconda インストール時に自動で含まれるライブラリを引き継いでくれます。2
# 2.7 系の Python 実行環境を、「py27」という名称で作成
C:\Users\ユーザ名 >conda create -n py27 python=2.7 anaconda
  • 「py27」という名称で環境が出来たことを確認します。
C:\Users\ユーザ名 >conda info -e

# conda environments:
#
py27                      C:\Users\ユーザ名\Anaconda3\envs\py27
root                  *  C:\Users\ユーザ名\Anaconda3
  • activate コマンドより Python2 用の環境に入ります。3
C:\Users\ユーザ名 >activate py27
(py27) C:\Users\ユーザ名 >
  • python と入力して Python のバージョンを表示し、環境が切替わっていることを確認します。
(py27) C:\Users\ユーザ名 >python
Python 2.7.13 |Continuum Analytics, Inc.| (default, May 11 2017, 13:17:26) [MSC v.1500 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
Anaconda is brought to you by Continuum Analytics.
Please check out: http://continuum.io/thanks and https://anaconda.org
>>>

対話モードでプログラムを実行

  • 2 系の環境に入ったまま、対話モードで "Hello, world!" と表示してみます。
    print('Hello, world!') と入力して下さい。
>>> print('Hello, world!')
Hello, world!
>>>

"Hello, world!" と表示されることが確認できました。

Python スクリプトを実行

  • 以下を入力し、対話モードを一度抜けます。
>>>exit() 
  • 以下の Python スクリプトを用意し、適当なディレクトリに保存ます。
helloWorld.py
print('Hello, world!')
  • 以下を実行し、"Hello, world!" と表示されることを確認します。
    <スクリプトの格納先>には、先程作成したスクリプトのパスを入れて下さい。
(py27) C:\Users\ユーザ名 >python <スクリプトの格納先>\helloWorld.py
Hello, world!

(py27) C:\Users\ユーザ名 >

  • deactivate コマンドより 2 系の環境を抜けます。
(py27) C:\Users\ユーザ名 >deactivate py27

C:\Users\ユーザ名 >
  • python と入力し環境が切り替わっていることを確認します。
C:\Users\ユーザ名 >python
Python 3.6.1 |Anaconda 4.4.0 (64-bit)| (default, May 11 2017, 13:25:24) [MSC v.1900 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>

以上で Python2 系の動作確認は完了です。
上記に続けて 3 系でも同様に「対話モードでプログラムを実行」「Python スクリプトを実行」すると動作確認が出来ます。4

おわりに

当記事では以下の内容を紹介しました。

  • Anaconda のインストール
  • 認証プロキシの設定
  • 異なるバージョンの共存環境構築
  • 対話モードでプログラムを実行
  • Python スクリプトを実行

インストール ~ 実行確認まで非常に簡単だったと思います。

Java を主に使っていた自分としては、異なるバージョンの共存環境構築が簡単すぎて驚きました。

補足(共存環境構築について)

異なるバージョンの共存環境を構築した際の以下のコマンドに関連して、何点か補足します。

C:\Users\ユーザ名 >conda create -n py27 python=2.7 anaconda

バージョン指定

  • python= で指定するバージョンは、3.X 系ももちろん OK です。
  • python= でマイナーバージョンを指定しないと対象系の最新版がインストールされます。
  • Anaconda のライブラリにないバージョンを指定すると、以下のメッセージが出力されます。
C:\Users\ユーザ名 >conda create -n py21 python=2.1
Fetching package metadata ...........

PackageNotFoundError: Package missing in current win-64 channels:
  - python 2.1*
  • 2017/08/11 時点で確認した指定出来るマイナーバージョンは以下の通りでした。
指定できるバージョン
2.5以前 なし
2.6 2.6.8、2.6.9
2.7 2.7.3 ~ 2.7.13
3.1 なし
3.2 なし
3.3 以降 基本的にどれも OK

作成した環境の削除

  • 作成した環境を削除したい場合は以下のコマンドを実行します。
C:\Users\ユーザ名 >conda remove -n <環境名> --all

参考

  1. ユーザ/パスワード認証が不要な場合は @以前を削除して下さい。

  2. 末尾に anaconda を付与しない場合は、自身で conda install 等で後にインストールします。conda list で既に何がインストールされているか確認できます。

  3. Mac や Linux だと source activate

  4. print は 2 系と 3 系で大きく動作が異なりますが、当記事では両環境下で動作する書き方を紹介しています。

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