この記事は Cisco Systems Japan の有志による Advent Calendar 2024 の 19 日目として投稿しています。
2024年版(1枚目 & 2枚目): https://qiita.com/advent-calendar/2024/cisco
はじめに
リモートワーク・テレワークが進む一方でオフィスへの回帰も起こっており、働く場所の多様化が進んでいます。
これは国土交通省が実施した令和5年度テレワーク人口実態調査などからもみて取れます1。
このように多様化する働く環境を支えるためには、実際に働く場所がどのような状況であるかを可視化しデータに基づいた決定をすることが必要になっていくことが想定されます。
この記事ではCisco Devices を使うことで可視化できることを紹介しつつ、実際どのように可視化するのかについて触れていきます。
Cisco Devices のセンサー
多くの会議においてリモートからの参加者が1名以上いることが普通になっている現状では、高品質な音声を提供する専用のビデオ端末を各所に配置することで生産を高めることが可能です。
Cisco のビデオ端末はそれに加えて、NVIDIAのチップを活用したAI機能や各種センサーを利用することが可能です。
例えば、カメラを使って人を認識、人数をカウントすることで適切に部屋が使われているのか?であったり、IoTのセンサーを使って温度や湿度なども測ることが可能です。
また、最近ではNetwork の可視化ソリューションであるThousandEyes のエージェントをビデオ端末の中に入れて利用することができるようになっています。
Cisco のビデオ端末を置くことで、単純に会議の質を上げるだけではなく、実際に部屋の状況がどうなっているのか?ネットワークの状況がどうなっていたのか?を可視化することが可能です。
これにより、日常的にどのような状況なのかを確認して次のオフィスの改修計画を練ったり、トラブルが発生した場合に早急に状況を確認して対応するといったことが可能になっていきます。
端末のAPIからリアルデータを取ってみる
前述したセンサーからの情報の現時点での値は個別の端末から簡単にAPIを使って取得することが可能です。
方法としては下記のいずれかで実行が可能です。
- SSHで端末に接続してコマンド(xAPI)を利用する。この場合はPCからビデオ端末にIPレベルでの到達性が必要
- 端末がWebexのプラットフォームに登録されている場合はREST APIを利用
実際に利用するAPIのガイドはこちらから確認が可能です。
また、roomos.cisco.comで、実際に利用したいAPIのサンプルも記載を確認することも可能です。
今回はSSHで実際に温度のデータを取ってみます。
温度を取得できる端末はRoom Navigator です。
まずは、ビデオ端末から見て、Room Nvigator のDevice IDをList で取得します。下記のコマンドで接続されているPeriheralsの情報を取得します。
xCommand Peripherals List Connected: true
OK
*r PeripheralsListResult (status=OK):
*r PeripheralsListResult Device 1001 ConnectionMethod: IP
返ってきた結果からRoom Navigator のDevice IDは1001であることがわかります。
Device ID 1001 を指定して温度を取得します。
xStatus Peripherals ConnectedDevice[1001] RoomAnalytics AmbientTemperature
*s Peripherals ConnectedDevice 1001 RoomAnalytics AmbientTemperature: "22.0"
結果から現在の部屋の温度が22.0度であることがわかりました。
Control Hub で可視化された情報を確認する
実際にエンドユーザ側で全ての端末に対してSSHを利用することなく、Webexに登録されていれば管理ポータル(Control Hub)上で設定を有効化することで簡単に可視化が可能です。
デバイスはControl Hub 上でワークスペースに紐付けされます。
実際に個別のワークスペースの温度変化の様子を見てみると下記のように確認することが可能です。
端末から取得する情報を表示するだけではなく、Control Hubには分析機能が備わっています。これにより、より効果的にワークスペースの生産性を上げることが可能です。
どのようなタイプのワークスペースがあるのか、そのタイプやロケーション別の使用時間や使用状況を見ることが可能です。
また、実際にカレンダーとワークスペースを紐付けすることで、実際に予約した会議室がどれだけ使われなかったか=予約されたがビデオ端末から該当時間中に人を検知しなかったか、の情報を取得し分析することが可能です。
外部システムからデータを取得する仕組み
今までは端末それぞれから情報を取ったり、Control Hubでまとめて情報を見たり分析する方法を説明してきました。
それに加えて、Webexではワークスペースやデバイスに関してWebex APIを利用して、外部のシステムと連携する枠組みであるWorkspace Integrations用意しています。
これにより、実際に利用中かどうかがわかるオフィスマップをであったり、デバイスのカスタムUIコントロールを提供することが可能になります。
また、作成したIntegration は自社向けだけではなく広く公開することも可能です。
Workspace IntegrationはWebexのControl Hubを通じてIntegration先のシステムと連携する形をとります。
Workspace Integration ではOAuth2.0 の認可の仕組みを通じて情報を取得します。
連携する情報はあらかじめマニフェストで規定したxAPIへのアクセスやステータス通知を利用することで、外部のシステムと連携が可能です。
通知の方法としてはWebhook 及びLong Polling の仕組みを利用することが可能です。
実際にWorkspace Integration を利用している例としてはシスコで提供しているCisco Spaces があげられます。
リアルタイムで使われている部屋の状況を可視化することができ、従業員が部屋の状況を確認するために使うことが可能です。
Cisco ではオフィスで実際に利用しています。
終わりに
本記事ではWebexで働く場所の可視化についてご紹介しました。
これ以外にもWebexはネットワーク製品であるMeraki やThousandEyes とも連携が可能で、さらなる可視化を実施することもできます。
働く環境が多様化する中で、可視化によってデータを活用することが、ユーザの生産性向上に役立つと考えています。
ご興味ありましたらぜひお試しください。
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