POLプロダクト Advent Calendar 2020 の13日目担当、プロダクト部でプロダクトマネージャー(PdM) & プロダクト部マネージャーの @tatsunori_t です。
12日目担当の @sho-kanamaru からバトンを受け取りました。技術書を読み漁っていた記事、とてもおもしろかったですね。私も彼の投稿を毎週チェックしていましたが、彼が紹介しれくれたので読んだ本も数冊ありました。また、まとめが簡潔でわかりやすいので、それらも参考にキャッチアップさせていただいてました。
ちなみに私が最近読んで良かった本はこちらです。
今回は私がプロダクトマネージャーを務めさせていただいている LabBase のプロダクトマネジメント業務で、どんなことをしているのか、何に注力をしているのかという話をさせていただきます。
全集中で記事を書きましたので、ぜひお暇な時間でお読みください。
LabBaseとはどういうプロダクト?
LabBaseは日本国内の理系学生(主に理系大学院生)の就職活動を支援するサービスで、自身の研究内容・研究に対する姿勢・技術スキルをDBとして登録すると、彼ら・彼女らを採用したい企業から”スカウト”が届くというダイレクト・リクルーティングサービスです。
2017年3月のローンチ以来、3万人以上の学生の方々にご利用いただき、現在では1学年1万人ほどご登録・ご利用いただいているサービスとなっています。
いわゆるBtoBtoC、2サイドプラットフォームと呼ばれる「リボン図型」のプロダクトで、企業と学生をマッチングするプラットフォームサービスです。
※多くの採用サービスがそうだと思いますが
また、ユーザー(学生)が応募やエントリーをするナビサイトと異なり、企業の人事や技術者の方々が自社にマッチしそうな学生を「スカウト」と言う形で一本釣りするというのが特徴です。そのためナビサイトとは別で、矢印の方向が企業から学生に向くことが多いのも特徴です。
ミッション・ビジョンから逆算した意思決定
私がプロダクトマネジメントを日常的にする中で、最も意識していることは、「なぜこの開発が必要なのか」「誰のためにこのプロダクトを作って届けるのか」です。そしてその元となる考えは、弊社のミッション・ビジョンに基づいています。
「研究者の可能性を最大化するプラットフォームを創造する」が弊社のビジョンです。詳しくは弊社代表のインタビュー記事をご覧ください。
私自身が理系専門大学で大学院生だった事もあり、本気でこのビジョンに共感し、実現しようと思っています。理系学生は研究者の卵であり、未来の日本や世界を科学技術でリードしていく人たちです。就職活動という舞台において、彼ら・彼女らの可能性を最大化することが、このプロダクトのビジョンであると信じています。
ローンチして3年のプロダクトなので、まだまだ学生の方々、企業の方々にとって使いづらい点が多いというのは自負していますし、開発要望・不具合報告を毎日のようにしていただいている状況で申し訳ないという気持ちも強いです。
ただし、私の最も重要な職務は「プロダクトの意思決定」であり、意思決定のほとんどは、「やらないこと」「捨てるもの」を決めることであります。一緒に働く方々にとって一時的に辛い思いをさせてしまうこともありますが、基本的にはビジョンを実現する≒「理系学生の可能性を最大化する」ためのプロダクト機能やUI改善を優先できるように意思決定しています。その中でも、なぜその意思決定をしたかお互いが理解することができれば、軋轢を生まれず長期的に良いプロダクトを作っていく関係性が作れます。私はその意思決定の背景として、ビジョンを実現できるかといった点を第一に考えています。
プロダクトマネージャーの責務は幅広い
@マツバラヤスユキ さんにインタビューいただいたPdMに関する記事でも書いておりますが、スタートアップなのでプロダクトマネジメント業務が非常に多岐に渡ります。
業務範囲が多くなっていく中で、自分自身が意識していることが、
- 事業全体、プロダクト全体を見渡して捉える
- 最もボトルネックになる箇所こそ自分が集中して解決を図る
- 自分ができないことでもチームで解決すれば良い
という点です。弊社では、PdMという職種の人間が社内で私1名のみなので、全てやろうと思うと体が3つ欲しいです。(笑)
なので、他社ではPdMがやるような業務を、エンジニア・デザイナーの方々に助けていただきながら、日々プロダクト開発に勤しんでいます。チームの皆さんには感謝しかありませんね。
ビジネス構造を捉え、自分にしかできないことに注力する
では、どのようにボトルネック(悪い意味ではないです)、重要課題を見つけていくのか。
まずは全体を見るために、データを使ってプロダクトの現状を把握します。(以下の図に表示されたデータはすべてダミーの数字で、実態とは異なります。)
例えばこのように登録数を分解して、専攻別や学年別で見ます。ただグロスの数で見るのではなく、エリアやカテゴリで見ることで解像度を上げていきます。
またはこの図のように、スカウトがどの学生に届いているのかを細分化することもあります。昨年同時期や、前月と比較してどうかを見ることで現状のプロダクト課題、ボトルネックを把握していきます。
これらを「ファネル分析」を軸に見ていき、市場調査や事業構想を照らしていった時に、
- 今どの課題が重要度が高いのか
- これからどんな課題が出てくるだろうか
を見ながら、自分が最も力を入れる部分を見定めていきます。
データや定性調査を踏まえた上で、図のようにプロダクトのクリティカルな課題を全体感(本来は企業側の図も入れて書き出します)を捉えながら、言語化&整理します。その上で、自分よりプロフェッショナルに課題解決できそうなら任せます。例えば、UI課題があるということまでわかったなら、UIデザイナーに任せた方が圧倒的に上手くいくからです。
一方で自分がやった方が良いのは、このプロダクトが上手く回り、ビジョンを実現するための構造を作ること。例えば、LabBaseの認知度が低いことがボトルネックだとしたら、それを向上させるための広告投資をしたり、マーケティングのチームと協働して新たなキャンペーンをしたりと動きます。
1人PdMだからこそ、このチーム内で自分の時間をどこに集中投資すればグロースするかを日々考え、行動しています。
もちろん自分1人で考えてやっているわけではなく、エンジニアマネージャーや、テックリード・チームリーダーの皆さんに助言をもらいながら決めています。(いつもありがとうです。)
リボン図型、プラットフォーム型サービスのPdMはやること・見る範囲が多岐に渡りますので、少しでも私のやっていることが参考になれば幸いです。
最後に
POLでは第5期を迎え、プロダクト部に学生マーケティングチームを統合させ、ますますプロダクトの成長に投資しています。
私達と「研究者の未来を切り開く」プロダクトを作っていきたい、エンジニア・PdM・デザイナーの方々を募集しています。
ちょっとでもご興味を持っていただいた方は、 twitter でご連絡いただくか、以下のwantedlyのページよりご応募ください!ぜひ私達と一緒に、最高のプロダクトを作って届けましょう。
明日14日目は、POLのデザインチームを引っ張ってくれている SRさん( @yonedaaa )です。