はじめに
最近、QnA MakerのGA版がリリースされました。Preview版とGA版では、大きく変わった点がいくつかあるのですが(アーキテクチャ・料金体系・ポータルのデザイン・メタデータの設定etc..)、今回はPreview版の時から実は備わっていたQnA Makerの隠れ便利機能「マニュアルの読み込み」をご紹介したいと思います!
背景
今年の5月に開催されたMicrosoft Build 2018のセッションをYouTubeで探していたら、たまたまQnA Makerのセッションを見つけました。
このセッションでは、GA版の特徴について話されているのですが、私的に衝撃だったのが「Auto extraction from product manuals」という話でした(9:25辺りから)。
(かなりなまりの強い英語を注意深く聞いてみると、)どうやらGA版になってからの新機能ではないようですが、フォーラムできちんと発表するのは初めて、という内容みたいです。
それが「QnA Makerで製品マニュアルを読み込み、QとAを分類・抽出できる」といった話でした。
一般的にQnA MakerはFAQのChatBot化をしたい時に使われることがほとんどかと思いますが、製品マニュアルをChatBot化できれば、分厚い紙をいちいちめくることなく、簡単に知りたい内容を調べることができますよね!
実際にやってみた
今回はSurface Bookのユーザーガイド(英語版)を元にKBを作ってみたいと思います。(https://download.microsoft.com/.../surface-book-user-guide-EN.pdf)
(QnA Makerの使い方の説明については省略します。)
きちんとExtractionできました↓
それではテストしてみましょう。
例えば元となるドキュメントの方で、表形式っぽくなっているところがあります。
これは当然、きちんとAnswerが返ってくることが分かります。
では、手順が書いてあるこのような部分はどうでしょうか?
こういった部分も、きちんと回答を返してくれます!
これは、とてもすごいですよね!
現状
このマニュアル読み込みですが、日本語のマニュアルは(私がやった限り)できませんでした。
以下のサイトにも書いてあるのですが、現状では高確率でQ&Aの抽出を行うことのできる言語が英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語の5カ国語しかないようです。
(https://docs.microsoft.com/en-us/azure/cognitive-services/qnamaker/overview/languages-supported)
日本語がサポートされれば、このマニュアル読み込みの機能はかなり便利だと思うので、今後に期待ですね!
2018年10月に日本語マニュアルの読み込みが出来るようになりました!
まとめ
FAQのChatBot化を主の目的として、様々なユーザに利用して頂いているQnA Makerですが、実はあまり知られていない便利機能ということで、今回は「マニュアルの読み込み」をご紹介しました。
何ページにもわたる製品マニュアルから、知りたい情報を得るのって結構大変ですよね。
今回紹介した機能を使えば、かなり便利なサービスを作れること間違いなしです。
日本語の抽出精度がより向上したら、この機能の価値はますます上がると思います!
皆さんも是非、試してみてください。