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【英語学習法】転職したらシリコンバレーに飛ばされた件(海外2回目)~いともたやすく行われるえげつない英語

Last updated at Posted at 2019-12-06

はじめに

TIS Advent Calendar 2019の6日目の記事です。締め切りに追われアメリカで朝5時に書き始めてます。
海外生活が大体4年(ヨーロッパ3.5年、アメリカ0.5年)になる人が思い出す英語の学習法のポエムです。

私の英語習得のモットーは、「楽しみながら、安いコストで、素早く身に着ける」です。
英語を「お勉強」ととらえ、「ひたむきな努力」をし、うさぎとびのような非効率的なトレーニングで、「1年で1000時間する」、「単語を1か月で1000個暗記する」などという、多くの人にとって苦痛となる継続確率が低い精神論ではありません。

今の英語力は、1時間半の会議で1時間くらい台本なくしゃべったり、ハッカソン出てアドリブで5分ピッチして賞もらったりできる程度です。習得までは無理はしてない感じです。

想定は、英語を高校卒業まではやっている人です。英語に興味を持っているけど、苦行や修行は嫌だなという人の手助けになれば幸いです。

目次

目次をつけておくので、知っていることは飛ばしまして構いません。
うんちくは、読み物として一回読めばOKで、学習方法はジョジョにやっていけばいいと思います。

  • うんちく
    • 言語の4つのコアスキル(リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング)
    • 知っていると便利な記憶の仕組みと言語学
    • 日本語と英語
    • 「ゴールデンエイジ」を逃した大人になってからの学習法
    • 子供は単語はどう覚えるか?
    • マルチリンガルはなぜマルチリンガルなのか?
    • 思考と言語
    • 「英語脳」とか「英語回路」に思うところ
  • 学習方法
    • 文法=がんばれ
    • 体で覚える=五感を使おう
    • 言い回しを増やす
    • 単語=語源、同意語、反対語を覚える
    • シャドーイング
    • 歌で覚える
    • 言葉遊び、名言、ジョーク
  • さいごに

うんちく

言語の4つのコアスキル(リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング)

多言語話者(マルチリンガル)の方だと言語のスキルと大体4つに定義しているようです。

  • スピーキング
  • リスニング
  • リーディング
  • ライティング

この順番も大事です。ヨーロッパに住んでいましたが、オランダやドイツは英語話者が80%くらいは超えていて、学習方法も、上記のスピーキングに注力するようです。

さて、肝心のマルチリンガルの人の学習方法ですが、大体バラバラです。脳のハードウェアがバラバラなので当然ですかね。

知っていると便利な記憶の仕組みと言語学

記憶に関してですが、感覚記憶(パッとみた映像や文字、今聞いたワンセンテンス)>短期記憶(長持ちしないし容量制限大)>長期記憶(多いストレージ、使わないと忘れる)>手続き記憶(体の記憶)の深さごとに特徴があるようです。

英語を話すには、手続き記憶まで使う必要があると思います。
(パッと単語をひっぱり出せたり、口で「the(ザではなくジ)only」とか、he, his, himを瞬間的に切り替えるとかですかね。)

言語学について、ラングとパロールという概念があります。ラング(話者の共通認識、文法など)を重点的に覚えて、パロール(話者独自の癖)を微調整します。
ラングは文法をきっちり覚えるのが重要で、CNNなどのニュースの動画の音と、口びるの動きなどでベースを覚えます。パロールは個人の癖で、ネイティブな国に行くほど強くてヒアリングしにくくなります。

日本語と英語

日本語は表意語、英語は表音語で、文法もまるっきり違うので、完全に系統が違います。
(HUNTER x HUNTERでいう水見式でいうと、日本語は特質系ですね)
ドイツ語は、ゲルマン語派と呼ばれて英語と同系統。語源やボキャブラリーがかぶっていて大変取得に有利です。
フランス語は系統が違うロマン語諸派ですが、ヨーロッパは戦争で征服しあっているのでボキャブラリーは混ざっています。

日本語話者は英語を習得するには頑張らないといけません。

「ゴールデンエイジ」を逃した大人になってからの学習法

言語を覚える文脈で、ゴールデンエイジという言葉があります。

赤ちゃんの脳には、世界中の言語を聞き分ける能力があるが、日本語以外の音にふれる機会がないと、その能力は失われてしまう。

たぶん、読者の大体の人が逃しているはずです。なので、大人なりの工夫をして学ぶ必要があります。
大人が有利なのは、「概念」を学ぶ必要がないこと、「体系」だって学べる事かなと思います。
赤ちゃんと比べると、「リンゴ」「Apple」を概念としてすでに知っているので、英語を学ぶ際に、「Apple」という英語の単語を、その概念と日本語の単語の横に置くだけでよいです。

子供は単語、文法をどう覚えるか?

すでに子供の心を忘れているのでわかりません。少なくとも、中学や高校で習う英語ではないことは確かです。
つまり、日本でよくあるReaderの教科書と、脈絡のない文章がバラバラの文を使った単語帳の教材ではないです。
子供の時、フラッシュカード(単語カード)をシャッフルして、ヒタスラ繰り返したりはしなかったはずです。
月曜を覚えたら、火水木金土日曜まで覚えるし、1週間という単語を覚えたりします。
暑い→寒い→湿気っている→乾いているなどもセットで覚えます。

「It is so cold because we had snow Monday.」で、Mondayとcoldだけ覚えるのは非効率だと考えます。

マルチリンガルはなぜマルチリンガルなのか?

感覚ですが、脳内に言葉=単語と文章のテンプレート(おそらく母国語)の多次元マップを持っていて、新しい言語の単語と言い回しをその横に配置しているのだと思います。
3か国語目からは、特別な才能はいらない気がしています。

思考と言語

Wikipediaによると、「思考」と言語は、同じだとか、別だとか諸説あるようですが、個人的には、多言語話者になると、これは確実に別になっていると思っています。
日本にいるときに、リンゴの画像を見た後に、「リンゴ」というカタカナを言語として浮かべるからです。
いっぽうこの「リンゴの画像を見た後に、「リンゴ」というカタカナを言語として浮かべるからです。」という
文章を考えるとき、リンゴという画像は浮かべていません。
英語圏にいるときは、リンゴの画像を見た後は、「Apple」という言語を浮かべます。

「英語脳」とか「英語回路」に思うところ

「英語回路」はあると思います。「脳」は一つです。思考は1つで、日本語出力と英語出力がある感じです。
映像だとより顕著で、例えば猫の面白いGif画像を見て、英語にして実況したり、日本語にして実況しています。
英語の会話や会議では、英語をそのまま処理してそのまま返しているし、日本語に通訳するときは、ヒタスラ英語をテキストに書き落としておき、その後、単語とストーリーを日本語に変えます。

英語を話すレベルの前、つまり、外国に飛ばされる前は、日本語で思考していた気がしますが、今は思考が言語より先に来ています。

学習方法

文法=がんばれ

これは、各自がんばってください。
大人で学ぶなら、体系は最初に必要だと思います。
学生時代は無駄にスコア高かったので、わからない人の気持ちがわからない。

体で覚える=五感を使おう

単語、格変化(I my meとかですね)を覚えるときには、5感を使いましょう。
体の記憶に引っ掛けることが大事です。学校の教育は、ほぼ目しか使ってないイメージがあります。

  • 指でスペルっぽいものを書く動作
  • 目でスペルをイメージもしくは、実際のスペルを見る
  • Google先生の翻訳の音声再生で、音を聞く
  • 実際にその音を、口で何度も再現し、それを耳でも聞くとやっています。

などしています。

ん?味覚と嗅覚?、味覚と嗅覚はオレが置いてきた。
image.png

言い回しを増やす=今知ってる単語だけでどうにかやりくりする

これが、五感(チャオズ除く)の次に重要だと思っています。
脳と口に、手続きを作って反復するためです。

例えば、

「I will pick him up to airport」

という文がある時、I と him を You や her などに変えてみたり、

「Will you pick me up to airport?」

と疑問文にしたりして口にも出して、馴染ませます。

また、同じ意味を持つ文章を、無生物主語にしたり、受動態にしたり、依頼系にしたり、疑問形にしたり、とにかく変えます。

「このAPIについて2つ質問があります」

I have two questions about this API.
There are two questions regarding this API.
Can I ask you two questions for this API?
Let me answer my two questions of this API below. (メールとか)

シャドーイング

聞いた文章をオウム返しします。
「ぼくたちぃぃぃ」「わたしたちぃはぁぁぁ」「せんぱいたちのぉぉぉ」的な卒業式にやるやつですね。

CNNニュースやテックのプレゼンなどで、できれば字幕付きのYoutube動画などを、再生を止めつつやります。
なるべく人がいなところでやりましょう。

単語=語源、同意語、反対語を覚える

単語はすぐには増えません。しかも使わないとすぐに忘れます。
ここで上げている学習法のうち、残念ながらいちばん、コツコツとやる必要があるものです。

単語を覚えるときに、非常に無駄が多いと強く思っているのが、ゲリラ的に行う行為です。
ここには、個人的に、日本の教材に残念な気持ちが多いです。

人間の脳は、連想を持つことで強化されます。体系だったものを覚えるのです。
たとえば、同じ会社の部署の人を、「アルファベット順」に並べることは、普通の人はできませんが、
部署には、A,B,Cの3チームあって、Aは3人、Bは5人、Cは4人です。というと思い出せたりします。

意味のあるグループで認識し、覚えるのです。
たとえば、HotとColdとHumidとDryを1か月おきに、100個のランダムな単語の中に混ぜてえ覚えることは、普通の人には無駄で、苦痛で、コストの高い行動といえます。

短期記憶は、2日で50%減るともいわれています。一日に覚えられる量は限られているのです。

image.png
image.png

メモリを有効使ってに、かつ、連想と脳内のリンクを極力増やして定着率を高めてください。

子供が、「病院」(hospital)と、「入院する」(admit)を覚えたら、普通は、「退院する」(discharge)も覚えるはずです。
「医者」(doctor)や「看護師」(nurse)や「患者」(patient)も覚えます。「元気になる」(get well/be getting well)という言い回しも覚えるかもしれません。

He was admitted to the hospital, but soon got well and was discharged.
Doctors, nurses and other patients were kind.

多くの教材や、単語暗記法などは、これらを無視していると思っています。

次に語源についてです。
英語は、表音語といいましたが、日本語は完全に系統の違う、漢字を使う表意語です。
しかし、言葉には共通点があります。例えば、漢字の熟語で、一文字の漢字しかわからなくても、もう一文字がわかればなんとなく想像できることはないでしょうか?

英語はラテン語が元にあり、語源を持つものがあります。
その場合は、単語を一気に獲得するチャンスです。

たとえば、開発者になじみ深い以下の単語は、すべて、ject(投げる)という語源です。

-ject ... 投げる、物
object ... 向かって投げる=対象
reject ... 再び投げる=投げ返す=拒絶する
subject ... 添えられるもの=タイトル、主題
inject ... 中に投げる=注射、注入する
project ... 先に投げるもの=計画
eject ... 外に投げるもの=取り外し

他にも、同意語、類義語、反対語、類義語のニュアンスの違いなども調べると効率が上がります。
言葉を探索することが大事で、そして、その概念やイメージ(多くの場合は母国語で持っている)を脳内の母国語の横に置くのが大事です。

脳内言語を英語に切り替える=あれって英語でなんて言うの?

ある程度学んだあとにすると、劇的に効果が高くなる手法です。

ゴリラを英語に変えて読み替えてください。

まずゴリラを具現化しようと決めてからはイメージ修業だな
最初は実際のゴリラを一日中いじくってたな。とにかく四六時中だよ
目をつぶって触感を確認したり、何百回何千回とゴリラをスケッチしたり
ずーっとただながめてみたり、なめてみたり、音を立てたり、嗅いでみたり
ゴリラで遊ぶ以外何もするなと師匠に言われたからな
しばらくしたら毎晩ゴリラの夢を見るようになって、その時点で実際のゴリラをとりあげられた
そうすると今度は幻覚でゴリラが見えてくるんだ
さらに日が経つと幻覚のゴリラがリアルに感じられるんだ
重さも冷たさもすれあう音も聞こえてくる
いつのまにか幻覚じゃなく自然と具現化したゴリラが出ていたんだ

image.png

英語を具現化するのです。

  • コンビニにいって商品をすべて英語で言えるかチェックする
  • 思考(内面で日本語で考えるのを全て)を英作文にする(わからない単語は日本語のままにするのがコツ)
  • 日本語のWikipediaの記事(知っていること)や童話などを、英語にする
  • 英語の音楽を日本語に変える。日本語の音楽を英語に変える。

歌で覚える

速い歌を覚えると、発声やリエゾン(リンキング)、吸いながら発声するなどが覚えやすいです。
Lyricsの字幕付きの英語のYoutube動画を歌ってみましょう。

言葉遊び、名言、ジョーク

言葉遊びだと、例えば「ake」とかに、a-zまでをくっつけて単語化したりします。

bake, cake, make, lake, wake, ...

また、英語のジョーク集を見て、学ぶなどです。チャーチルが個人的にえぐくて好きです。

ユーモアはある程度は必要です。

さいごに

英語学習の秘訣ですが、上の7言語話せる人の記事にあるように、

3-1. 秘訣①「楽しむことが大前提」-Enjoyment-
3-2. 秘訣② 「効果的な学習法を確立する」-Method-
3-3. 秘訣③「学習を習慣化する」-System
3-4. 秘訣④ 「時には我慢も必要」-Patience-

「楽しむ」がもっとも大事です。苦行や修行を正としないで、継続可能なやり方でやりましょう。
また、脳のハードは人それぞれなので、確立した絶対的なやり方はないですが、効率を考えて実践していくとよいです。

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