この記事は chillSAP 夏の自由研究2022、8/10の記事として執筆しています。
この記事を書こうと思ったきっかけ
私はSAP BTP関連の技術に興味があり調べてきましたが、「その技術を使って具体的にどんなことができるの?」と言われると答えに窮するところがありました。SAPのブログなどを見ていると、時々"SAP Innovation Awards"というワードを目にします。SAPの技術を使って先進的なことを実現した企業に対する表彰のようです。受賞した事例を見てみることで、どんな技術の使い方をしているのかの参考になるのではないかと思いました。そこで今回は、「そもそもSAP Innovation Awardsとはどんなものか」について調べてみました。
SAP Innovation Awardsとは
SAP Innovation Awardsは、最新のSAP製品や技術を活用してIntelligent Enterpriseを実現し、新しいビジネスの現実を生き抜き、経済、環境、社会にプラスの影響を与え、世界をよりよくすることに貢献した先進的な企業や個人の功績をたたえる賞です。ノミネート制ではなく、顧客企業やパートナー企業からのエントリー制となっているのが特徴です。2022年で8回目の開催となりました。
審査対象
SAP Innovation Awardsには複数のカテゴリー(部門)が設けられています。基本的にはエンドユーザである顧客企業が対象で、Partner Paragonのみパートナーが対象となっているようです。2022年は以下の8つのカテゴリーがあり、25の企業が受賞しました。(書き出してみたものの、違いがあまりよくわかりません。実際の受賞事例を見てみたほうがよさそうです)
1. 50th Anniversary Legend
- 2022年がSAPの50周年にあたるため、特別に設けられたカテゴリー
- SAPを使い続けて20年以上の顧客が対象
- 「過去の関連するプロジェクト、現在のIntelligent Enterpriseになるための過程のプロジェクト、および未来のSAPとともにさらなるイノベーションを起こす明確な計画」を示すストーリーを提示
2. Social Catalyst
- 社会、環境、あるいは経済にポジティブな影響を示し、世界をより良くし人々の生活を向上させるという目的を示すためにSAPソリューションの活用をハイライトしたストーリーを提示した顧客
3. Industry Leader
- SAPソリューションとの連携により、新しいビジネスモデルの構築、エンドツーエンドのビジネスプロセスの劇的な革新、業界の伝統的なビジネス手法の破壊を実現し、業界をリードするIntelligent Enterpriseに成長した顧客
4. Partner Paragon
- 高度なテクノロジー(※)の少なくとも一つを使用した次世代のアプリケーションを開発し、少なくとも一つの顧客に提供したパートナー
5. Transformation Champion
- 少なくとも一つのSAP Business Technology Platformの製品を導入してビジネス上の課題を革新的な方法で解決し、Intelligent Enterpriseを実現した顧客
6. Cutting-Edge Genius
- 高度なテクノロジー(※)の少なくとも一つを使用した次世代のproof-of-conceptのアプリケーションを開発した顧客
7. Business Innovator
- SAPのクラウドソリューションを使用してIntelligent Enterpriseへのビジネス変革を実現した顧客
8. Adoption Superhero
- Customer Success ServicesまたはCustomer Engagement & Experienceと協力し、Intelligent EnterpriseになるためのSAPソリューションの採用に成功した顧客
- 多く採用されているSAP クラウドソリューションを使用してIntelligent Enterprise化を実現した顧客
※高度なテクノロジーとは
- 機械学習または人工知能 (Conversational AI, AIベースのknowledge graph, AI Business Services, Robotic process automation)
- ブロックチェーン
- Internet of Things
- Intelligentなデータ管理(マルチクラウドまたはハイブリッドなデプロイメント、データの仮想化とガバナンス、プライバシーの遵守、クラウドデータレイクサービス)
- 高度なクラウドインテグレーション(APIを使用した新しいビジネスモデル, ビジネスパートナーをAPIで連携, Integration Advisor, デジタルインテグレーションハブアーキテクチャ, Event Mesh)
- 高度で拡張された分析 (リアルタイムなストリーミング分析、空間分析、自然言語処理、機械学習でトレンド、パターン、外れ値の特定、予測分析および計画)
- 一つのデータセットでトランザクションと分析を実行 (データの遅延を減らし、専用のデータマートやデータウェアハウス、データレイクからフットプリントを1TB以上削減)
タイムライン
2022年のタイムラインは以下のようになっていました。毎年8月に受付を開始し、winnerは4月に発表されます。
FAQより抜粋
- Submissions Open: 2nd August, 2021
- Submissions Close: 31st January, 2022
- Finalist Selection: 8th February - 15th March, 2022
- Finalist Announcement: 16th March, 2021
- Winners Judging: 15th March - 29th March, 2022
- Winner Announcement: 14th April, 2022
個人的に興味のある分野
「高度なテクノロジー」は自分の守備範囲からは外れるため、まずは以下の分野を見てみようと思います。
- Social Catalyst
- Transformation Champion