Service Cloud Voiceとは
Salesforce上でコールセンターを構築するための仕組み。
SalesforceはAWSが提供するコールセンターの基盤(Amazon Connect)と提携しているため、Salesforce上で利用開始の設定を施すだけでAmazon Connectのアカウントも自動的に準備してくれる仕組みが備わっている。
※正確にはAmazon Connect以外の基盤も使えるが、この記事ではAmazon Connectを利用する前提で説明します。
Omni-Channelとは
電話、チャット等、様々なチャネルからやってきた問い合わせを、以下のいずれかのルールでSalesforceユーザに割り当てる仕組み。
- 問い合わせに対応するために必要なスキルを持っている人のうち誰かに割り当て
(例:テクニカルサポートのスキルを持つ社員、英会話のスキルを持つ社員) - 特定のキューに所属する人のうち誰かに割り当て
では、両者を混ぜて使うには…?
当然ながら、Service Cloud VoiceとOmni-Channelは一緒に使うことができます。詳細な使い方は公式の教材である「Service Cloud Voice Learning Path」が参考になります。
が、この教材を読み解く際に要注意ポイントがいくつかあるので、以下で説明していきます。
※勉強用の環境(Developer Edition)では試せないため、実際の動きを試すには本当に契約した環境が必要になるようです。私も実際に試せたわけではないため、公式の各種ドキュメントから読み解いてまとめています。もし誤りに気付いた方はご指摘頂けると幸いです。
解説
電話が来た時の一般的な処理の流れ
コールセンターに電話が来たら、まずはAmazon Connectの「コンタクトフロー」の処理がキックされます。いきなりSalesforceの処理がキックされるわけではないので注意!
その後の流れは以下の図の通りです。なお、必ずしこもこの図の通りなわけではなく、1や2をスキップすることも考えられます。
用語の整理
上記の通り、Service Cloud VoiceはAmazon ConnectとSalesforceに跨って処理が実行されます。
両者には「フロー」「キュー」と呼ばれる名前の似た用語が存在するために、混乱されがちなので、以下に整理します。
用語 | 実装場所 | 説明 | 参考資料 |
---|---|---|---|
コンタクトフロー | Amazon Connect | IVR、Lambda、Salesforceへの転送といった大枠の処理を司るフロー | Using Service Cloud Voice Contact Flows |
オムニチャネルフロー | Salesforce | どのスキル(orキュー)のユーザに対応させるかを判定するためのフロー | オムニチャネルフローの作成 |
キュー(Amazon Connect) | Amazon Connect | Salesforceへの転送待ちに使われる箱。この箱に着信(コールセンター用語では「呼」という)を入れると、オムニチャネルフローでスキルまたはキューを用いて選定されたオペレータに着信が届く。 | Contact Flow: Queue Transfer |
キュー(Salesforce) | Salesforce | オムニチャネルで、スキルベースのルーティングではなくキューベースのルーティングを採用した場合に使う、着信を受ける人たちの集まり。例えば、「ご苦情担当係」のようなキューを作るイメージ。 ※ちなみに、このキューは所有者にセットするために使うキューと同一。 |
キューベースのルーティングの概要 |
より詳しい実装方法を学ぶには
- 全体感をつかむには
Service Cloud Voice Learning Map - Amazon Connect側の実装方法
Service Cloud Voice Implementation Guideを参照 - Salesforce側の実装方法
オムニチャネル のHelpを参照