はじめに
NSSOL Advent Calendar 2023 参加記事です。
今参加している案件で心理的安全性の測ってみたのでそちらで得た学びをまとめてみます。
目次
チーム構成
心理的安全性
アンケートの結果
結果を見ることへの恐怖
これから
チーム構成
私が参画している案件では、約20人前後でチームを組んで開発を行っています。
参画した当初ではこのような構成でした。
リーダー一人に開発メンバー全員が従っている形です。
リーダーを中心に大きくなったチームのため、リーダーへの依存度が高く、リーダーへの負荷もとても高かったです。
現場の改善のため、チーム構成の変更を行いました。
一つの大きなチームを個別のチームに小分けしてスクラムを導入し、段階的にLeSS(Large Scale Scrum)に移行しました。
チームトポロジーを参考にしたチーム構成になっています。
メインとなるストリームアラインドチームが3つあり、それを支えるイネーブリングチームがあります。
私はSMとしてチームに参画しつつ、PO、もう一人のSMと協働しています。おのおのが独自に動いていますが便宜上、これも小さいチーム(テックリードチーム)としています。
いきなりチームがこのような構成になったわけではなく、改善を進めながら徐々に変わっていきました。
チームの開発効率も少しずつ良くなってきたように感じています。
チームを変えていくとき、重視したものの一つが心理的安全性です。
心理的安全性
チームでの開発を進める際にもっとも重要なものの一つが、心理的安全性といわれています。
心理的安全性の重要性は下記のNSSOLの記事で説明されています。
[外部:心理的安全性の測定方法とは? 現状を把握し改善につなげるために] (https://www.marketing.nssol.nipponsteel.com/blog/hrtech/shinritekianzensei-04.html)
心理的安全性は7つの質問で計測することができるといわれています。
1.チーム内でミスを起こすと、よく批判をされる
2.チームのメンバー内で、課題や困難な問題やネガティブなことなどについて指摘し合える
3.チームのメンバーは、異質な意見を受け入れない、拒絶する傾向がある
4.チームに対して、リスクが考えられるアクションを取っても安全である
5.チーム内のメンバーに助けを求めづらい
6.チーム内に自分を意図的にだましたり、おとしめたりするようなメンバーはいない
7.チームで仕事するときには、自分のスキルが発揮できており、持ち味が活かされていると感じる
質問についての詳細は下記のNSSOLの記事で説明されています。
外部:心理的安全性の測定方法とは? 現状を把握し改善につなげるために
この7つの質問を完全匿名のアンケートにして、チーム全体・個別のチームを対象に行いました。計14問の質問に答えてもらいました。
アンケートの結果
アンケートには以下のような傾向が現れました。
- チーム全体よりも、個別チームに対しての心理的安全性が高かった
- 1.3.6.は、チーム全体と個別チームの差も小さい。2.4.5.7.は大きく差があった
- 特に7.チーム全体で一つの仕事を行っているときに、自分のスキルや持ち味が発揮できていない
ある意味、想像していた通りの結果でした。
個別チームでコミュニケーションパスを閉じ、他チームとのコミュニケーションをある程度制限することで認知負荷は減りましたが、その分、チーム全体でのアクションにハードルができてしまいました。
個別チームを中心としつつも、チーム全体としての協働の形を模索していく必要があります。
チームとしての現状を認識することで新しい課題や目指す姿が見えてきました。
・・・
ここで当然の疑問が湧きます。
「昔はどうだったのだろうか?」「心理的安全性は良くなったのだろうか?わるくなったのだろうか?」と。
結果を言いますと、それはわかりません。
昔の心理的安全性は計測できていないからです。
結果を見ることへの恐怖
チーム改善を進める前から心理的安全性の重要性を理解し、アンケートの存在も把握していました。
計測することが重要であることも認識したうえで中々実行することができていませんでした。
心理的安全性を測ることができなかったのは、
自分が推し進めた改善によって心理的安全性の低い、働きにくい職場にしてしまっていないか、みんなは改善に不満を持っていないかという、事実に向き合うことが怖かったのだろうと感じました。
スクラム・LeSSを導入していながら、
SMの自分が価値基準の一つである「勇気」が足りなかったと感じています。
これから
スクラムガイドの価値基準には、こうあります。
スクラムチームのメンバーは、正しいことをする勇気や困難な問題に取り組む勇気を持つ。
チームの心理的安全性に向き合うのは正しいことであり、困難な問題であったと思います。
それに初めは向き合えなかったこと、そして向き合えるようになったこと、
チームと一緒に自分も成長していきたいと思います。