🌟 はじめに
個人開発で Spotify API を使ってアプリを作ろうとしている方も少なくないのではないでしょうか。
私も先日、久しぶりに Spotify for Developers のダッシュボードにアクセスして新しいアプリを作成しようとしたところ、以前は出なかった下記のようなエラーメッセージに遭遇しました。
This redirect URI is not secure. Learn more here.
調査してみると、Spotifyが 2025年5月15日 から開発者向け利用規約とAPI拡張アクセス基準を大幅にアップデートするとのこと。
その先駆け?として、すでにこのようなチェックが実装されているのかもです。
↓
今回の場合、なるほど、localhostは使えないよ、ということのようです。
”localhostダメ”は他のサービスでもちょこちょこありますよね。
だからngrokとかのソリューションがあるという。
https://developer.spotify.com/documentation/web-api/concepts/redirect_uri
深堀りしてみると、これらの変更はかなり大きく、セキュリティやプライバシーに関する要件が厳格化されています。
英語の公式ドキュメントも長く複雑なので、この記事ではCursor, Claude, Geminiを活用し多角的に分析しつつ、主要な変更点と開発者への影響をまとめてみました。
📋 この記事でわかること
- Spotify Web API拡張アクセス基準の更新内容
- デザインブランディングガイドラインの重要ポイント
- 開発者利用規約の変更点
- 個人開発者がこれから気をつけるべきポイント
必要なもの・想定環境
- Spotify開発者アカウント
- Web開発の基本知識
- OAuth2.0認証の基本的な理解
想定対象読者
- Spotify APIを使った開発を検討している方
- すでにSpotify APIを利用しているアプリを運用している方
- Web APIのセキュリティ要件に関心がある方
各種公式リファレンス
┗> 詳細は「1.Spotify Web API拡張アクセス基準の更新内容」へ
┗> 詳細は「2.開発者利用規約の主な変更点」へ
┗> 詳細は「3.デザインブランディングガイドラインの重要ポイント」へ
📝 1.Spotify Web API拡張アクセス基準の更新内容
2025年5月15日から、Spotify Web APIの拡張アクセス基準が大きく変更されるようです。
拡張アクセス(Extended Access)とはなんぞや?
下記の公式ドキュメントから、拡張アクセスとは「より多くのユーザーに対応し、高いAPIリクエスト制限を持つ特別なアクセスレベル」であることが確認できます
※リンク再掲
変更の背景
📌 変更の背景と理由
- Spotifyは2009年の開発者プラットフォーム立ち上げ以来、開発者によるクリエイティブなツール開発を支援
- プラットフォームの進化に伴い、リスナー、クリエイター、アーティストをより効果的にサポートするためリソース配分の最適化が必要に
- ⚠️ 重要: 拡張アクセスの申請の95%以上が基本的なセキュリティ、プライバシー、ライセンス基準を満たしていないという調査結果
↓
3つ目がけっこう大事ですよね。そりゃ厳しくもするわ、という。
主な変更点を図解
ポイント: 全開発者の1%未満しか影響を受けないと予想されています。多くのユースケースでは拡張アクセスが必要ないためです。
ーーと原文では言われています。
開発者への影響
- 個人利用目的の場合、引き続き開発モード(Development Mode)で十分
- 開発モードでもAPI利用制限(レート制限など)に注意が必要
- 将来的に拡張アクセスが必要になる場合は、新しい厳格な基準に準拠する必要あり
📜 2.開発者利用規約の主な変更点
最新の開発者利用規約における最も重要な変更点をまとめました。
※リンク再掲
プラットフォームの使用制限
- Spotifyプラットフォームの利用は「Approved Devices」のみに限定
- ストリーミング機能の実装には特別な規則あり
- API使用には制限とクォータあり、過剰利用は制限される可能性あり
コンテンツの取り扱い
最も厳格化された部分: Spotifyコンテンツの使用制限が厳格化されました
- SpotifyコンテンツをAIモデルのトレーニングに使用することは明示的に禁止
- コンテンツの不正キャプチャや「stream ripping」を可能にする機能の実装は禁止
- データの無期限保存は禁止(パフォーマンス向上に必要な範囲でのみ一時的キャッシュ許可)
ユーザーデータの保護
- ユーザーの明示的な同意がある場合のみデータ利用可能
- ユーザーデータの販売は禁止
- ユーザーがいつでもSpotifyアカウント接続を解除できる機能を提供する義務
- アカウント接続解除時は関連するすべてのデータを削除する義務
- 個人データ漏洩やセキュリティインシデント発生時は24時間以内にSpotifyへ通知義務
セキュリティとプライバシー
- プライバシーポリシーの表示とユーザーへの提示が必須
- 収集するデータ、使用方法、共有方法の明示的な開示
- 執行可能なエンドユーザー契約の用意と同意取得が必要
- アプリごとに別々のセキュリティコードを使用
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個人的には、今回、Spotify MCPサーバーを自作してみようかなーと思っていたところだったので
いくつか設計・考慮に加えなければならないかも、と思っているところです。
🎨 3.デザインブランディングガイドラインの重要ポイント
Spotifyのコンテンツを適切に扱うために、最新のデザインガイドラインも確認しておきましょう。
※リンク再掲
ロゴ・帰属表示要件
- Spotifyのメタデータ(アーティスト、アルバム、曲名、アートワークなど)を使用する場合は、必ずSpotifyブランドを表示する必要があります
- パートナー統合では常にフルロゴ(アイコン+ワードマーク)を使用
- アプリアイコンとして表示する場合のみ、アイコンのみの使用が許可
コンテンツの使用ルール
カテゴリ | 守るべきルール |
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アートワーク | ・Spotifyが提供するものだけを使用 ・元の形式を維持、変形禁止 ・オーバーレイやテキスト配置禁止 ・アートワーク上へのブランド/ロゴ配置禁止 ・角は丸くする(小・中デバイス:2px、大デバイス:4px) |
メタデータ | ・常にSpotifyが提供するメタデータで表示 ・読みやすさ確保 ・スペース制限時は省略可だが完全版を確認できるように ・コンテンツやメタデータの操作禁止 |
重要: Spotifyコンテンツを他の類似サービスのコンテンツの隣に表示しないでください。ビュー内の行(シェルフ)全体をSpotifyコンテンツ専用にすることが求められています。
アプリケーション命名の制限
- アプリ名に「Spotify」を含めないこと
- 音や綴りが「Spotify」に似ていないこと
- Spotifyによる承認を暗示しないこと(ただし「Spotify用」と示唆するのは許容)
- ロゴにSpotifyロゴやその要素(Spotify Green、サークル、波など)を含めないこと
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このあたりは個人開発レベルではそこまで影響ないかもですが
あるていどの規模で公開しているアプリケーションなどは気にしたほうよいかもですね。
たしかTikTokやFacebookなども、あるていどロゴの扱いには規約があったと思いますが
Spotifyもけっこうしっかりやってきた感ありますね。
🚀 今後の対応策をちょっと考えてみた
Spotify APIを使用する際に、今後どのように対応していくべきでしょうか?
個人開発者向けの推奨事項
- 開発モードの活用: 個人開発や実験的プロジェクトは開発モードで十分
- 適切なキャッシング戦略: レート制限に達する可能性がある場合は、適切なキャッシング戦略を実装
-
セキュリティ対応の強化:
- リダイレクトURIはhttpsを使用(ローカルでの127.0.0.1を除く)
- ユーザーデータの適切な保護措置
- プライバシーポリシーの作成と表示
🛠️ リダイレクトURI対応例(クリックして展開)
開発時のリダイレクトURI設定:
http://127.0.0.1:8000/callback // 開発環境では許可
本番環境用のリダイレクトURI設定:
https://yourdomain.com/callback // 必ずhttps
スケーラブルなアプリを目指す開発者へ
拡張アクセスが必要になる可能性がある場合は、以下の点を意識しましょう:
- プラットフォーム戦略との整合性: Spotifyのプラットフォーム戦略に沿ったアプリ設計
- アーティスト・クリエイター発見促進: アーティストやクリエイターの発見を促進する機能の実装
- セキュリティとプライバシー基準: 高いセキュリティとプライバシー基準の遵守
ーーという感じでしょうか
📝 まとめ
Spotifyの開発者向け利用規約と拡張アクセス基準は2025年5月15日から大幅に更新され、特にセキュリティ、プライバシー、データ取り扱いに関する要件が厳格化されますー。
個人開発や実験的なプロジェクトでは引き続き開発モードを利用できますが、拡張アクセスを必要とするスケーラブルなアプリケーションを開発する場合は、新しい基準への適合が必要かもですー。