1. まず最初に
1-1. 完成イメージ
以下の画像のようなAIによる対話型のLINEボットを作りました。
最近話題のChatGPTと同じOpenAIのAIモデルを使ったLINEのチャットボットをノーコードで作ります。
ChatGPTより少し性能は低いですが、ChatGPTと同じ系統のAIモデルです。
※これを作成した当時(2月下旬)はまだChatGPTのAPIは公開されていませんでした。
1-2. 動作確認環境
- OS: Windows10以上 または masOS Catalina以上
- 推奨ブラウザ:Google Chrome
2. 準備事項
以下の4点にご対応ください。
(1) チャットボットのアイコン画像
講座で作成するチャットボットに使うアイコン画像を用意して、デスクトップに保存してください。
ファイル形式:PNG、JPG、JPEG、GIF、BMP
ファイルサイズ:3 MB以内
(2) LINE Developers の登録(無料)
LINE Developers サイトを開き、ログインします。
→ https://developers.line.biz/ja/
LINEアカウントでログイン
メールアドレスまたはQRコードでログイン
QRコードログインの場合
こんな画面になる。
英語になってる人は、日本語に変えよう
必要情報を入力し、「アカウントを作成」
この画面がでたらOKです。
(3) Makeのアカウント取得(無料プラン)
Makeとはノーコードツールの一種で、RPAのような業務自動化に適してきます。
こちらのリンクをクリック
https://www.make.com/en
必要事項を入力し、Sign up for FREE をクリック
・Email
・Password
・Name
・Country
・Hosting Region (EUでもUSでもどっちでも可)
・2か所チェック
簡単なアンケートに答えてください。
上から
職種、業種、会社の規模、
こうした自動化ツールを使ったことある?
自動化ツールを何に使いたい?
こんな画面になる。
ポップアップメッセージはバツを押して閉じる。
(4) OpenAI 登録 (初めての方は18ドルまで無料)
OpenAIの登録ページへ
https://openai.com/api/
そのメールを開き、
「Verify email address」をクリック
国際電話は通常最初の0は不要だが0があっても大丈夫らしい (私は0無しで通った)
(例)090-1234-5678 の場合、通常は「+81-90-1234-5678」 だが、本件は「+81-090-1234-5678」でも通るらしい
(参考)結局どれだけ無料で使えるか
OpenAIの会員登録を行うと、その際に18ドル相当のクレジットが付与されます。
このクレジットは3ヶ月間有効で、OpenAIのAPI利用時に18ドル(約2300円)分のクレジットが充当されます。
18ドルを超えると使えなくなります。
使用状況はこちらで確認できます。
https://platform.openai.com/account/usage
OpenAIの文章生成のAPIは、入力文字とAI生成文字の量に応じた料金体系です。
今回はこちらの赤線で囲んだ Davinci を使います。
Davinciは、1000トークンで 0.02ドル(約2.6円)
つまり18ドル分といえば90万トークン分が無料ということになります。
英単語1ワードで1トークン、日本語は、 ひろがながだいたい1トークン、漢字・記号が2トークンくらいです。
これだけではなんのこっちゃなので、トークンの量が計算できるサイトで調べました。
https://platform.openai.com/playground/p/
「走れメロス」全文で14000トークン(1万文字)
「吾輩は猫である」全文で50万トークン(35万文字)
つまり、無料枠は走れメロス64個分、吾輩は猫である1.8個分なので、そう簡単には無料枠超えないので安心して使いましょう。
(無料枠超えても、有料会員登録しなければ、使えないだけ)
準備事項は以上です。
3. 開発
開発に入ります。
3-1. LINE Developers
3-1-1. 初期設定
LINE Developersを開き、ログインします。
→ https://developers.line.biz/ja/
チャネルの種類:Messaging API
プロバイダー: さっき作ったやつ
会社・事業所の所在地: 入力
チャネルアイコン: 持参したアイコン画像を入れよう
チャネル名: チャットボットの名前です。
チャネル説明: チャットボットの説明
大業種:入力
小業種:入力
メールアドレス:入力
プライバシーポリシーURL :今回は入力不要
サービス利用規約URL : 今回は入力不要
・LINE公式アカウント利用規約 の内容に同意します
・LINE公式アカウントAPI利用規約 の内容に同意します
にチェックをいれて、
作成をクリック
チャットボットの設定ができました。
3-1-2. Messaging APIの設定
Messaging API 設定
みなさんのブラウザに表示されているQRコードを読んでください。
おお、チャットボットができてますね。
LINE Developersのウィンドウはこのままにしておいてください。
3-2.Make
Makeとはノーコードツールの一種で、RPAのような業務自動化に適してきます。
例えば、受信メールに「プロジェクト」という文字があればスプレッドシートに自動的に書き出すとか、
SNSの投稿があったらLINEに通知するとか、
手動でやってることを自動化してくれます。
3-2-1. 初期設定
Makeを開きます。
https://www.make.com/en
こんな画面になるので、Create a new scenario
3-2-2. LINE受信設定
この状態で別ウィンドウのLINE Developersの画面に行く。
QRコードのあるページの一番下の
「チャネルアクセストークン」>発行
「Copy sddress to clipboard」 を クリックして「OK]
また、LINE Developersに戻り
WebhookURL > 編集
別タブが開き、応答メッセージをオフにする。このまま閉じてOK。
3-2-3. LINE出力設定
ふたたびMake
クリックすると、
もう1つまるが現れ、
「Add another module」をクリック
1.Events[ ];Message.Text が反映される。
設定完了
「Run once」 で実際に動かす
こんなアラートがでたら、「Wait for new data」
では、LINEボットになんでもいいので打ち込んでください
おうむ返しができました。
3-2-4. ずっと動かすには
このままではRunを押した1回だけしか動かないので、ずっと動かすには次のとおり。
まず、「Run once」 の下の 今OFF ってなているところをクリック
こんなメッセージがでる。
「delete queue」をクリック
「Run once」の下のスイッチが「ON」になる。
これで、ずっとチャットボットが使えるようになりました。
なお。Makeには利用回数の制限があって、
なお、月間1,000オペレーションまでは無料 それ以上は有料になります。
(今回はクレジット登録してないので、1000オペレーション超えると止まります)
オペレーションの数は下のように各円に数字で表示されます。
以下のケース(LINEにつぶやいて、AIがそれに応える)では 6オペレーションです。
つまり、月間166回までなら無料です。
3-3. OpenAI 連携
3-3-1. APIキー入手
OpenAIのページへ
https://openai.com/api/
"Verify you are human"と表示されたら、ボタンをクリックします。
「+ Create new secret key」をクリック
APIキーが生成される。
下図の緑色のコピーボタンを押して、「OK」
3-3-2. Makeでの設定
Make に戻る。
URL: https://api.openai.com/v1/completions
Method: POST
Headers > Item1
Name: Content-Type
Value: application/json
Headers > Item2
Name: Authorization
Value: Bearer +半角1文字あけて、OpenAIのAPIキー
(例)
Bearer sk-hAsDFASdO9YgaBj1vSRHP08T3BlbkFJqOi76d555SDG32uJvOAFSru
Request Content: 以下をコピペして入れる
{
"model": "text-davinci-003",
"prompt": "{{1.events[].message.text}}",
"max_tokens": 4000
}
Parse response :Yes
最後に「OK」
いったんsaveする
自分のスマホのさっき作ったLINEボットになんでもいいからつぶやく。
なんかデータが通過したようなビジュアルが表現される。
こんな画面になる。
TEXT欄に「1.Events[]:Messsage.Text」と記入されてるのをDeleteキーなどを使って空欄にする。
TEXT欄をクリックして現れたウィンドウの Data > choices[] > text をクリックする。
これで、スマートフォンのLINEで呟いてください。
AIが反応するはずです。
できました。
3-3-3. 動かないとき
Makeからメールが来てるはずです。
内容次第ですが、だいたいもう1回立ち上げるか、Run once の下の常時接続のスイッチがオフになっているので、オンにすれば直ります。
以上です。