概要
現在所属しているビットバンクでは2020年7月~現在も社内勉強会を毎週開催しています。(社内では ナレッジ共有会 という名前で開催しています)
勉強会の開催を提案してから、実際に開催し、現在まで毎週開催している社内でも人気の施策となりました。
ここでは勉強会の毎週開催の運営フローと運営にあたり心がけていることを述べていきます。
勉強会の開催フロー
1. 運営メンバーで定例ミーティングの開催
ミーティングの中では以下の内容を決定
- 発表内容のネタ選定(ネタの案出し)
- 発表予定のネタを基に発表者と発表スケジュール(順番)を仮決め(発表者の都合があるため都合に合わせる)
- 運営メンバー内の誰に発表者と発表スケジュールを交渉してもらうのか決める
2. 実際に発表者に発表(登壇)内容とスケジュールを交渉する
ここでの交渉により発表の可否と発表予定のスケジュールを決定する
3. 勉強会の発表日をカレンダーに設定する
ついでにカレンダーのタイトルを発表内容のタイトルとなるように変更する
これによりその日にどんな発表がされるのかカレンダーを見て判断がつきやすくなるため
(要望があったので取り入れました)
4. 勉強会開催前に集客のための告知を行う
- 勉強会開催直前に全社的に呼びかける(リマインダーの設定)
5. 発表日当日の司会、発表内容のアーカイブの動画の録画やコメントの取得、当日の参加状況レポートの記録
- 参加状況レポートを取得することで後ほど運営の定例にて勉強会の振り返りを行い、改善に役立つため
- 勉強会当日に参加できない人もいるので、後日に勉強会の内容を確認できるようにアーカイブの動画
6. 開催後翌週の全社参加の定例会にて開催した勉強会の内容の報告とアーカイブの保存先の紹介と次回開催する勉強会の宣伝
多くの人に勉強会を知ってもらい参加・協力してもらうために多くの人が集まる定例会の中で勉強会の内容を報告、宣伝することが効果的であるため
※【補足】 リアルで勉強会を開催する場合の話
オンラインではなくリアルで勉強会を開催する場合は 1. 運営メンバーで定例ミーティングの開催 の後、「開催場所の選定」や「開催場所の予約を抑える」などが必要になります
上記の開催フローを回して毎週開催できるようにしています。またこの開催フローは繰り返し行うものであるので、各種自動化を行うためのサポートツールも開発し、実際に運用に取り入れております。(ここではサポートツールの内容については割愛します)
ストーリー
きっかけ
コロナウィルスが世界的に広がった2020年、会社でフルリモートワークが施行されるようになりました。
フルリモートを数か月行っていった中で、出社していた時はすぐに近くの人に話を聞きに行ったり、相談することといった気軽にコミュニケーションをとることができたのですがフルリモートワークだとそういったことがしづらい状況にありました。これにより情報やノウハウの共有がされないのは非効率(もったいない)と思ったので、毎週社内で情報共有がなされる場が必要だと感じ勉強会を提案し、実際に勉強会の開催を行いました
勉強会を開催していく中で心がけたこと
1. 継続して勉強会を開催していくことに意義がある
継続が止まったら、自然消滅していく流れになるため
2. 常にポジティブ。ダメ出しはしない。
- 発表してくれた人が発表してよかった、また発表したいと思える雰囲気にすること
- 見ている人たちが次は自分も発表したいと思える場にすること
このような場にすることができれば自然と人が集まる場となり、継続的に開催していくサイクルができるため
3. 発表はゆるく、敷居は低く
- 発表の敷居が高くなってしまうと遠慮されるようになってしまい発表の交渉が難航するため
- ゆるい発表であったのならば、参加者からは「こういうゆるい発表でもしていいんだ」と思ってもらい、発表することへのハードルが下がって発表してもらいやすくなるため
4. 要望・願望は無責任に行ってもらう
- 例えば、「自身はブロックチェーンについて全く詳しいので、ブロックチェーンに詳しい人の発表を聞きたい!!」といった自身が発表者じゃないことであっても要望として挙げてもらう
発表の交渉は勉強会の運営側で行うので、こういった要望は大歓迎。むしろネタ出しに協力していただいているので、これからもそういった要望をどんどん出してもらいたい
5. コメントやリアクション、質問を自分からどんどんしていって勉強会を盛り上げる
発表していて周囲の人の反応がないとだんだんと寂しくなってくるので
6. 発表者の交渉には発表の「お願い」をしに行く
- 発表者の募集を待っていたとしても自ら進んで発表に名乗りをあげてくれる人は多くない。そのためこちらから発表の依頼をしていくようなコミュニケーションをとらないと勉強会の開催が継続できないため
- 発表の依頼をしていく場合、快く引き受けてくれるためには発表を「お願い」するようなコミュニケーションをとる必要があるため
7. まずは自分から行動する。頑張っている姿勢を周りに見せる
- お願いなどをしても快く引き受けてくれやすくなる(頑張っている人からのお願いは断りづらくなるため)
- むしろ運営などに協力したいと思う人が自然と現れてくる
勉強会によく参加してくれている人の中には手伝ってくれそうな人が現れてくれます。そういった人たちをどんどん運営にも呼び入れて手伝いをお願いしていくことによって勉強会の継続につながっています
8. 常にまわりに感謝
- 勉強会の開催、発表、運営に協力してくれる人に「協力してよかった」「また協力しよう」と思ってもらうため
- お手伝いなどを進んでしてきてくれた人にはお手伝いの質にかかわらず、まずはその心意気に感謝し、またお手伝いしてもらえるようにするため
9. 最後は自身がケツを持つ
- 例1: 直前まで発表者が決まらず、勉強会の開催が危ぶまれた場合は自身が急遽資料を作って発表する
- 例2: 発表者の交渉の中で話がこじれそうあときは自身が間に割って入ってまとめる
効果
社内勉強会を会社のカルチャーとして定着したことによる会社にとってのメリット(効果)について述べます。
会社にとってメリットとしては以下のことを挙げることができます
- 情報の民主化と課題解決に向けてのアプローチの高速化
- 例えば、「スマートフォンのネイティブアプリの開発について詳しい人に話を聞きたい。以前〇〇さんが勉強会で発表していたから、〇〇さんに話を聞いてみよう」といったアプローチが容易にできるようになる
- 優秀な人が会社に応募するきっかけとなっている(採用面での効果に寄与)
- こういう勉強会を毎週やっていることをPRしていたら、エンジニアなどにとってみては会社に入ってみたいみたいと思うじゃないですか?
- 社員の会社への定着性の向上と仕事に取り組むモチベーションの向上
- 実際に社内の人たちからこの勉強会は「仕事を続けていくモチベーションとなっている」と言われたこともあります
まとめ
常にポジティブなコミュニケーションを行い、参加者、発表者、運営者、関わる全ての人が協力的になってくれるような環境になれば、自然と人が集まり、継続的に勉強会を開催できるサイクルが作られると思いました。そのため実際に常にポジティブ、そして自分から動くということを心がけました。その結果、現在では社内でも人気の施策として現在も勉強会の開催が続いております。
最後に
最終的には社内の勉強会の開催は私自身がいなくなったとしても継続的に開催し続けることができる永久機関としたかったので、社内勉強会の開催手順を社内のドキュメントとして作成しました。新しいメンバーの追加などがあった場合、定例ミーティング場でそのドキュメントの内容を共有し、勉強会開催ノウハウも共有しております。
継続的に勉強会を開催していくカルチャーの土台は上記のように作れたので、あとはきっと私がいなくなってもこの勉強会は継続していくことでしょう。