本の紹介
- 書名:改訂3版基礎 Ruby on Rails
- 著者:黒田 努,佐藤 和人,株式会社オイアクス(監修)
- 出版社:インプレス
- 発効日:2015/5/21
- Rails習得に照準を合せた入門書です.
- HTML,CSS,なんらかのプログラミング言語をある程度習得済みで,データベースの基礎知識もある読者を想定しています.
- Rubyの説明は全体の約1/7,約70ページです.言語自体は,他言語を学んでいれば,シンプルで易しめ,また美しく感じられると思います.
#良いポイント
- Railsに照準を合せていること.逆に,HTML,CSS,Rubyまたはなんらかのプログラミング言語,データベース基礎知識を事前に習得しておく必要があります.
- 全体を通して一つの標準的なウェブアプリケーション開発に沿うことにより,ウェブアプリケーション開発プロセスも体験学習できること.
- テスト駆動開発がChapter 7で紹介され,以降の終盤で重視されるなど,実践的であること.
- 各章終了段階ごとにサンプルコードが提供されていること.見つかりにくいバグも,自コードと提供コードを並べ比較して探すことができます.どうしても解決できなければ,その段階の提供コードで仕切り直し先に進むことで,中途での躓きも防げます.また,CSSなど注力したくなければ,提供ファイルをコピペ使用できます.
- 総合的に,見通しがよく順序だち網羅的なカリキュラムになっていること.
#改善されると良いポイント
- テスト駆動開発など終盤で紹介される項目がやや難易度が高いこと.手を動かしながらRailsを理解する段階では,理解を要するレイヤが加わる分,捉えにくくなります.
- 誤字・誤コードの多いこと.学習上,致命的と言ってよい内容のものもあります.これについては,読者の協力のもと,正誤表を随時更新しているのは素晴らしいと思います.本書を読み始める前に確認しておいた方がよいでしょう.
#総合的に
- Railsを初めて学ぶには適切な入門書だと思います.Rails以外の部分については,事前/並行して/事後に,別途学習するとして,本書ではRails習得に集中するのがよい使い方だと思います.