GGJグローバルゲームジャム
という全世界で同じテーマでゲームを作るイベント
こういうゲームを作りたい人が集まってたった3日間でゲームを作るというイベントはなかなか心地よい。
夜遅くまであーだこーだやって作るのってなんか文化祭前とかみたいなノリ。
で、
個人テーマとしてはサウンドで何か珍しいものを入れたいという欲求もあって、
今回は、迷宮をさまようホラーゲームっぽいものだったので、足音に力を入れてみた。
足音って何か?
足音って、なかなか音として難しい。
足音って、ほとんど聞こえない。
足音って、おおげさに演出することも多々ある。
足音って、鳴っていなくても違和感ないことが多い。
足音って、床の素材変化とか取り込まれていたりとかすることもある。
ここで、足音についていろいろ考えてみると、
印象的なシーンとか、足音めっちゃ響かせたりするような演出があったりする。
例えば、向こうからキャラクターが近づいてくるときとか。
それが、異形だったり、心を動かす対象だったり、
例:ゴジラが遠くから近づいてくる
例:エヴァの綾波レイがこちらに近づいてくる
あと、単純にアクションのテンポ感、キャラがどれくらいの歩幅で、どれくらいの重量で、どれくらいの動きで動いているかとか。
足音をこだわりだすと、フォーリーとかも考える。
でも、フォーリーとリアルタイムはなかなか相性が悪い。(最悪あらゆるシーン、モーション分用意するとかになるととても量が増えてしまう)
ゲームはリアルタイムが多い。
そんなに時間かけられないけど、良い感じの足音にしたい。
プログラムでなんとかできないか?
という課題を科してみた。
足音反響システムとは?
足音って、響きの変化が大事な気がする。
足の当たった時の素材感とか空間感とかって、実際どの方向にどのような素材の壁が、どれくらいの距離で存在しているのか?
という情報がすべて含まれる。
足音を様々な素材で用意しようとしても、床の素材、床の密度、床の剛体としての大きさ、床の厚み、などさまざまな音の変化に影響しそうなものがあり、
究極は全部リアルタイムでシンセサイズするとかになりそう。
→3日間ではとてもできない課題
簡略して、とりあえず、
- 壁床はすべて石でできている。
- 足元から音が発生し、一時反射をシミュレーションしてみる。
ルームシミュレーションとか、ルームアコースティックとかよばれるものになるのかもだが、これもまともに計算とかしたらそれはそれで大仕事になってしまうので、
超簡易化してみる。
そしてこんな感じになった。
GGJ一日目の成果物 とりあえず足音 #GGJ_2023 #ggj #ggjjp pic.twitter.com/WiouKu4QEl
— tatmos #ディスクロ 第2章12/9発売 (@tatmos) February 4, 2023
まず一日目:
-
足音はラウンドロビン(2か4こ)で、なんとなく同音連打にならないように。
なんとなく交互に鳴っている感じ -
キャラのリスナーに対して、左右、前後、上下にレイを飛ばして、ぶつかったところに足音の音源を配置し鳴らす
-
壁までの距離に応じて再生遅延させる(距離感をイメージさせる)
-
壁までの距離に応じて減衰もさせる
これ、足音一つ鳴らすのに6音同時に消費しています。
ゲームジャムでしかできない贅沢実装。
2日目:
- 残響エフェクトをかけてみた。
反射音にだけ残響をかけてみたところ、壁が近いとより深く残響がかかるようになって、
初期反射だけでなくなんども反射しているみたいな感じの変化に近づいたかもしれない。
狭い場所であれば、めっちゃ響く。
広い場所では、あまり響かない。
3日目:
ゲームと組み合わせてみたところ。
迷路が通路ばかりで距離の変化が感じられる空間ではない感じ。
敵が近づいた時に、音がかなり大きくなる(6倍鳴っているので)
でも、ホラー感的には合っている感じがした。
自分の足音はやたらでかいのが気になる(少しさげても良さそう)
足音をこんなに鳴らす歩き方って、このキャラはどんな足や動きをしているのだろうか・・・
かなり足を打ち付けて歩いているみたいな感じになってしまった
走っている時とか、ジャンプした時とかはこれくらいあってもいいけど、
普通に歩いている時はもっと静かに足を なんなら忍び足みたいにして 音が鳴っていないでも良さそう。
とか思いつつもゲームジャムの開発時間は時間切れのため
この感じで完成とした
ゲームになったもの:
かなり怖い音ができている。
敵キャラが2体いるっぽいけど、どちらの音も聞こえてしまっていて、音像は曖昧になった。
同じ音なので区別はつかない。
マイクラとかの感じで、壁があっても遮蔽はしない。だいたい向こうの方にいるというのが感じられる程度。
音楽もないので、
音だけ聞くとかなり怖い音ができたと思う。
もしホラーを作る時があったらこういうのもありかも。
普通のゲームではもっといろいろ音を鳴らすだろうから、ここまでできない(足音1個で6音なので、キャラ数(3)xオーバーラップ数(2)x6=36音消費!)
ほんとは鎧とかの揺れとか衣擦れみたいな音とか、主人公の呼吸音とか、そういうのも入れていくとより良い音になりそう。