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テコテックAdvent Calendar 2019

Day 3

EasyLanguageでTradeStationとExcelの連携

Last updated at Posted at 2019-12-02

はじめに

EasyLanguageとはマネックス証券提供の株式取引ツールTradeStationで使われている独自言語です。
EasyLanguageを使って、TradeStationとエクセルの連携する方法をまとめました。

目次

・流れ
・Workbookクラス
・おまけ EasyLanguageのコンポーネントを使って楽をする
・発展

##流れ

  • 読み込む(書き込む)Excelワークブックかスプレッドシートを用意します。
  • TradeStationからEasyLanguage開発環境を開きます。
  • 新規インジケーターを開きます。
  • 作成したインジケーターをチャートに挿入します。

    (TradeStationでEasyLangageのプログラムを利用するにはチャートやレーダースクリーンにインジケーターを挿入する必要があります。)

Workbook クラス

Workbookを使用すると、指定したExcelワークブックやスプレッドシートのセルに対する値を読み取って
TradeStation上で使用出来たり、TradeStation上の値を書き込んだりすることが可能になります。

###読み込み
読み込むExcelには日経平均先物売買高上位のABNアムロクリアの日経先物手口の日次データが入っています。
スクリーンショット (3).png
"日通し"(2~4列目,4行目)のデータを取得します。

using elsystem.office.excel;

Vars:
    Workbook ElWbRead(NULL),
    String iFileName1("C:\TradeStation\WbRead.xlsx"),   //準備したエクセルの保存フォルダと、ファイル名
    int cnt(0);

Once begin
    ElWbRead = new Workbook;
    ElWbRead.FileName = iFileName1;
    ElWbRead.Load = true;                                    //おまけで説明しています
    ElWbRead.SaveOnClose = True;
End;

For cnt = 0 to 29 begin
    Plot1[cnt]((ElWbRead.sheets[1].CellsAsInt[2,cnt+4]),"買い ");  //2列目4行目の値を取得
    Plot2[cnt](-(ElWbRead.sheets[1].CellsAsInt[3,cnt+4]),"売り ");
    Plot3[cnt]((ElWbRead.sheets[1].CellsAsInt[4,cnt+4]),"差し引き ");
end;

日経平均先物の日足チャートに挿入してみました。
スクリーンショット (4).png
30営業日分しかデータを用意できなかったので、わかりにくいですね...

###書き込み
TradeStation上のチャートに表示されている4本値と出来高をExcelに書き込みます。
スクリーンショット (6).png

using elsystem.office.excel;

Vars:
    Workbook ElWbWrite(NULL),
    String iFileName2("C:\TradeStation\WbWrite.xlsx"),
    int cnt(0);
    
Once begin
    ElWbWrite = new Workbook;
    ElWbWrite.FileName = iFileName2;
    ElWbWrite.Load = true;
    ElWbWrite.SaveOnClose = True;
End;

for cnt = 0 to 90 begin
    ElWbWrite.sheets[1].CellsAsInt[1,cnt+2] = Date[cnt] ;      //予約語 Date:足の日付を取得
    ElWbWrite.sheets[1].CellsAsInt[2,cnt+2] = Open[cnt] ;      //予約語 Open:足の始値を取得
    ElWbWrite.sheets[1].CellsAsInt[3,cnt+2] = High[cnt] ;      //予約語 High:足の高値を取得
    ElWbWrite.sheets[1].CellsAsInt[4,cnt+2] = Low[cnt] ;       //予約語 Low:足の安値を取得
    ElWbWrite.sheets[1].CellsAsInt[5,cnt+2] = Close[cnt] ;     //予約語 Close:足の終値を取得
    ElWbWrite.sheets[1].CellsAsInt[6,cnt+2] = Volume[cnt] ;     //予約語 Volume:足の出来高を取得
end;

日経平均先物の日足チャートに挿入してみました。
Excelはこうなりました。(EasyLanguage独特の日付表記で、「1191203」先頭の数字1が西暦2000を表しています。)
スクリーンショット (8).png

おまけ EasyLanguageのコンポーネントを使って楽をする

EasyLanguage でより簡単にオブジェクトの追加と使用ができるように、一部のオブジェクト クラスはコンポーネントとして設計されています。
オブジェクトを EasyLanguage ドキュメントへドラッグ & ドロップして特別なエディターを使用するだけで、コードを記述せずにオブジェクトのプロパティを変更できます。

コンポーネントオブジェクトが EasyLanguage ドキュメントに追加されると、プロパティエディターで各オブジェクトを使用できるように設定することができます。

あとは、予約語や関数を参照するように、各オブジェクトのプロパティとメソッドにアクセスする独自の EasyLanguage ステートメントを記述するだけです。

コンポーネントオブジェクトの挿入

  1. TradeStation開発環境の左側にある [ツールボックス] タブをクリックして [ツールボックス] パネルを開きます。
    追加したいコンポーネントをクリックして現在のEasyLanguageドキュメントに追加します。
    スクリーンショット (14).png
  2. 挿入すると、コンポーネントのアイコンがエディターウインドウの下にあるコンポーネントトレイに表示されます。
    スクリーンショット (15).png
  3. TradeStation開発環境
    の右側にある [プロパティ] タブをクリックして、[プロパティ] エディターを開きます。
    このエディターでは、コンポーネント値、入力値、イベントを管理・変更できます。
    スクリーンショット (16).png

<コンポーネントのプロパティ名と値>

     名     前      タ  イ  プ 説 明
ActiveSheet integer アクティブなワークシートのインデックス番号を取得または設定する  
FileName string コンピューター上の Excel(スプレッドシート)の
パスおよびファイル名を指定する
Load boolean 真の場合、リアルタイムでExcel(スプレッドシート)を更新する
SaveOnClose boolean 真の場合、接続を閉じたときに
Excel(スプレッドシート)に加えた変更を保存する
Shared boolean 真の場合、複数のWorkbookオブジェクトで
1つのExcel(スプレッドシート)を共有する  
SheetCount integer ワークブック内のシート数を指定する
Sheets
[index]
object 使用可能なシートのインデックスに基づき
Sheetを取得する  
Sheets
[sSheetName]
object 指定したシート名文字列に基づき
Sheetを取得する  
Visible boolean 真の場合は接続時にExcel(スプレッドシート)を表示する

コンポーネントを使った場合のコードは下記の分だけで済みます。

読み込み

Vars:
    int cnt(0);

For cnt = 0 to 29 begin
    Plot1[cnt]((ElWbRead.sheets[1].CellsAsInt[2,cnt+4]),"買い ");
    Plot2[cnt](-(ElWbRead.sheets[1].CellsAsInt[3,cnt+4]),"売り ");
    Plot3[cnt]((ElWbRead.sheets[1].CellsAsInt[4,cnt+4]),"差し引き ");
end;

書き込み

Vars:
    int cnt(0);

for cnt = 0 to 90 begin
    ElWbWrite.sheets[1].CellsAsInt[1,cnt+2] = Date[cnt] ;      //予約語 Date:足の日付を取得
    ElWbWrite.sheets[1].CellsAsInt[2,cnt+2] = Open[cnt] ;      //予約語 Open:足の始値を取得
    ElWbWrite.sheets[1].CellsAsInt[3,cnt+2] = High[cnt] ;      //予約語 High:足の高値を取得
    ElWbWrite.sheets[1].CellsAsInt[4,cnt+2] = Low[cnt] ;       //予約語 Low:足の安値を取得
    ElWbWrite.sheets[1].CellsAsInt[5,cnt+2] = Close[cnt] ;     //予約語 Close:足の終値を取得
    ElWbWrite.sheets[1].CellsAsInt[6,cnt+2] = Volume[cnt] ;     //予約語 Volume:足の出来高を取得
end;

発展

EasyLanguageでは、長期投資でも短期トレードでも使えるテクニカルデータやファンダメンタルズデータが
予約語としてそろえられています。

私が2年以上使ってきて足りないなと思ったのは浮動株数(比率)や投資部門別売買状況、先物の手口情報ぐらいです。(普通どこの証券会社のツールでも表示していませんが)

Workbookクラス(コンポーネント)を使えば、楽に、さまざまな情報をチャート上に表示したり、データを使って自動売買システムを作れます。

岡三RSSと連携させれば、TradeStationでは対応していない先物でも、自動売買することができるようになります。

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