はじめに

この記事は、SAP Build Process AutomationでBTPのユーザ登録を自動化するシリーズの続きです。前回の記事では、Cloud Foundryにユーザ登録するためのAPIを作成しました。今回はこのAPIをSAP Build Process AutomationのActionとして使えるように設定を行います。

Actionとは

Process AutomationのフローからAPIを呼び出すときに使うものです。"Action"というオブジェクトを事前に作成し、使用するAPIのエンドポイントや、APIに渡す項目の事前設定をしておきます。使用しない項目は削除するなど、フローから使いやすいようにAPIをカスタマイズしておくことができます。

Actionの登録準備

Actionの登録に必要なものは2つです。

Destination
Actionとして使えるようにするために、以下のプロパティを設定したDestinationを作成しておきます。
sap.applicationdevelopment.actions.enabled: true
sap.processautomation.enabled: true

作成したDestinationをProcess AutomationのSettings>Destinationsにも追加します。
Open API仕様で記述したAPIの仕様
Swaggerを使用してAPIの仕様を作成しました。

openapi: 3.0.0
info:
  description: Execute Cloud Foundry command
  version: "1.0.0"
  title: Cloud foundry command
paths:
  /spaceuser:
    post:
      operationId: addSpaceUser
      description: Adds a user to Cloud foundry space
      responses:
        '200':
          description: space user was added
          content:
            application/json:
              schema: 
                  type: object
                  items:
                    $ref: '#/components/schemas/Response'
                  example:
                    result: 'Space user was addedded successfully.'
        '400':
          description: 'invalid input, object invalid'
      requestBody:
        content:
          application/json:
            schema:
              $ref: '#/components/schemas/UserRole'
        description: User and role to add
components:
  schemas:
    UserRole:
      type: object
      properties:
        user:
          type: string
        role:
          type: string
      description: User and space role
    Response:
      type: object
      properties:
        result:
          type: string
servers:
  # Added by API Auto Mocking Plugin
  - description: SwaggerHub API Auto Mocking
    url: https://virtserver.swaggerhub.com/MIOFUJITA01/cfcommand/1.0.0

作成した仕様を Export> Download API> JSON Resolvedを選択してダウンロードします。

Actionの登録

1. Actionの登録

Process Automationのロビーからアクションを登録します。

ダウンロードしておいたAPI仕様を選択して登録します。

使用するエンドポイントを選択して（ここでは一つしかありませんが）追加します。

2. パラメータの設定

今回Cloud Foundryのロールは"SpaceDeveloper"のみを使用するので、固定値で設定します。

3. テスト

TestタブからAPIをテストします。Destinationを選択し、必要な項目を設定してテストを実行します。

ステータス200でレスポンスが返ってくればOKです。（APIはレスポンスのメッセージも返しているのですがなぜか表示されていません）

返しているはずのレスポンス

{
  "result": "Space user was addedded successfully."
}

4. アクションを公開

作成したアクションはリリース、公開することによってフローから使えるようになります（画像は別のアクションを使用しています）。

リリース
公開

フローへのActionの組み込み

アクションを追加したい位置で+をクリックし、Actions>Brouse libraryを選択します。

公開したアクションを選択します。

フローにアクションが追加されます。

Destinaionとインプットを設定すれば完了です。

※Destinationはプロジェクトの環境変数として事前に作成しておいたものです

最終的なフローは以下のようになりました。

動作確認

フローを実行した結果、Cloud Foundryのスペースにユーザが登録されました。

今回追加したステップは正常に動いていましたが、後続のロールコレクション割当でエラーが起きました。

Destinationがらみのエラーのようです。以前は正常に動いており、Destinationの設定は変えていないので理由はわかりません。

エラーについてはSAP Communityに問い合わせ中です。
https://answers.sap.com/questions/13843304/build-process-automation-invalid-argument-type-of.html