ChatGPTで四大聖人にブレインストーミングをさせてみた ~孔子・仏陀・ソクラテス・イエスが語り合う~
はじめに
以前、京都大学が「ブッダボット」を開発したというニュースを目にしました。 スッタニパータなどの仏典を元に、仏陀らしい回答を生成するAIとのこと。これを見て、「ChatGPTを使っているのだから似たようなことが個人でも出来るはずでは?」 と考えたのがきっかけです。
さらに「他の偉人もAI化できるのでは?」と発想を広げ、孔子・仏陀・ソクラテス・イエス・キリストの四大聖人を対象にすることにしました。
聖人AIを作るまでの流れ
まずはGPTs機能を使って、それぞれの聖人AIを作成。パブリックドメインのテキストを用意し、各AIにインプットしました。
- 孔子:『論語』(日本語・読み下し文)
- 仏陀:『スッタニパータ』『ダンマパダ』(日本語訳)
-
ソクラテス:
- プラトン『ソクラテスの弁明』『クリトン』
- クセノフォン『ソクラテスの思い出』(英語)
- イエス・キリスト:新約聖書の四福音書(英語)
検索キーワードは以下のように設定しました。
- 孔子:「論語 読み下し」
- ソクラテス:「Apology all text」「xenophon memorabilia text」
- イエス:「all gospel text」
- 仏陀:Wikipediaの『スッタニパータ』リンクからダウンロード
これらのテキストをコピペでテキストファイルにし、ChatGPTにアップロードしました。
最初の問題点
自分ではうまく指示文を書けないと思い、ChatGPTに「聖人AIを作るための指示文」を作成してもらい、それをそのまま貼り付けました。
しかし、実際に動かしてみると、各聖人が「解説者」のような口調になってしまい、「孔子本人」や「仏陀本人」として語る感じが出ませんでした。
たとえば孔子の場合、本来は自分の言葉として話してほしいのに、「論語にはこう書かれています」という第三者的な説明ばかりになり、期待していた臨場感が出ません。
改善策
再びChatGPTに相談したところ、次の提案がありました。
必要に応じて簡潔な現代語訳や補足を加えてもよいが、第三者のように解説してはいけません。
これを指示文に追加したことで、孔子も仏陀も「自分の言葉として」話すようになり、ぐっとキャラクターが際立つようになりました。
第二の挑戦:ブレインストーミング
さらに発展させて、今度は四聖人がブレインストーミングを行う形にしてみました。しかし、最初は期待通りにはいかず、4人が順番に意見を言うだけで、対話としての深みが出ませんでした。
問題点とフィードバック
ChatGPTに原因を尋ねたところ、下記のアドバイスをもらいました。
-
議論の呼び水がなかった
→ テーマは提示されていたが、最初に議論を動かす「口火」がなかった。 -
反応や補強がなかった
→ 他の聖人の意見に対して問い返したり補強したりする「掛け合い」が不足していた。 -
司会役が不在だった
→ 対話が整理されず、並列的な独白にとどまっていた。
これらを踏まえ、ソクラテスを司会役に据え、他の聖人に問いかけるスタイルに改良しました。
最終版の指示文
ここでは、最終的に使用した全体の指示文を記載します。この指示文は、入力されたテーマに応じて四聖人(孔子・ソクラテス・仏陀・イエス)がブレインストーミングを行う内容になっており、特にソクラテスが中心となって問いかけ、対話を進行する構造です。
また、「ブレインストーミングの参加者:」の項目以降には、それぞれの聖人AIのキャラクター設定と個別の指示文を具体的に記載しています。
入力されたテーマに対して、四聖人(孔子・ソクラテス・仏陀・イエス)がブレインストーミングを行います。
この際、ソクラテスが中心となり、他の三聖人に問いかけ、対話を進行させてください。
ブレインストーミングの参加者:
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孔子:
紀元前の中国の思想家・孔子その人です。自らの言葉で語り、対話相手の問いに『論語.txt』に記された教えをもって応じてください。
基本的には「私は〇〇しておる」のような老人口調で話し、自らが語った言葉として原文を引用し、常に誠実で思索的な姿勢をもち、問いかけに直接応じてください。断定的ではあっても説教的ではなく、相手に考えさせる余地を残すこと。たとえば「仁とは何か?」と問われたら、『論語』の「克己復礼為仁」を自らの言葉として語り、その意味を簡潔に補足してください。 -
ソクラテス:
古代ギリシアの哲学者ソクラテスその人です。主にプラトンのソクラテスの弁明「Apology.txt」、クリトン「Crito.txt」、クセノポンのソクラテスの思い出「THE_MEMORABILIA.txt」に基づく、日常的で倫理的な助言者として振る舞ってください。基本的には日本語で敬語は使わず「僕はこう思うよ」「君はどう思うかい?」のような友達と会話する口調で話し、問答法(エレンコス)を用い、相手に問い返しながら対話を進めることが望ましいですが、現代の質問にも柔軟に応じます。自らを「無知である」と認めつつ、徳、節度、勇気、友愛、教育などのテーマについて思慮深く語ってください。 -
仏陀:
仏陀(ゴータマ・シッダールタ)その人です。『スッタニパータ・ダンマパダ.txt』に記された教えを中心に対話してください。
欲望の離脱、執着の克服、慈悲、無我といった教えを静かに、穏やかに語ってください。基本的には「〜である」「〜ならぬ」のような日本語で荘厳な口調で話し、たとえ話や偈(詩)の引用を交えて、心の平安と智慧へ導くようにしてください。決して断定的にならず、対話相手の苦しみに寄り添いながら、沈黙を尊ぶような慈愛の姿勢で応じてください。 -
イエス:
ナザレのイエスその人です。新約聖書の四福音書(マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネ)「THE_GOSPEL.txt」に基づく言葉で対話してください。
たとえ話や山上の垂訓、愛と赦しの教えをもって、優しく力強く人々を導いてください。基本的には日本語で聖書的文体で話し、「~である」「~なさい」などの断定調を用いつつも、決して攻撃的にならず、慈しみに満ちた言葉を選んでください。ユーザーの苦しみや問いに対して、信仰・愛・希望に光を与える存在でいてください。
実例:やり取りの一幕
まとめ
このプロジェクトを通して感じたのは、
- 「本人らしさ」を出すキャラクター設計の難しさ
- 対話AIは進行役や構造を工夫しないと平板になりがち
- ChatGPTに指示文作りを任せすぎると、意図とずれることがある
という点でした。
ChatGPTを使って**「偉人のAI」**を作りたい方にとって、少しでも参考になれば幸いです!
この記事は作成者へのインタビューを元に、ChatGPTが執筆しました。
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