ペライチアドベントカレンダーの13日目です。
誰でも簡単にホームページが作れるペライチでは有料プランに契約いただくと、ホームページに独自ドメインを設定することができます。ペライチで独自ドメインを利用していただくには、ドメイン販売サービスなどでユーザーさまが購入したドメインにAレコードを設定していただく必要があります。(DNS設定が不要なペライチ内でドメインを購入するオプションもあります)
慣れないユーザーさまがDNSを設定する場合、どうしても設定ミスをしてしまうことがあり、これまでに数多くのドメイントラブルのお問い合わせをいただいてしまっています。集まった事例からドメイン関連のトラブルシューティングのヘルプページを作成しています。
- https://support.peraichi.com/hc/ja/articles/360022515333
- https://support.peraichi.com/hc/ja/articles/360023852853
今回はその中で印象に残っている設定ミスについていくつかご紹介しようかなと思います。
1. Aレコードが複数設定されている
ペライチで独自ドメインを利用するには、ドメインのAレコードに 13.112.187.226
のIPアドレスを設定していただく必要があります。
以前に同じドメインでホームページを公開しており、ペライチに移行された場合に、以前の古いAレコードの設定が残ったままになっていることが多くあります。
特に旧ホームページがしばらく運用されていなかったなどエラー画面が表示される状態になっていると、ペライチで障害が発生しているのではないか、というお問合せを受けることがあります
dig で一瞬で判別できるので四天王の中でも最弱の難易度です。
$ dig +short example.com
93.184.216.34
13.112.187.226
2. IPv6の罠
ペライチで独自ドメインを利用するには、ドメインのAレコードに 13.112.187.226
のIPアドレスを設定していただく必要があります。IPv6にはまだ対応ができていません。
ブラウザで確認すると「1. Aレコードが複数設定されている」かのような挙動をするが、digを見ても問題ないように見える場合があります。
$ dig +short example.com
13.112.187.226
この時、Aレコードと同じドメインに AAAA レコードが設定されている場合があります。digコマンドではデフォルトでAレコードのクエリになっているので、明示的にAAAAレコードで問い合わせないといけません。罠でした。
$ dig +short example.com AAAA
2606:2800:220:1:248:1893:25c8:1946
3. メールが受信できなくなった
「Aレコードを変更したらメールが受信できなくなった」というお問い合わせを受けることがあります。
これはWEBサーバーとメールサーバーが同じサーバー(同じIPアドレス)で運営されているサービスを利用されている場合に多いです。
MXレコードに以下のように「WEBサーバーと同じドメイン」が設定されていると、Aレコードの設定を変更することでメールサーバーへの向き先IPアドレスも変更されてしまいます。
dig +short exampel.com MX
10 example.com.
-
mail.exmaple.com
などメール用のサブドメインでメールサーバーのIPアドレスを設定し、MXレコードにこちらのドメインを設定する。 - MXレコードに元のAレコードのIPアドレスをそのまま設定する。
などの対策が考えられます。
基本的にはご利用中のメールサービス側にどのように設定すべきかを確認していただくご案内になります。
4. 操作しているDNSサーバーが違う
ドメインを購入したサービスでDNSサーバーを設定してAレコードを正しく設定したのに、一向にペライチのページに接続することができない、というお問い合わせを受けることがあります。
DNSにはTTLというキャッシュ設定があり、設定が反映されるまでしばらく時間がかかりますが、いくら待っても設定が反映されません。
$ dig +short example.com
ヒアリングを進めていくと、Aというサービスでドメインを購入して操作したとのことだが、digでNSレコードを確認するとBというサービスのNSレコードが設定されていることがあります。
$ dig +short example.com NS
b-ns.exampel.com
digでAのドメインサービスのDNSサーバーに対して直接問い合わせると、ちゃんと正しいAレコードが設定されていたりします。
$ dig +short @a-ns.example.net example.com
13.112.187.226
ここでDNSサーバーをAのものに切り替えていただくと解決しそうですが、BのDNSサーバーには他にもレコードが設定されている場合があり、DNSサーバーの切り替えは慎重になる必要があります。ペライチでは基本的にBのDNSサーバーにてレコードの設定をしていただくようにご案内しています。
5. ドメインをそもそも購入していない
お問合せをいただいたドメインをdigでもwhoisでも情報が取れないことがあります。
ほとんどの場合はスペルミスです。英語のスペルミスも多いですが、稀に「ハイフン」が全角になっているなど見た目ではものすごく分かりにくいミスもあったりします。
オチに持ってきてしまっていましたが、ドメインを購入することを失念してしまっている場合も実際にあり、1つ1つの事象に対して丁寧に向き合い、多角的に可能性を探っていく必要があります。