このページでは、統計用語の指標として耳にする「p値」について記述する。
1~3章では、p値を理解するにあたり必要な前提知識について説明する。
前提知識のある方は、「4. 考え方の手順」から読むことをお勧めします。
#p値を理解するに当たっての手順
- 「p値」とは、簡潔に言うと何なのか
- p値は確率
- 有意水準とは
- 考え方の手順
- 例
- 最後に
#1. 「p値」とは、簡潔に言うと何なのか
確率のこと
では、そもそも確立とは、何なのか。
ジャンケンを例に挙げる。
この場合、直感的に確立を頭で考えてジャンケンをしている人も少なくないのではないだろうか。つまり、自分の出した手に対して、勝てる相手の手は、1通りしかないということである。したがって、グー・チョキ・パーの中で勝てる手は1通りしかないのである。よって、自分が勝てる確率は 1/3 = 0.33...ということになる。
これらをまとめると、確率とは
**「ある事象が起こる割合」**である。ここで言う、ある事象とは、自分の出した手に対し、相手の手が負けることである。
#2. p値は確率
上記の項を踏まえると、確率10%というのは、ジャンケンで100回に10回勝つということである。
これを、p値で例えるとp値が0.05(5%)というのは、100回に5回起こりうるということになる。
また、p値を表す際、「p < 0.05」の形が多いと思う。この式が表す意味をこれまでのことを踏まえると、
***「p値は、5%より小さい確率」***ということになる。つまり、p値が小さいほど、確率が小さくなる。なので、起こり得る確率が低いことを意味する。
#3. 有意水準とは
ここでは、有意水準とは何かについて説明する。
上記の「p < 0.05」の式を用いて説明する。
ここでの0.05という数字が、有意水準を表している。
また、0.05は、例として設定した値だが0.01でも0.001でも何でも良い。
つまり、有意水準とは、**「p値を判定するときの基準であり、値は自由に決めて良いもの」**である。
(ただし、0.05に設定されていることが多い)
「p < 0.05」の意味は、偶然にその事象が起こる確率が5%未満。つまり、その事象が起こらない確率が95%以上となる。
#4. 考え方の手順
ここでは、p値を使った考え方の手順を列挙する。
①主張とは、逆のこと(帰無仮説)を言う
②帰無仮説が成立する確率(p値)を求める
③p値と有意水準を比べる
#5. 例
ここでは、上記の考え方の手順に従って、例を交えて説明する。
①主張とは、逆のこと(帰無仮説)を言う
例えば、以下の仮説について考える。
「彼はカレーが好きだ」
この時、主張とは逆のこと(帰無仮説)を言うので、帰無仮説は以下のようになる。
「彼はカレーが嫌いだ」
②帰無仮説が成立する確率(p値)を求める
帰無仮説を上記で立てたが、この帰無仮説が偶然成立してしまうかも知れない。そのため、偶然成立する確率を求める。
この、「帰無仮説が偶然成立する確率」こそがp値である。
③p値と有意水準を比べる
上記で求めたp値(帰無仮説が偶然成立する確率)と有意水準(上記で説明)を比べることで、帰無仮説が成立するかどうかを確認する。
③-ⅰ p値 < 有意水準の時(主張成立)
帰無仮説が偶然成立する確率が低いと言うことになり、
帰無仮説は成立せず棄却。
つまり、帰無仮説はほぼ成立せず、その逆の意味の①の主張は成立するということになる。
③-ⅰⅰ p値 > 有意水準の時(主張不成立)
帰無仮説が偶然成立する確率が高いと言うことになり、
帰無仮説は成立する確率が高い。
つまり、帰無仮説はほぼ成立してしまい、その逆の意味の①の主張は成立しないということになる。
#6. 最後に
自分の理解をまとめただけなので、間違っている可能性があります。
その際は、ご指摘いただけると幸いです。
#参考記事
p<0.05とはいったい何のことか~薬のパンフレットやグラフでよく見かける有意差の表記
確率(かくりつ)とは - コトバンク