SANはストレージ専用のネットワーク
SANはストレージ専用のネットワークであり、FC/FCoE/ISCSI/NVMeoFといったプロトコルが使用されている。
FC/FCoE/ISCSIはいづれもSCSIプロトコルをカプセル化しており、ブロックアクセスを行う。
コンピュータからストレージのネットワーク接続について、
従来はSCSIケーブルを利用し、サーバーとストレージをそれぞれ1対1で接続する方式であった。
SANでは、1対nで接続できるためディスク容量を有効活用でき、
ストレージ統合による運用の軽減にもつながっている
FC
- 大容量データを高速転送できるよう、ストレージに最適化された方式。
- 他のプロトコルに比べ、TCP/IPなどのカプセル化を行わず、余計なオーバーヘッドが少ないため、高速よ。
- 光ファイバーケーブルでサーバとストレージを接続する。
- 8Gbps/16Gbps/32Gbpsのスループット(データ転送速度)が出る規格が一般的に選択される。
- 信頼性/拡張性が高く、レイテンシが小さい。
- 32Gbpsの4つのレーン(データの通り道)を束ねれば、最大128Gbpsのスループットが得られる。実効12.8GB/sで伝送できる。
- データの損失がない通信を実現し、信頼性が高い。
ただしFCは専用のアダプタとスイッチが必要であり、高価かつ専門的な技術知識が必要。
参考サイト
iSCSI
- イーサネットベースのストレージインタフェース(プロトコル)であり、TCP/IPネットワークで
SCSIのパケットを転送できるようになっている。(SCSIをTCPでカプセル化)
簡単に言うとEthernet上でSCSIを使えるようにした規格。 - FC、FCoEに比べTCP/IPのカプセル化が生じるので転送処理でオーバーヘッドが生じる。
- FCと異なり、標準的なイーサネットのネットワークインタフェースカード(NIC)とスイッチを使用する。
- iSCSIは既存のイーサネットのネットワークで動作するので、FCより低コストかつ容易に導入可能
- 最大100Gbpsのスループットが出る。
参考サイト
FCoE
大規模システムではLANとSANを構築しなければならず、ネットワーク構成が複雑化する。
例えばサーバにはイーサネットのLANボードとFC-SAN用のHBAが必要。冗長かすると各ボードが2枚ずつ、
合計4枚の搭載が求められ、4本のケーブルが差し込まれます。
そのコストや運用負荷増加、障害ポイントの縮小化に対する解決策としてFCoEが考えられた。
FCoEの統合後は高価なインターフェースとケーブルの数を半減しています。これによる
コスト削減、電力削減、シンプルな物理配線による管理効率化のメリットがあります。すでにFC-SANが
ある場合、FCoEでも既存のFCの運用管理の仕組みをそのまま踏襲できるのでそれが最大のメリットです。
※ 当然ながら、新規にストレージネットワークを構築する場合、小規模ならiSCSIによるIP-SANの方がコスト的に優れています。
- FCをイーサネット上で使えるようにした規格。
FCoEによってFCフレームをイーサネットフレームのデータ部分に組み込むよ。
サーバとの通信はTCP/IPでのカプセル化がないので、iSCSIより効率的。 - サーバに専用のインタフェースボード(CNA)を使用し、その1枚でLANとFC-FANを統合できる。(冗長化するなら2枚)
- FCoEスイッチを経由して、既存LANや既存FC-SANを接続する。
光ケーブル使ったFCとメタルケーブル使ったLAN両方接続できるよ!
参考サイト
NVMe-oF
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ストレージパフォーマンスのボトルネック
パフォーマンスのボトルネックがあるとすればストレージインタフェース以外にある可能性が高い。
ストレージシステムを制御するストレージコントローラーのキュー深度(キューに格納できるコマンド数)、
クラスタ構成、ディスク数、ディスクの種類といった点に問題がある可能性がある。
他にも物理サーバ、SANファブリックのオーバーサブスクリプション比
(スイッチの全ポート合計の通信路容量がファブリックの容量をどれだけ超えているかを示す数値)
に問題がある可能性もある。
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