2月にSAPからSAP Business Data Cloud(以下BDC)という新しいソリューションが発表されました。SAPに関わっている(特にBI系)身としては気になるところなので調べてみました。
3/13時点での調査内容なので今後変更になる可能性があります。
また私の認識違い等ありましたらご指摘頂けると幸いです
1.SAP Business Data Cloudとは？
BDCの1か所にSAPデータ・非SAPデータの保存・管理・接続を支援しSAP HANA Cloud、SAP Datasphere、SAP Analytics Cloud(以下SAC)などの戦略的ソリューションとその機能を１つのソリューションに統合したものがBDCというSaaSソリューションになります。
またBDCのアーキテクチャは以下の図になります。
1-1.SAP Analytics Cloud・Insight Apps
1.は分析とダッシュボードを提供する層となり、SAC・Insight Appsが位置します。
Insight AppsとはSAPから提供されるデータの抽出・モデリング・ダッシュボードまで作成された事前定義済みアプリケーションでSap Business Data Cloud Cockpit(以下BDC Cockpit)からインストールを行い使用可能となります。
SACはInsight Appsを使用したすぐに使用できるレポートシナリオで必要なダッシュボードを提供する為に使用されます。
またInsight AppsはSACを使用したダッシュボードだけではなく、SAP BTPベースのInsight Appsも予定されているとのこと。
ここで気になるのは現在SACを使用しているユーザーはBDCを導入しないとSACが継続使用できないのかどうかですが、そのまま現在のSACのみで使用するのも可能なようです。
1-2.BDC Cockpit・SAP Datasphere・SAP BW PCE・SAP Databricks
2.はモデリング・機能拡張の層となりBDC Cockpit、SAP Datasphere、SAP BW PCE、SAP Databricksが位置します。
BDC Cockpitは先ほど記載した通りInsight Appsのインストール、ほかにInsight Appsを見つけるマーケットプレイス的な機能、SAP Databricksとデータプロダクトを共有してAIを拡張するものとなっています。
SAP DatasphereはBDCの中核機能となりデータ モデルを定義する基礎構造を提供します。
こちらもSACと同様に、そのまま現在のSAP Datasphereのみで使用するのも可能なようです。
SAP BW PCEは、SAP BW Netweaver Cloud, private editionまたは SAP BW/4HANA Cloud, private editionをBDCに含めることによりBW内のデータをBDCで使用できるデータプロダクトに変換できます。
SAP DatabricksはAIと機械学習に基づく機能を使用してInsight Appsの分析等を拡張する機能となります。
1-3.Foundation ServicesとSource System
最後に3.と4.ですがデータソースとデータを取得・調整・変換・保存する層となります。
Foundation ServicesはBDCにおける重要なバックボーンとなっており、SAP Source System(Cloud)からは自動的に、SAP Source System(On-Prem)やNon-SAP Source Systemからは変換処理を行い、関連ビジネスデータと調整、変換されデータプロダクトとなります。
データはHANA Data Lake Files形式で保存されます。
2.所感
一般リリースは4月からだそうで、最近は頻繁にWebibarを行っているので気になっている方は参加してみるのもいいかもしれません。(本日(3/13)もデモがあったので参加してきました)
私的に気になるところはFoundation Servicesのところ。どういった技術でSAP以外のシステムから取得したデータを統一させるのか(それともさせないのかｗ)気になるところです。
まだ発表されたばかりのソリューションなので新しい情報があれば更新していきます。
3.リンク
調べている過程で有用になったリンクを貼っておきます。
SAP Business Data Cloud
ロードマップ
アーキテクチャ概要
SAP Business Data Cloudとは？
FAQs