Ruby 1.8 と 1.9 以降で delegator の挙動が変わっている

Evaluating Alternative Decorator Implementations In Ruby
これの最後の delegate を使ったサンプルが Ruby 1.8 だと素直に動かなかった。

Ruby の delegate ライブラリについてはとりあえずここを読めば分かると思う。
Rubyist Magazine - 標準添付ライブラリ紹介 【第 6 回】 委譲

問題

test_delegator.rb

class Coffee
  def cost
    2
  end
end

require 'delegate'

class Decorator < SimpleDelegator
  def class
    __getobj__.class
  end
end

class Milk < Decorator
  def cost
    super + 0.4
  end
end

coffee = Coffee.new
puts Milk.new(coffee).cost

irb(main):001:0> RUBY_VERSION
=> "1.8.7"
irb(main):002:0> load 'test_delegator.rb'
2

irb(main):001:0> RUBY_VERSION
=> "1.9.3"
irb(main):002:0> load 'test_delegator.rb'
2.4

最後の結果が違うのに注目すれば良いのだけど、要点は

• (Simple)Delegator を継承したクラス(この場合は Decorator)で class メソッドを __getobj__.class とオーバーライドした場合
• 移譲先オブジェクトのメソッドをオーバーライド(Milk#cost)しても、Ruby 1.8 だとオーバーライドがうまく動作しない

という感じ。

ソースを追ったら Delegator クラスの initialize の中で self.class.ancestors のメソッドを再定義しているのがダメっぽい。
1.9 からは別実装になってるので、問題無く動作する。

解決策

力技だけど、1.9 のソースを持ってきて、1.8 以下の時はそっちを使うようにした。

もっと良い解決策

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