9
20

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

Edge で IEモードで開いているサイトをVBAで制御する(今までのIE制御ツールの流用)

Last updated at Posted at 2022-03-03

IE は滅びん!何度でも蘇るさ!

・・・と、ムスカ様のありがたいお言葉をお借りしました。下記のような情報もありますし・・・

そうは言ってもその後すぐに崩壊したラピュタのように、IEもいずれ使われなくなるわけです。
しかし、イントラのシステムではリプレースが間に合わない、IE でしか動かない物も残る事が予想されます。
Edge が IE モードをサポートする以上、IE ベースの Web システムを制御したい、今まで IE を VBA で操っていたのを、そのまま使いたい、という要望があるでしょう。

IEモードのサイトを制御するための、非常に有難い情報

もう、下記のサイトの情報が無ければ、何ともできないのです。

本当にありがとうございます。
簡単に説明すると(ちょっと間違ってるかもしれませんが)、Edge のプロセスの子プロセスから、IEモードで動作している「Internet Explorer_Server」プロセスを探し、そのウインドウハンドルから HTMLDocument オブジェクトを取得する、と言うモノです。

具体的には、どうやるの?

起動方法

当たり前ですが、「Internet Explorer_Server」プロセスを取得するためには、IEモードでサイトを表示している必要があります。
IEモードで制御したい!と思っているという事は、IEモードでしか動かないサイトがあるわけでしょうから、それを表示します。
ここで注意が必要なのは、IEモードで開くように設定したサイトでも、WebDriverを介して起動すると、非IEモードでサイトが開かれてしまうという事です(msedgedriver.exe を使う場合)。
IE用のWebDriverを使えばよいのですが、それならその後の制御もWebDriverにすれば良いわけで、今までのVBAツールの流用、という方針から外れますし、起動の為だけにIE用WebDriverを使うのもどうかと思う訳です。
ではどうするか?
以下のコマンドで Edge を起動しましょう。

Edge 起動コマンド
start msedge IEモードで開くサイトのURL
Edge を引数のURLで起動させる
Public Sub Exec_Edge(Byref strURL As String)
    Const ProcessName = "msedge"
    Dim strCom As String
    Dim objWs As Object

    strCom = "cmd.exe /c start " & ProcessName & " " & strURL
    Set objWs = CreateObject("Wscript.Shell")
    objWs.Run strCom, 0, True
 
End Function

起動した後は、前述の方法で、「Internet Explorer_Server」プロセスを探し、そのウインドウハンドルから HTMLDocument オブジェクトを取得します。

今までの、IEでの手法

通常、IEアプリケーションオブジェクトを取得して、下記の様に指定のURLを開いたりするはずです。

IEアプリケーションを起ち上げる
Set objIE = CreateObject("InternetExplorer.Application") '又は Set objIE = New InternetExplorer
objIE.Visible = True 'IEを表示
objIE.navigate "開きたいサイトのURL"

そして、この後Documentオブジェクトに対して、色々操作をするはずです。
例えば、Googleの検索を行おうとすれば

Googleで検索する
'google検索項目(name=q)にセットする
objIE.Document.getElementsByName("q")(0).Value = "検索したい言葉"

みたいになるはずです。

HTMLDocument を操作する場合

前述の

Googleで検索する
Set objIE = CreateObject("InternetExplorer.Application") '又は Set objIE = New InternetExplorer
'google検索項目(name=q)にセットする。
objIE.Document.getElementsByName("q")(0).Value = "検索したい言葉"

みたいな操作は、「Internet Explorer_Server」プロセスから取得した HTMLDocument オブジェクトを使用して置き換えられます。
すなわち

Set objHTMLDoc = [Internet Explorer_Serverプロセスから取得したHTMLDocumentオブジェクト]
'google検索項目(name=q)にセットする
objHTMLDoc.getElementsByName("q")(0).Value = "検索したい言葉"

の様に、objIE.Documentを、Internet Explorer_Serverプロセスから取得したHTMLDocumentオブジェクトのobjHTMLDocと置き換えてやれば、ほぼ今までの DOM 操作が可能です。
とても簡単ですね。

IEアプリケーションオブジェクトは、無い

一方で、IEアプリケーションオブジェクトが無いため、

IEアプリケーションを起ち上げる
Set objIE = CreateObject("InternetExplorer.Application") '又は Set objIE = New InternetExplorer
objIE.Visible = True 'IEを表示
objIE.navigate "開きたいサイトのURL"

navigateを使ったURLの遷移や

IE の処理待機
Set objIE = CreateObject("InternetExplorer.Application") '又は Set objIE = New InternetExplorer
Do While objIE.Busy = True Or objIE.ReadyState <> 4
    DoEvents
Loop

の様なIEのビジー待機が使えません。

しかし、JavaScript(JScript)は動く

JavaScript が動くなら、

IEで指定のURLに遷移
Set objIE = CreateObject("InternetExplorer.Application") '又は Set objIE = New InternetExplorer
objIE.Visible = True 'IEを表示
objIE.navigate "開きたいサイトのURL"

は下記の様に置き換える事が出来ます。

IEで指定のURLに遷移 (JavaScript)
Set objHTMLDoc = [Internet Explorer_Serverプロセスから取得したHTMLDocumentオブジェクト]
Set objWindow = objHTMLDoc.ParentWindow
objWindow.location.href = "開きたいサイトのURL"

同様に、IEのビジー待機も

IE の処理待機
Set objIE = CreateObject("InternetExplorer.Application") '又は Set objIE = New InternetExplorer
Do While objIE.Busy = True Or objIE.ReadyState <> 4
    DoEvents
Loop

を下記に様に変更する事で対応可能です

IE の処理待機 (JavaScript)
Set objHTMLDoc = [Internet Explorer_Serverプロセスから取得したHTMLDocumentオブジェクト]
Do Until objHtmlDoc.readyState = "complete"
    DoEvents
Loop

Edge を消す方法

| 何について調べますか?
| ┌────────────┐
| | お前を消す方法       |
| |                   |
| └────────────┘
| [ オプション(O) ]   [ 検索(S) ]
|
`──────────┐ ┌───
           , '´l,  ..| ./
       , -─-'- 、i_  |/
   _, '´       ヽ、
   ',ー-- ●       ヽ、
    `"'ゝ、
          ',
      〈`'ー;==ヽ、〈ー- 、 !
       `ー´    ヽi`ヽ iノ
                ! /
              r'´、ヽ
              `´ヽノ
実行前に、確実にIEを閉じておかないと、IEモードで立ち上がっているサイトが複数あると、目的のサイトの「Internet Explorer_Server」プロセスが取得できないとか、終了時に Edge を終わらせたいと言う時は、

Edge を終了させるコマンド
taskkill /IM msedge.exe /T /F
Edge を終了させる
Public Sub Close_Edge()
    Const ProcessName = "msedge.exe"
    Dim strCom As String
    Dim objWs As Object

    strCom = "taskkill /IM " & ProcessName & " /T /F"
    Set objWs = CreateObject("Wscript.Shell")
    objWs.Run strCom, 0, True
 
End Function

と強制的に終わらせると良いです。

7年間待ってやる

冒頭の情報から、7年後は怪しいですし、そも「Windows 10 が最後の Windows」って言ってたのに、しれっと「Windows 11」が出てくるから、7年持たないかもしれない。
ムスカ様も「3分間待ってやる」と言いつつ、3分待ちませんでしたし。
とにもかくにも社内外の情シスの方々、IE縛りの Web システムのリプレースは、早急によろしくお願い致します。

9
20
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
9
20

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?