こんにちは。
僕を含むパソコンを入れ替えることが多い人にとって、開発環境を準備するというのはそれなりに手間ですよね。
そこで今回は、Python開発環境を手軽に作るためのTipsを共有したいと思います。
大きな流れとしては、たったの2ステップです。
- Windowsのパッケージ管理ツール Scoop をインストール
- Scoop を使ってPythonランタイムをインストール
以降の説明は、Windows 10/11上で、Scoop及びPythonをインストールしていないことを前提に説明します。
1. Windowsのパッケージ管理ツール Scoop をインストールする
Scoop は、Windowsで使えるパッケージ管理ツールです。
パッケージ管理ツールを使うことで、Windowsで従来「インストーラをダウンロードしてきて、実行してインストールして、環境変数設定して…」と行ってきたことが、コマンド一発ターンッと叩くだけで済むようになります。
それでは、Scoopをインストールしていきましょう。必要なのは以下の2ステップだけです。
- PowerShellを開き、 https://scoop.sh/ の
Quickstart
項目の流れに則り、2行のコマンドを実行します。> Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser > irm get.scoop.sh | iex
-
scoop --version
と入力し、Scoopのバージョンが表示されたらインストールが完了しています。
2. Scoopを使ってPythonランタイムをインストールする
Scoopがインストールできたら、次はPythonランタイムのインストールです。
これもほんの2ステップで完了します。
-
scoop install python
のコマンドを実行します。 -
python --version
でPythonのバージョンが表示されたらインストールが完了しています。
従来のインストーラを使った流れなら環境変数 Path の設定をする手順を踏まないと python
コマンドは実行できないところですが、すぐに使えるようになりましたよね。ここまでの設定をよしなにやってくれるのが、Scoopが良い味を出している点の1つです。
さらにもう一歩、Python開発を便利にしてみよう
Pythonの開発プロジェクトを管理するためツールの1つに Poetry というものがあります。これさえあれば、pipもvenvも使うことがほぼ無くなるので大変おすすめです。(というより、Poetryが代わりになってそれらを呼び出して、よしなに管理してくれます)
使い方の紹介は Poetryをサクッと使い始めてみる などの記事に譲るとして、ここではPoetryをScoopでインストールする方法についてご紹介します。…とは言っても、ここまでの流れとで何となくお分かりかもしれませんが、やることは2ステップで終わりです。
-
scoop install poetry
を実行します。 -
poetry --version
でPoetryのバージョンが表示されたらインストールが完了しています。
あとはPoetryを使って新規にPythonプロジェクトを作ったりしていきましょう。ちなみに
非公式の日本語訳Poetryドキュメント が公開されており、一通りの使い方は日本語で読むことができるのが嬉しいところです。
Scoopを使いこなすためのヒント
- コマンドラインから使う実行ファイルは、率先してScoopでインストールしよう。
- Python以外もメジャーなプログラミング言語の実行ランタイムは大抵インストールできます。
-
scoop search {検索したい文字列}
で、Scoopでインストールできるライブラリを確認できます。-
scoop search python
のように実行してみましょう。
-
- "Bucket" の設定を追加すると、Scoopでインストールできるパッケージが一気に増えます。 (参考Scoop で利用できる Bucket の解説)
例として以下のコマンドを実行すると、過去バージョンである Python 3.9 をインストールできます。scoop bucket add versions scoop install python39