cmdstan

cmdstanはstanに、stanはstanmathに、stanmathはTBBに依存していて、サブモジュールとしてツリーの中に持っています。

%ls stan/lib/stan_math/lib/tbb_2020.3

pkgのonetbbはバージョンが新しく、うまく行かなかったので、tbb_2020.3をコンパイルして別の場所にインストールすることにします。また、stanのソースをC++にコンパイルするstancはバイナリをダウンロードしていますが、FreeBSD用のバイナリは提供されていませんので、ソースからコンパイルします。

まずは、リポジトリから依存関係を含めてソースを取得します。

git clone --recursive https://github.com/stan-dev/cmdstan.git

FreeBSDを認識するようにmake/stancを編集します。

% git diff make/stanc
diff --git a/make/stanc b/make/stanc
index e860ac5..b0c3c1c 100644
--- a/make/stanc
+++ b/make/stanc
@@ -36,7 +36,8 @@ else ifeq ($(OS),Linux)
 	ARCH_TAG := -armhf
   endif
  endif
-
+else ifeq ($(OS),FreeBSD)
+  OS_TAG := FreeBSD
 else
   $(error  Cannot detect OS properly. $n This will impede automatically downloading the correct stanc. $n Please visit https://github.com/stan-dev/stanc3/releases and download a stanc binary for your OS and place it in ./bin/stanc. $n )
 endif

stancのソースとTBBのインストール先を指定します。

% cat make/local
CXX = c++
TBB_CXX_TYPE = clang
TBB_LIB = ${HOME}/.local/lib 
STANC3 = ${HOME}/src/stanc3

stanc3

既定ではstancはバイナリをダウンロードします。FreeBSD用はないので、Not Foundと書かれたファイルができてしまいます。getting_startedを参考にソースからコンパイルします。stanc3はOCamlで書かれていますので、OCamlのインストールも必要です。

cmdstanのmake/localに指定したパス（上の例では${HOME}/src/stanc3）に取得します。

git clone https://github.com/stan-dev/stanc3.git

OCamlのインストールには、GNU patch必要なので、インストールします。

# pkg install patch
``
[Install OCaml](https://www.ocaml.org/install)の通りにインストールします。

bash -c "sh <(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/ocaml/opam/master/shell/install.sh)"
opam install ocaml-lsp-server odoc ocamlformat utop


新しいターミナルを立ち上げて、stancをビルドします。
```zsh
opam update; opam install --deps-only --with-test .

バイナリは_build/default/src/stanc/stanc.exe
にできます。

tbb_2020.3

tbbのディレクトリに移動して、ビルドします。pkgのonetbbとコンフリクトしないように、${HOME}/.localにライブラリとヘッダをインストールしました。

% cd stan/lib/stan_math/lib/tbb_2020.3
% gmake
% cp build/FreeBSD_intel64_clang_cc16.0.6_kernel14.0_release/libtbb.so ~/.local/lib
% cp build/FreeBSD_intel64_clang_cc16.0.6_kernel14.0_release/libtbbmalloc.so ~/.local/lib
% cd ~/.local/include
% ln -s ${OLDPWD}/include/tbb .

最後にcmdstanをインストールして、例をビルド、実行して動作確認をします。

gmake build
gmake examples/bernoulli/bernoulli

rstan

FreeBSDでは~/.R/Makevarsに2行追加する必要があります。

TBBのインターフェースが変更され、古いヘッダは削除されたので、プリプロセッサフラグで新しいものを使うことを指定します。
libtbb.soだけでなくlibtbbmalloc.soもリンクする必要があります。
gistにもMakevarのサンプルを置きましたが、ここにも書いておきます。

CPPFLAGS+= -DTBB_INTERFACE_NEW=true
LDFLAGS+= -ltbb -ltbbmalloc

以上の変更をすれば、Rからinstall.packages("rstan")でコンパイルはうまくいきます。

FreeBSDでstan

cmdstan

stanc3

tbb_2020.3

rstan