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データベーススペシャリスト試験受験記~合格した実際の勉強時間と勉強法~

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 この度、IPAの2023年秋季のデータベーススペシャリスト試験(以下DBSP)に合格することができました。試験概要や、その際の実際の勉強方法・時間、試験当日等についてまとめます。

1. 受験動機

DBSPを受験した理由は以下の通りです。

  1. 資格取得を目標にすることで、モチベーションを維持するため
  2. 応用情報技術者試験合格により、高度試験の午前試験の一部が免除されるため
  3. 実務でのDB使用経験があり、知識の体系化とスキルアップを図るため
  4. 資格支援制度によって、受験料と教材代が会社負担となり、報奨金が出るため

1のモチベーション維持について、目標を明確にすることと、受験日という締め切りを設定することで、モチベーションを維持することが目的でした。

2の午前試験免除について、情報処理推進機構(以下IPA)の高度試験は応用情報技術者試験に合格すると、午前試験の一部が免除されるのですが、この期限が合格から2年間であるため、この期限内に高度試験を受験するために、DBSPを受験することにしました。

3のスキルアップについて、複数ある高度試験の中で、実務で使用することが最も多いのものがDBSPだったので、この試験を勉強することでDBの知識を体系的に身につけ、実務でのスキルアップを図りたいと考えました。

4の資格支援制度について、会社が資格取得を支援してくれる制度があり、受験料と教材代が会社負担となり、合格すると報奨金が出るということで、この制度を活用するために、DBSPを受験することにしました。

2. 私について

 新卒2年目
 基本情報技術者試験・応用情報技術者試験・情報セキュリティマネジメント試験合格済

3. 試験概要

 試験の概要について簡単に記載します。詳細が気になる方は以下のIPAの公式のリンク(2024/01/31時点)をご覧ください。
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/db.html

 DBSPはIPAが年に1回実施している、データベースに関する国家資格試験で、データベースの基礎知識や設計、運用、管理などについての知識を問われます。
受験料は7500円となっています。

 試験は午前Ⅰ・Ⅱ、午後Ⅰ・Ⅱの4つの試験に分かれており、午前試験は四択の選択式で、午後試験は記述式となっており、全ての試験で60%以上の正解率で合格となります。
試験時間は午前Ⅰが50分、午前Ⅱが40分、午後Ⅰが90分、午後Ⅱが120分です。
 午前ⅠはIT全般の知識が問われるため(応用情報の縮小版のようなイメージ)、対策するには浅く広い知識が必要なので、なかなか大変だと思います。
※私は応用情報技術者試験に合格していたため、午前Ⅰは免除されました。
 
 午後の試験は試験時間自体は長いですが、問題量が多く、時間との勝負になってきます。

午前Ⅰ 午前Ⅱ 午後Ⅰ 午後Ⅱ
試験時間 9:30~10:20
(50分)
10:50~11:30
(40分)
12:30~14:00
(90分)
14:30~16:30
(120分)
出題形式 選択式 選択式 記述式 記述式
配点 100点満点 100点満点 100点満点 100点満点
合格点 60点 60点 60点 60点

4. 勉強方法

実際に使用した参考書・教材は以下の2つです。

情報処理教科書 データベーススペシャリスト 2023年版 Kindle版

 参考書について、Kindleで読めてかつ、過去問が付属しているということで、この本を選びました。
 私は参考書を選ぶ際に、可能なら必ずKindle版を選ぶようにしています。iPadで読めるので、分厚い本を持ち運ぶ必要がなく、また、参考書は読み返すことが多いので、目次からすぐに目的のページに飛べるので、非常に便利です。やる気があるときに、すぐに勉強できるというのも大きいです。
 私は試験に合格するための最も効果的な勉強法は過去問を解くことだと考えています。そのため、過去問が多く付属しているこの本を選びました。こちらの参考書には21年分の過去問が付属しており、解説も丁寧だったので、だいぶ良かったです。

データベーススペシャリスト過去問道場

 過去問道場は無料で過去問を解くことができ、解説も用意されています。スマホでも利用することができるので、通勤時の電車の中等の隙間時間に勉強することができました。

午前対策

 午前は選択式なので、過去問道場でひたすら過去問を解くという勉強方法を取りました。
過去問を解いていると、全く同じ問題文・選択肢が出題されることがあり、実際の試験でも同じ問題文・選択肢が出題されたので、過去問道場での勉強は効果的だったと思います。

午後対策

 午後は記述式で、午後Ⅰは3問から2問、午後Ⅱは2問から1問を選択する形式となっています。それぞれテーマが決まっており、例年同じようなテーマが出題されているので、予め選択する問題を決めてそれを中心に勉強しました。
 テーマを縛った方が効率的ではありますが、もしそのテーマが出題されなかった場合積んでしまうので、参考書での学習と過去問の演習も数回程度行いました。
 過去問は時間を計測して行い、本来の試験時間が過ぎても最後まで解くようにしました。この際、時間が終了した時点の回答と時間外の回答をわかるようにしておき、時間があれば解けた問題と解けなかった問題をわかるようにしました。

5. 実際の勉強時間

 受験までの各週の教材ごとの勉強時間を以下に示します。

参考書 過去問 合計
07/31週 3:55 0:00 3:55
08/07週 0:00 0:00 0:00
08/14週 0:00 0:00 0:00
08/21週 2:42 0:25 3:07
08/28週 0:00 3:13 3:13
09/04週 0:00 7:01 7:01
09/11週 0:00 7:53 7:53
09/18週 2:46 3:27 6:13
09/25週 1:08 0:00 1:08
10/02週 0:00 4:02 4:02
合計 10:31 26:01 36:32

 7/31週にスタートを切れたのはよかったですが、そこから、2週間勉強時間が0というのは、あまりよくないですね。。。(笑)
 なので、実質7週間前から勉強を開始したと考えてもよいかと思います。参考書の勉強時間が約10.5時間、過去問の勉強時間が約26時間、合計が約36.5時間となりました。
 後述しますが、もう少し過去問の時間を増やしておけばよかったと思います。

6. 試験当日

試験会場

 試験は某大学で実施されました。教室の約3割ほどが欠席でした。今回は違いましたが、会場によっては、土足厳禁の場所もあるので注意が必要です。

途中退席について

 午前試験は途中退席ができませんが、午後試験は途中退席が可能です。
 午後Ⅰは途中退席している人はいませんでしたが、午後Ⅱは例年よりも時間に余裕があると個人的には感じており、そのため途中退席する人も数人いました。

試験終了後の感想

 午前Ⅱは想像しているよりも知らない問題がでてきて、ギリギリ合格しているかなぁといった感じでした。
 午前Ⅰは時間配分を間違えてしまい、詰まったところで考えてしまった結果、時間が足りず、最後まで完答しきることができませんでした。ここで、時間を意識した過去問演習が足りなかったと反省しました。この時点で午前Ⅰは不合格だと思っていたので、正直テンションが下がりました(笑)。
 しかし、午後Ⅱを受けずに帰るわけにもいかないので、午後Ⅱは最後まで解き切ることができました。例年よりかは時間に余裕があったので、最後まで解き切り、見直しの時間も取ることができました。

7. 結果

結果は午前Ⅱが6割半ば、午後Ⅰが8割弱、午後Ⅱが7割弱で何とか合格することができました。自分としては落ちた気がしていたので、なかなか嬉しかったです。
 一番できていなかったと思っていた午後Ⅰが最も点が高いという結果になり、自分の手ごたえがあてにならないなぁと実感しました。

 IPAから発表された合格率は以下の表の通りです。

応募者数 受験者数 合格者数 合格率 合格者
平均年齢
13,121 8,980 1,664 18.5% 30.8歳

 受験率は68.4%ということで、約3割が欠席していたのと一致していました。合格率は18.5%で、近年合格率が上昇しているようなので、次回以降の試験については難易度が上がる可能性があるかもしれません。

8. 受験してみて感じたメリット

モチベーションを維持して勉強することができた

 受験動機にも記載しましたが、試験合格という明確な目標と締切があることで、モチベーションを維持することができました。

実務でDBSPの試験で学んだ知識を生かすことができた

 先日、新たに配属された案件で既存DBの解析を行う場面があったのですが、DBSPの試験で学んだ知識を生かし、概念データモデルを作成し、既存DBの解析を行うことができました。

報奨金が出た

 前述した資格支援制度によって、会社から報奨金をいただくことができました。また、資格に合格すると、人事考課の評価の対象となるため、評価が上がる可能性があるというメリットもあります。

9. まとめ

 今回は、DBSPに合格するためにどのような勉強を行ったかを記載しました。DBSPは、実務で使用することが多いDBの知識を体系的に身につけることができるため、実務でのスキルアップにもつながると思います。

引用

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