はじめに
MagicaCloth2 という揺れものアセットの検証記事です。初投稿。
有料なので、購入の検討材料にもなれば幸いです。
ユニティちゃんKAGURA を使って、デフォルトで付けられている SpringBone と比較していきます。(DynamicBone との比較が求められそうですが、使ったことがなく、すみません。。)
SpringBone (UnityChanSpringBone)
Unity公式で公開されている揺れものシステムです。
各ボーンに動きを与えて揺れを制御します。
パラメータはシンプルで分かりやすいですが、その分表現の幅は広くありません。
MagicaCloth2
Unityアセットストアで公開されている有料アセットシステムです。
各ボーンを制御する BoneCloth のほかに、直接ポリゴンメッシュを制御する MeshCloth があります。
パラメータは多いですが、細かい動きの調整が可能です。
MeshCloth だと、ボーンを用意する必要がありません。
使いやすさ
MagicaCloth2 は事前にボーンを作る必要もなく、メッシュ毎に(物理的特性が同じであればまとめて)クロスを追加し、コリジョンを追加するだけで使えます。
パラメータは、SpringBoneのように各ボーンを触る必要はなく、クロス単位で設定するだけでOK。
数は多いですが、「重力」「空気抵抗」「剛性」だけでも動きの表現が広がります。
挙動比較
SpringBone と MagicaCloth2 は同じ動きにはなりません。
ここでは、MagicaCloth2 のパラメータを ユニティちゃんKAGURA デフォルト(SpringBone)の動きにできるだけイメージを近づけて比較してみます。
左が SpringBone、右が MagicaCloth2 です。
腰の前の御幣(ごへい)と後ろのウィング(?)は BoneCloth で、髪の毛、袖、スカートは MeshCloth を付けています。
特徴
右 MagicaCloth2 の袖はひらひらと波打っています。SpringBoneではこういう動きになっていません。
MagicaCloth2 は「揺れる」だけではなく「なびく」ような動きが作れます。
左 SpringBoneの袖が大きく広がっています。
少し不自然ですが、見栄えはこちらの方が良い場面がありました。
SpringBone は親ボーンの姿勢が大きく影響するようです(ローカル姿勢をバネで戻すような計算?)
MagicaCloth2 で固めの動きは作れますが、このように広げることはできませんでした。
貫通
SpringBoneの袖が体を貫通してしまっています
袖の2つのラインのコリジョンの間に体がめり込んでいます。SpringBoneでも距離制限パラメータで広がらないように改善できるかもしれませんが、全ボーンに設定するのは手間がかかりそうです。 | MagicaCloth2 の MeshCloth であれば、自動で細かく繋いでくれます |
別アニメを適用したところですが、SpringBoneではお腹の下辺りがスカートを貫通しています。
単純にアニメに対して作成されたボーンが足りていないだけですが、MagicaCloth2だとプロキシメッシュを簡単に増減できるので、安定したクロスをすぐに作れます。
まとめ
MagicaCloth2 は
- 事前準備が不要で設定が簡単
- パラメータはクロス全体を調整するので楽
- プロキシメッシュの粒度も簡単に調整できて、貫通しない安定したクロスができる
- 硬い動きから「さらさら」「ひらひら」なびく動きも可能
- ただし、SpringBoneの挙動を完全に真似ることはできない
- 価格は子供のお小遣い程度?