25
20

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

はじめに

最初にIngressについて説明する必要があるだろう。誤解を恐れずにいろいろと端折って文章にするならば、Kubernetesというコンテナーオーケストレーションシステムが用意しているIngressは、Kubernetesクラスタ内で稼働しているHTTPベースのサービスに対して、クラスタ外部からアクセスする手段を提供するものである。Kubernetesが定義するIngressは、ただのリソースであり、HTTPにおけるホストとパスでどのサービスへリクエストをフォワードすればよいかのルールを記述する。実際にリクエストをIngressリソースの通りにフォワードする機能は、Kubernetes本体では提供されていない。この隙間機能、すなわち、Ingressリソースを読んでいい感じにL7ロードバランサーを設定してリクエストが期待通りにフォワードされるようにする機能を提供するものこそが、Ingress controllerなのである。nghttpx Ingress controllerとは、L7ロードバランサーにnghttpxを採用した、Ingress controllerである。

Kubernetesについて知りたい方は、 http://qiita.com/advent-calendar/2016/kubernetes をどうぞ。

nghttpxについて知りたい方は、少し古いですが http://qiita.com/tatsuhiro-t/items/99a2fd61d0fb16d7241b をどうぞ。合わせて読みたい公式マニュアルnghttpx - HTTP/2 proxy - HOW-TOもどうぞ。

https://github.com/kubernetes/contrib/tree/master/ingress/controllers にはnginxを使ったIngress controller実装が公開されている。nghttpx Ingress controllerは、nginx Ingress controllerをベースに開発した。

どこがHTTP/2と関係あるのか?

もちろん関係がありますとも。nghttpxはHTTP/2をサポートしたL7ロードバランサーである。nghttpxはフロント、およびバックエンドの接続の両方でHTTP/2をサポートしているため、gRPCのロードバランスにも使うことができる。ただしnghttpxはバックエンドの接続では、HTTP/1もしくはHTTP/2のどちらを使うのかを事前に指定しておく必要がある。ところが、Ingressにはその指定するようなフィールドは存在しない。nghttpx Ingress controllerでは、Ingressリソースのannotationsにバックエンド接続に関する追加設定を書くことにして問題を回避した。以下の例では、greeterというサービスのport 50051に対する接続については、h2、すなわちHTTP/2プロトコルを使うように設定している:

apiVersion: extensions/v1beta1
kind: Ingress
metadata:
  name: greeter
  annotations:
    ingress.zlab.co.jp/backend-config: '{"greeter": {"50051": {"proto": "h2"}}}'
spec:
  rules:
  - http:
      paths:
      - path: /helloworld.Greeter/
        backend:
          serviceName: greeter
          servicePort: 50051

詳しくは、https://github.com/zlabjp/nghttpx-ingress-lb#additional-backend-connection-configuration を読んでほしい。

25
20
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
25
20

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?