前回のプログラマ向けゲームBGM作曲講座が100いいねを超えたので続きを書こうと思う。
昨日もゲームジャムがあって、サウンドのこと相談されたのもあったり。
ゲームジャムでの音楽を聴いてみる
ゲームジャムでもオリジナルの音楽が流れてくることが多くなり、
サウンドゲームジャムなど企画しているちゃーりー個人的にはとても嬉しい昨今なのです。
そこで、何かもうひとつヒントがあると、よりぐっとよくなるのでは?
と思い記事を書いてみます。
プリセットを使おう
前回触れなかったエフェクト系です。
DAWにはエフェクターがあります。
これらの使い方を知らないと、とりあえず敬遠しがちです。
で、自分は実際どれくらいエフェクトを使うかというと・・・
これはLogicのミキサー画面で、
左端が選択したトラックで、
間にいくつかバスがあり、
右端がマスターアウト(最終出力)になります。
トラック側にはエフェクトがイコライザーのみ、
バス1、バス2が有効になっています。
右に並ぶバス1、バス2の設定がリバーブ系(小さい空間、広い空間)
3つめがマスターバスと呼ばれる、アウトプットの前段階にあるバスで、
すべての出力が一度ここに集まります。
マスターバス側には
コンプレッサー
チャンネルイコライザー 2つ
マルチプレッサー(マルチバンドコンプレッサー)
リミッター
があります。これ、Logicのプリセットから選んでいます。
マスターバスはどう使うか?
これらは、親切にツールがいい感じの設定を用意しているので、そのまま使います。
マスターバスのFactoryのプリセットは、ある程度音を作ったら、
まず、プリセット自体をいろいろ切り替えてみて音色の変化を楽しみます。
ここを変えると全体の印象が目立つくらい変わります。好みを探してみましょう。
途中のバスのエフェクトはどう使うか?
このバス1、バス2の使い方は、歌とか、メロディーとかを広げたい時や、
少し目立たせたいトラックにアクセントとして使います。
音は広げすぎてもやりすぎ、いわゆるお風呂場っぽくなる傾向があります。
歌っている人は気持ち良いのですが、複数のトラックにかける時はどのトラックにかけるかを気をつけます。
まず、ドラムやベースにはかけない方が良い。
低音が響くとすべての音をかき消してしまいます。(低い音はエネルギーをもっているので)
あと、あんまりリバーブの効果がでません。
ドラムとかでもハイハットのようなもの、シンバル、スネアなど、
特定のものに、っばしーーーーん てかけると気持ち良かったりもします。
でも、バスドラにはかけない。
生っぽさ(ホール演奏、スタジオ演奏っぽさ)
を出す場合
全部のトラックにうっすらかけて馴染ませるというのもあります。
部屋の空気感などの表現ができます。
また、あえて、エフェクトを切ることで、デジタル的なレイヤーでの目立たせ方ができます。
チップチューンのような音にはかけない方が素敵。(好みですが)
逆に生音なのにエフェクトがかかっていないと、サンプラーっぽい目立ち方、異質感が出せます。
チップチューンっぽい音でもキラキラした音にかけると、すごい広がって、今っぽい音になったり。
キラキラシンセ音にリバーブやディレイは広がり感を与えてくれるので、とても合います。
脱線話ですが、
チップチューンは、ゲームボーイくらいからステレオが可能になって、
左右に思いっきりふっていたりするのですが、広げたい音がどう使われているか参考になります。
Logicだとトレモロエフェクトとか自分はお気に入りです。 音のパンニングを自動でテンポに合わせて振ってくれるものです。
smoothingを下げると極端なパンになります。
デジタル的な目立たせ方
他にもいろいろエフェクトがあって、とても楽しい。
空気感を消すだけでなく、音の響きを消すといったこともできて、
ノイズゲートを使うと、あるレベル以下を通さないといったことができ、
音をすっきりさせることができます。
音をすっきりさせる理由
とにかく、音源をいろいろ使って、トラックを重ねていくと、ぼんやりし始めます。
それぞれのトラック音源は、単体でもそれなりに主張が強いためです。
ぼんやりしてきたら、
各トラックの目的を思い出します。
ベース、ドラム、
高い音、キラキラ系
中低音、パッド系
早いパッセージ、アルペジオ
などなど
メロディーは、先ほどのリバーブを深めにかけたり、時にはステレオディレイをかけてやったり、コーラスをうっすらかけたりして、少し異質感を出して目立たせることができます。
ギターアンプシミュレータなど通しても面白い。
あと、先ほどのカテゴライズごとに、トラックに対して、イコライザーをかけましょう。
イコライザーにはプリセットがたくさんあり、
ベース、ドラム、キーボード、ギター、ブラス、ボーカルなど
最初はよくわからないので、ベースパートにはベース、ドラムにはドラム、ギターにはギター、
キーボードにはキーボードなどを各トラックに割り当てます。
全体で聞いてみたり、トラックだけソロにしてみたりして、変化を確認します。
ここまで、イコライザーって何?
みたいな話もありますが、簡単には、スライダーで扱いやすくイコライズするものと思えば良い。
例えば、ベースのトラックが小さいから、ベースのボリュームを上げたくなりますが、
まずは、イコライザーのエフェクトで音量を整えておく といった手順です。
すべてのトラックにかけるのが面倒な場合は、ベース、メロディー、パッド系だけでもかけると変わります。
イコライザーで何が変わる?
これは、音の分離です。
音がまざってしまう ミキサー画面をみて、イコライザーをつけていきます。
こうすると、そのパートで不要な音が削れます。
もこもこ、ぼわーん、とした感じがすっきりするかと思います。
とにかくすっきりさせよう
ここまでやっても、もわもわ、ごちゃごちゃしている場合は、
何かがぶつかっているということなので、
トラックをミュートして、みたりして 無くても問題ないトラックを探します。
そして、曲は繰り返しがあるので、
2回繰り返しに分割し、
1回目と2回目でぶつかってしまうトラックを、それぞれミュートしてしまえば良いのです。
簡単に曲が長くできます。
ごちゃっとを解決しよう
つまり、作る時はごちゃっと作って、ミックス段階で、バラしていく。
同時に鳴る音はイコライザーやエフェクトで、
同時に鳴らせない音は、横方向(時間をずらす)
ことで、すっきりさせていきます。
材料はいろいろあって、それをごちゃっと煮込むのもありですが、
それぞれのトラックの素材を目立たせてあげる、トラックを休ませる場所を作るなど、コンポジションの基本になります。
#追記 2021-01-05
最近はもっと手軽にizotope NeutronとOzoneで良いのではと
機能はいろいろあるのですが、最もシンプルに時間かけずに使うなら、
音が大きいトラックはちょっと下げてから
Neutronを各トラックにつけて、
Mix Assistantをかけて
メロや目立たせたい音はUpfront
ベースはLow
パッド系はwarm
高い音はHi
その他はMid Balancedとか選んでおくだけでとりあえずなじむかんじになります。
あと微調整でEQやComp具合の調整をちょっとすればだいたいOKになるはず。
で、最後にOzoneをマスターにかけておけば、Mix Assistantをかければ、全体の音量が自動で調節されます。
ジャンルがクラシックっぽいのなら、リバーブをつけてあげる。(ぼやけさせる)
ボーカルとかメロ楽器とかにも少し響きを付与したりすると良い。
元々の選んだ音がもやもやしていたら、音源側のリバーブやディレイを弱める。とかで、きゅっと締まった感じにできる。
音がいっぱいあってごちゃっとしていたら、メロとベースとドラム以外を若干パンをふってあげる。