PHP/Laravelでよく出てくる「オーバーライド」とは？protectedメソッドの意味も含めて解説

はじめに

Laravelのクラスやフレームワーク内部のコードを見ていると、こんなメソッドを見かけることがあります。

protected function formatDate($time)
{
    return Carbon::parse($time)->format('Y年n月j日 H時i分');
}

このようなメソッドに対して「オーバーライドする」といった表現をよく使いますが、そもそもオーバーライド」とは何か？
本記事では、PHPのオブジェクト指向におけるオーバーライドの概念と、protected の意味について整理します。

①オーバーライド（override）とは？

親クラスで定義されたメソッドを、子クラスで再定義（上書き）すること。

class BaseClass {
    protected function formatDate($time) {
        return $time;
    }
}

class ChildClass extends BaseClass {
    protected function formatDate($time) {
        return Carbon::parse($time)->format('Y年n月j日 H時i分');
    }
}

このように、同じ名前・同じ引数のメソッドを子クラスで再定義することを「オーバーライド」と呼びます。

なぜオーバーライドするのか？

• 処理の一部だけを自分用にカスタマイズしたい
• Laravelのようなフレームワークで、既存の挙動を少しだけ変更したい
• 再利用性と柔軟性を両立したい

②protected の意味

protectedは、PHPのアクセス修飾子の一つです。

したがって、protected function formatDate() は、外部からは呼び出せないけれど、継承先では自由に上書き（オーバーライド）できるメソッド、ということになります。

③Carbonを使ったカスタム日付フォーマットの実装例

use Carbon\Carbon;

class BaseClass {
    protected function formatDate($time) {
        return $time;
    }
}

class MyClass extends BaseClass {
    protected function formatDate($time) {
        return Carbon::parse($time)->format('Y年n月j日 H時i分');
    }

    public function showDate($rawDate) {
        return $this->formatDate($rawDate);
    }
}

$instance = new MyClass();
echo $instance->showDate('2025-04-09 13:45:00');
// => 2025年4月9日 13時45分

④オーバーライドのポイントまとめ

⑤オーバーライドのポイントまとめ

⑥おまけ：Laravelでのオーバーライドの実例

たとえば、FormRequest クラスで failedValidation() メソッドをオーバーライドして、バリデーションエラー時のレスポンスをカスタマイズすることができます。

protected function failedValidation(Validator $validator)
{
    throw new HttpResponseException(response()->json([
        'errors' => $validator->errors()
    ], 422));
}

⑦まとめ

• protected function formatDate() のようなメソッドは、クラス内部 or 継承先で使うための上書き可能な処理として定義されています。
• オーバーライドは、フレームワークの挙動を一部変更したいときに非常に便利。
• Laravelの深い理解にもつながるので、ぜひ使いながら慣れていきましょう！