延長サポートとは
RDS にて使用するエンジンにおいて、定期的にバージョンが更新されていき、古いバージョンの標準サポートは使えなくなるため、バージョンアップを実施する必要があります。
ただ、企業等の要件によっては、古いバージョンを使い続けることが必要になることもあると思います。
そこで AWS は、延長サポート料金を追加で支払うことで、旧バージョンを使用できるようにしています。
MySQL メジャーバージョン | RDS 標準サポート終了日 | RDS 延長サポート開始 1 年目の価格設定日 | RDS 延長サポート開始 3 年目の価格設定日 | RDS 延長サポートの終了日 |
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MySQL 8.0 | 2026 年7月6日 | 2026 年 8 月 1 日 | 2028 年 8 月 1 日 | 2029 年 7 月 31 日 |
MySQL 5.7 | 2024 年 2 月 29 日 | 2024 年 3 月 1 日 | 2026 年 3 月 1 日 | 2027 年 2 月 28 日 |
上記記載の公式ドキュメントにて、RDS for MySQL において 5.7 の標準サポートが 2024 年 2 月 29 日に終了し、2024 年 3 月 1 日より延長サポートが開始していることが表示されています。
その他エンジンにおいてもバージョンの標準サポート終了日を確認しつつ RDS を使用することが必要のようですね。
延長サポート料金について
本題である延長サポート料金について触れていきます。
AWS 公式の料金ページにてリージョンごとの延長サポート料金が確認可能です。
利用している RDS の使用しているリージョンによって単価が異なるため、環境に合わせて確認してみてください。
なお、東京リージョンでは単価は以下となっていました。
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※2014年4月10日時点
アジアパシフィック (東京)
1 年目と 2 年目の料金(vCPU 時間あたり):0.120 USD
3 年目の料金(vCPU 時間あたり):0.240 USD
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延長サポート料金は (vCPU 時間あたり) となっています。
現在使用している RDS DB インスタンスのインスタンスタイプを調べると vCPU の値がわかりますので、まずはコンソール上にてインスタンスタイプを確認することが必要です。
インスタンスタイプが判明すると以下公式ドキュメントにて、 vCPU の値が参照可能です。
Amazon RDS インスタンスタイプ
それでは、延長サポート料金 (vCPU 時間あたり) の試算をしてみます。
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<条件>
・東京リージョン
・単価は 1 年目と 2 年目の料金
・db.t2.medium を使用
・1ヶ月 = 31日
<計算>
0.120 USD(1 年目と 2 年目の料金単価)× 2 (db.t2.medium の vCPU) × 24 (時間) × 31 (1ヶ月)
= 178.56 USD
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マルチAZでの利用の場合、両方のインスタンスへ延長サポート料金が発生するため、2台分の計算となりシングルAZで発生する料金の倍の金額が発生します。
まとめ
今回は、RDS の延長サポートについて触れてみました。
改めて試算してみて、安くない金額が発生しますね...
料金発生を回避するため、バージョンアップも検討してみてください。
RDS 延長サポートに対するこの追加料金は、RDS 標準サポート終了日を過ぎたメジャーバージョンを実行しているデータベースを削除するか、標準サポートの対象となるエンジンバージョンにアップグレードするとすぐに終了します。