3
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

Hardware Description LanguageAdvent Calendar 2024

Day 9

秋月Efinixボード T8F81 入門

Last updated at Posted at 2024-12-08

秋月電子で話題(?)のEfinix社のFPGAが搭載された開発ボード(2500円)が発売されました。チュートリアルのLチカを実施したのでそのレポートになります。

T8F81とは

Efinix社のFPGA Trion T8 の81ボールFBGAパッケージの製品です。(T8は144ピンのパッケージもあるのでそちらを渇望している方も多そうです。)

スペックは以下。

  • ロジック・エレメント (LEs) 7,384
  • マスク・プログラマブル メモリ (MPM):なし
  • 内蔵メモリビット (kb):123
  • 18x18乗算器:8
  • PLLs:5
  • LVDS (TX, RX):6, 6
  • DDR3, LPDDR3, LPDDR2(up to 1066 Mbps):なし
  • MIPI DPHY (4レーン):なし
  • 内蔵 MIPI CSI-2 コントローラ:なし

同じく秋月で買えるFPGAとしてはTang Nano 4K 2980円あたりが競合でしょうか。ボード単体で言えばEfinix社のT8F81のほうが若干安いです。ボード単体でいえば…

T8F81 DIP化モジュールキット

T8F81をDIP化したモジュールキットです。
秋月の説明の通り、動作させるために最低限の電圧レギュレータ、クロック生成、SPI-Flashのみが搭載されています。
USB-JTAGはありません。
そのため、JTAG、SPIのダウンロードケーブルが必要です。
チュートリアルではFT232HLを使用しています。1600円…
自分はボードをぽちったときにFT232HLを買い忘れたのでなにもできずの時がありました。

事前準備

ハードウェア

秋月販売サイトにリンクされているAE-T8F81-DIP40チュートリアルに記載されているリストをAkiKartに登録しました。

秋月Efinixボード T8F81 入門部品リスト

※ブレッドボードをBB-102に変更しています。(BB-801は小さい)
※ブレッドボード用のジャンパワイヤも追加しています。

全部で5550円です!(自分はFT232HL以外は家に転がってた)
image.png

ソフトウェア

Efinix社の開発ツールをダウンロードするために、事前にEfinix社のアカウント作成が必要です。Efinix社のサポートセンターからアカウント作成が可能です。
Company欄にN/Aの例が記載されているので、個人のホビイストにも優しいですね。

image.png

代理店欄には秋月、チュートリアル作成元の(株)エクスプローラも見当たらなかったので、Otherを入力しました。

image.png

ログイン後フリーライセンスをリクエストすることで、EfinityIDEをダウンロードできます。

フリーライセンスのリクエスト方法は加賀電子様のサイトがわかりやすいです。

リクエスト後は自動で承認されるようで、まもなくダウンロード可能な画面に行くことができました。
Windows版のVer2024.2.294をダウンロードしました。
大手FPGAベンダのツールと異なりまだ702MBと帯域もストレージにもお優しいです。

image.png

チュートリアル上の注意

FPGAボード販売サイトのチュートリアル1、および、チュートリアル1(演習データ一式)をダウンロードして手順通り従いましょう。以降はチュートリアルに従います。自分が詰まった点のみ記載します。

pinアサイン

基板にシルクがないのでわかりにくいですが、チュートリアルによれば以下のアサインのようです。

image.png

回路の作成

ボードにはLEDやスイッチの類も一切実装されていない のでLチカするだけでも
自分で回路を作成する必要があります。リセットスイッチすらない。すべて(37本)がUserIOとして使えますという漢気。(そこまでするなら144pinパッケージで出してほしかった感も)
ブレッドボードで組んでみました。チュートリアルではBB-801のブレッドボードを推奨してましたが、写真の通り大きいブレッドボードのほうが収まりよいです。

PXL_20241207_021533777.jpg

Zadigの設定

FTDI社のFT232HLをダウンロードケーブルと使用するため、FDTI社のドライバでなくlibusb-win32を適用する必要があります。そのためにZadigというソフトを使います。おなじみFPGAの部屋様の記事がわかりやすいです。

Option メニューから List All Devicesを選択します。
自分の環境では、FT232HLは「Single RS232-HS」と表示されていました。
Efinixのドキュメントによれば置き換え先ドライバはlibusb-win32を推奨とのこと。

image.png

image.png

ピンの設定

ピン設定は、ピン定義ファイルを自分で作成する方法と、GUIで実施する方法があります。GUIでは双方向バッファや3-Stateバッファ設定ができないようですが、今回は関係ないのでGUIで作りました。Interface Designerデザインフローを参照ください。

結果

その他所感

慣れてないのもあるがEfinixのツールが絶妙に使いにくい。他のツールと配置が異なっていたり、アイコンもなんかわかりにくい。Programmerで設定を一つでも変えるたびに、書き込む対象のバイナリファイル設定がクリアされるため毎回設定する必要がある、など。Lチカしかしていないのでバグの類はまだ踏んでません。

FT232HLが必要だったり、Zadigでドライバ入れ替えが必要だったり、はんだ付けが必要だったり、LEDやスイッチすらもないので自分で回路作らなきゃいけなかったりとどうも初心者には優しくない。自分もなんだかんだ3,4時間ぐらいかかってしまいました。FPGAでLチカ入門~ってだけならGOWIN社のTangNanoシリーズのほうがお手軽。LEDやスイッチぐらいはつけてほしかった。

お手軽にLチカだけやってFPGAの雰囲気を感じたいならTang Nano 9k
もう少し背伸びしていろいろやりたいならTang Primer 20K Dock拡張ボードセットあたりがおすすめかなと思いました。

3
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
3
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?