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print0 コマンド

Last updated at Posted at 2017-05-13

find のオプションのあれ

find コマンドのオプションに -print0 があります。みなさん大好きだと思います。

釈迦に説法ですが、主な用途は

$ touch euu\ upp\\ntotoro1
$ touch euu\ upp\\ntotoro2
$ ls euu*
euu upp\ntotoro1  euu upp\ntotoro2

$ find ./ -name 'euu*' -print |xargs rm
rm: `./euu' を削除できません: そのようなファイルやディレクトリはありません
rm: `uppntotoro2' を削除できません: そのようなファイルやディレクトリはありません
rm: `./euu' を削除できません: そのようなファイルやディレクトリはありません
rm: `uppntotoro1' を削除できません: そのようなファイルやディレクトリはありません

上記の様な空白などが混じった名前のファイル名を消去する時、 xargs は標準入力から空白や改行コードを区切り文字として読み込みます。よってファイル名の空白も区切り文字として解釈され、解釈された文字列群が rm の引数に渡されます。よって上記の様なエラーが起こります。

だからその現象を回避するために

$ find ./ -name 'euu*' -print0 |xargs -0 rm
$ ls
$

find-print0 オプションで ヌル文字を区切り文字として出力し、 xargs
-0 オプションで、ヌル文字を区切り文字と解釈して rm に引数として渡します。これで空白が混じったファイル名を無事に処理する事が出来ます。

以上が一般的なあらすじですが、以下の様に処理を行いたいです。

$ touch euu\ upp\\ntotoro1
$ touch euu\ upp\\ntotoro2
$ ls euu* | xargs rm
rm: `euu' を削除できません: そのようなファイルやディレクトリはありません
rm: `uppntotoro1' を削除できません: そのようなファイルやディレクトリはありません
rm: `euu' を削除できません: そのようなファイルやディレクトリはありません
rm: `uppntotoro2' を削除できません: そのようなファイルやディレクトリはありません

当然エラーになりますが、 find じゃなく ls を使いたいよね。というか ls の出力に限らず、空白が混じったファイル名が存在する事を考慮して ファイル名同士の区切り文字はヌル文字に変えたいよね。

つまり find の -print0 オプションに相当する print0 コマンド が欲しい のです。

Ruby で実装、実行

実装といっても骨格だけですが

  • print0.rb
#!/usr/bin/env ruby

while line = gets
  print "#{line.chomp}\0"
  STDOUT.flush
end

String#chomp は ( https://docs.ruby-lang.org/ja/2.4.0/class/String.html#I_CHOMP )

chomp(rs = $/) -> String[permalink][rdoc]
self の末尾から rs で指定する改行コードを取り除いた文字列を生成して返します。 
ただし、rs が "\n" ($/ のデフォルト値) のときは、 実行環境によらず "\r", "\r\n", "\n" の
すべてを改行コードとみなして取り除きます。

ですので、末尾の改行コードらしきものは全て取り除きます。実用上は何か問題はあるかな? 思いつかない。

そして実行。

$ ls euu* | print0.rb | xargs -0 rm
$ ls
$

期待した動作です。

シェルスクリプトで実装、実行

  • print0.sh
#!/usr/bin/env bash

trap 'echo Error: $0:$LINENO stopped; exit 1' ERR INT
set -eu

while read -r line
do
    echo -E -n "$line"
    echo -e -n "\0"
done

実行。

$ touch euu\ upp\\ntotoro1
$ touch euu\ upp\\ntotoro2
$ ls euu*
euu upp\ntotoro1  euu upp\ntotoro2

$ ls euu* | print0.sh |xargs -0 rm
$ ls
$

期待した動作です。

alias を設定、実行

シェルスクリプトが短く出来ているので ワンライナーにしてエイリアスしてみます。

  • print0 にエイリアスする
alias print0='while read -r line; do; echo -E -n "$line"; echo -e -n "\0"; done'

実行。

$ touch euu\ upp\\ntotoro1
$ touch euu\ upp\\ntotoro2
$ ls euu*
euu upp\ntotoro1  euu upp\ntotoro2

$ ls euu* | print0 |xargs -0 rm
$ ls
$

期待した動作です。

とは言え、個人的には エイリアスにするのは好みではありません。エイリアスが コマンドに勝手に展開されるとか、history に記録する際に展開されるとか zsh に設定がありそうな。(それが好みの人もいるかもしれませんが)

最後に

誰でも思いつく上 骨格だけならとても小さなツールですが 使い勝手は良い様な気がします。print0 なら大抵の シェルユーザーには "find のあれ" で通用するでしょうし。

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