概要
昨今コロナの影響で「テレワーク」・「リモートワーク」といわれる勤務体系が受け入れられつつあります。自分自身もそういった勤務体系で働くことになり、会議の進め方などもいろいろと創意工夫をされていきました。
ツールの良し悪しをまとめているサイトはありますが、会議の進め方についてまとめているモノは少ないように思います。
そこで今回は自分なりにリモート会議でイイなと思ったノウハウや取り組みを記載させていただきます。あくまで個人的にイイところをまとめているだけですので参考程度にご覧いただけると助かります。
リモート会議のススメ
以下の図の流れで記載します。基本的には「自由な発想を出し合う」ときをケースに記載していきます。
会議の目的を把握する
まずはなぜ会議を行うのか知っておいた方がよさそうです。以下のサイトを参考にさせていただいたところ3つの目的が挙がるようです。
- コンセンサスを得る(情報共有)
- 物事を決める(意志決定)
- 自由な発想を出し合う(ブレスト)
コンセンサスを得る(情報共有)
事前の資料配布や情報共有を心掛けて、了承、合意を得やすくします。
この場合は情報を共有したい人が主にアウトプットすることが多く、他の人は聴くことになるケースが多いと思います。
コンセンサス(合意)を取ることを目的にするなら、会議の人数を減らしてステークホルダーだけに絞って会議を開催することが望ましいと思われます。
また情報を共有するだけなら会議で行う必要はなく、メールなどで資料を展開して読了後に変身してもらうなどで対応してもよさそうです。
物事を決める(意志決定)
これも「コンセンサスを得る(情報共有)」と同じことがいえると思います。
ただし、意思決定までに会議の参加者で討議や情報整理するような場が必要な場合は、「自由な発想を出し合う(ブレスト)」を組み合わせることになりそうです。
自由な発想を出し合う(ブレスト)
情報を共有することよりも、会議の参加者で討議や情報整理しながら、何か考えやアイデアを出し合うことが目的だと思われます。
まずはブレストをしやすい環境を作ることが大切であり、一方通行で話すだけではなくいろいろな人が発言して、みんなで同じ会議のイメージを持つことで良いブレストが行えると思います。
今回はこの「自由な発想を出し合う(ブレスト)」をやる上で、リモート会議で行える工夫を記載していきます。
自由な発想を出しやすい空間を作る(少人数にグループ化する)
ブレストは会議の参加者が発言しやすい場が重要だと記載しました。とはいえ発言しやすい場とはどうすればよいのでしょうか。一般的な会議でもなかなか大勢がいる中で発言するには勇気がいるものです。リモート会議でも同様で人数が多いと発言する人が偏る傾向があります。
そこで小さくグループごとに分けて少人数の会議としてそれぞれのグループで話し合ってもらうようにします。少人数にすることで発言するタイミングも取りやすいですし、話を振ってもらう機会も増えたりします。実際に少人数会議についてはメリットが多くあります。
出来る上司は必ずやっている少人数会議(ミーティング)の驚くべきメリットとは?
会議のルール・やり方を決める
ブレストは複数の参加者が自由にディスカッションを行い、アイデアをどんどん出していきます。ただ、闇雲にアイデアを出し合うだけでは、グループごとによって収集がつかなかったり、求めているモノと違ったモノが出てくる可能性もあります。
まず話すテーマなどを決めておくのは大前提として、具体的なやり方を資料などで準備しておくとよさそうです。
例えば以下のようなブレストのやり方を明記すると参加者もわかりやすいと思います。
例:いろんなタスクがあるけど何が一番タイヘンか把握したい
- ▼ タスクの洗い出し(四角の付箋でタスクを出し合う)
- まずは各自のタスクを付箋で書き出してほしい
- 一旦は人と被ってもイイので各自で出し合う
- ▼ タイヘンなタスクを洗い出す(細い付箋をつけていく)
- まずは他の人のタスク内容と被っている場合は付箋を重ねる
- 出し合った付箋でタイヘンだと思うモノに細い付箋をつけていく
- ▼ 各グループによって洗い出されたタスクを確認
- 同じモノがあれば全員が認識しているタイヘンなタスクという認識
- そのタスクについて深堀する形で話し合う
ルール・やり方が決められないならフレームワークを使おう
ルール・やり方を決めるのが難しい場合には既存のフレームワークを利用すると情報が整理されやすいです。
例えば、取引先のステークホルダーからコンセンサスを得るためにどういったことを準備すべきか討議したい場合、そのステークホルダーを対象にした「共感マップ」を利用するとよさそうです。
共感マップの図の上に付箋でいろいろなアイデアを貼っていくことで参加者のアイデアが視覚的にわかりやすく整理されます。
上記以外にもいろいろなフレームワークがあるので構造や図などを使っていくとよいかもしれません。
会議に使えそうなフレームワーク
- オズボーンのチェックリスト
- マインドマップ
- マンダラチャート
- MECE
- SCAMPER法
- FDL(Fun/Done/Learn)
会議を実現できるツールを選ぶ
ルール・やり方が決まると後はそれを実行しやすいリモートのツールを選定します。あくまでツールはこれまでのことを実現するためのモノで、???ができるツールだから、こういう会議にしようというのは本末転倒なのかなと思います。これまでのことを踏まえて、いくつかのツールを記載します。
リモートでミーティングするためのツール
Zoom
オンラインで映像と音声を使用したミーティングを行えるツールです。画面共有できる機能や、上記で記載した少人数のグループで分けることを実現するブレイクアウトルームという機能があります。
ブレイクアウトルームを使えば指定した人数でグループを作成します。参加者は各グループにはランダムに配置されます。ホワイトボードの機能を使えば全員が書き込むことができ、ラフなブレストなどに適していると思います。
Google Meet (Hangouts)
こちらもオンラインで映像と音声を使用したミーティングを行えるツールです。画面共有できる機能くらいでシンプルにリモート会議だけしたい場合はこちらを使うのがよさそうです。
何か情報を整理したい場合は他のツールと組み合わせる形になります。あと、めちゃくちゃ重いです。
情報を整理するためのツール
Google Drawings
図形描画のツールですが、図形を付箋として使用することができます。図形にテキストを入力して貼っていくだけで、どんどんアイデアが形になります。
また、PDFなどのファイルに出力できるので、会議の結果なども形に残しやすいです。
Google Docs
オンラインで使用できるドキュメントツールです。どちらかというとMicrosoft Wordのような文書ツールです。全員で議事録を取って認識齟齬をなくしながら会議を進めるといったことができます。
よく議事録担当の方が議事を取りますが、基本的に記録することに集中することができず会議に参加するタイミングがないのが現状だったりします。
Google Docsを使用すると平等に議事録や会議の記録を書いてもらうことができます。コンセンサスを取りたい人はその内容を記録しようとしますし、それに意義がある場合はその場で討議されるので、会議が目に見えてわかりやすく進みます。
Miro
オンラインホワイトボードサービスです。ホワイトボードだけでなく付箋が使いやすいです。付箋をおけるスペースもかなり大きいため、レイアウトのサイズなどを気にすることなく、どんどんアイデアを出すことができます。
いろんなところに付箋などを配置できますが、ファイルとして出力するときの結果など小さくなったりすることがあるので注意が必要です。
最後に
これまで参加させていただいたリモート会議でのイイところを記載してきました。会議の目的の確認だけでも本当に会議する必要かどうか改めて考えたりできます。リモート会議と言っていますが、実際は現実の会議でも同じことが言えると思います。
ただ単純にテーブルとイスと資料を並べて議論するだけでなく、会議のやり方も工夫や改善を試みることが重要ではないでしょうか。工夫や改善を重ねることでよりよいアイデアや情報がアウトプットされるようになると思います。