2025年8月8日、ついにOpenAIからGPT-5がリリースされました!さらにAPIも同時リリースされて、いろいろなSaaSサービスがさっそく組み込みを表明しています。
さて、本記事ではGPT-5のAPIを実行する手順を紹介していきます。まずはとりあえず動かしてみて、その威力を体験してみましょう!
1. 事前準備
(1) OpenAI APIキーを取得
step1. OpenAI API keyのURLにアクセス
メニューパスはOpenAI APIにログインしたあと、画面上部のDashboard > 画面左部のAPI keysでも移動できます
step2. API keyを作成
API keys画面に移動したら、画面右上にあるCreate new secret keyを押す
APIキーのName, Project, Permissionsを入力して作成
(2) 必要なパッケージのインストール
Python openai
OpenAI APIのPythonでの実行にopenaiパッケージを使用するためインストールします。
pip install openai
2. PythonコードからOpenAI APIを実行
それではさっそく、PythonコードからGPT-5を実行してみます。
APIの実行はAPIキーを指定する必要がありますが、コードに直接記述してしまうと漏洩リスクがあります。そのため、環境変数から渡すようにします。
export OPENAI_API_KEY=<APIキー>
GPT-5向けサンプルコード
sample_gpt-5.py
from openai import OpenAI
client = OpenAI()
input_text="生成AIは人類の仕事を置き換えますか?"
response = client.responses.create(
model="gpt-5",
tools=[{"type": "web_search_preview"}],
input=input_text
)
print(response.output_text)
スクリプトを作成したら実行します。
python sample_gpt-5.py
3.結果検証
それでは実行結果を検証していきましょう。
GPT-5で生成された文章と、比較用にGPT-4.1で生成された文章をご紹介します。
生成された文章
GPT-5の回答
問:生成AIは人類の仕事を置き換えますか?
短い答え:一部の仕事は置き換わりますが、大半は「なくなる」より「再設計」され、人とAIの協業になります。丸ごと職業が消えるより、仕事の中の特定タスクが代替される可能性が
高いです。
ポイント
- 置き換わりやすいタスク例: データ入力・転記、定型文章の初稿作成、基本的なカスタマーサポート、単純な画像生成、コードの雛形作成やリファクタの一部、定型レポート作成。
- 強化(生産性向上)されやすい職種: エンジニア、デザイナー、アナリスト、研究職、マーケター、営業、教育・医療など。調査・要約・案出し・文書化が高速化し、価値の高い判断
や対人業務により時間を割けます。
- 人に残る強み: 目的設定と責任、倫理判断、対人関係・交渉、複雑な文脈理解、創造的統合、現場の実行と最終的な品質保証。
今からできる実践
- 自分の業務をタスク分解し、AIで「代替可能/補完的/人が担うべき」に色分け。
- まずは反復作業の20〜30%をAIに委ね、時間短縮と品質を計測。
- プロンプト作成を手順化し、ツール連携(RPA/スクリプト/API)でワークフローに組み込む。
- 出力の検証・根拠確認・情報セキュリティ・著作権/ライセンスの基礎を身につける。
- ドメイン知識×AI運用の実績(ポートフォリオや手順書)を可視化して市場価値を上げる。
- 継続学習(データリテラシー、統計/因果、UI/コミュニケーション、プロンプト設計、オートメーション基礎)。
要するに、生成AIは仕事を奪うだけの存在ではなく、「タスクの再配分」と「仕事の質の変化」を促します。ご職業や担当業務を教えていただければ、どの部分をAIに任せ、どこに人間
の強みを集中させるべきか、具体的な設計をご提案します。
GPT-4.1の回答
問:生成AIは人類の仕事を置き換えますか?
生成AIが人類の仕事を置き換えるかどうかについては、多くの議論があります。現時点でわかっている主なポイントを簡単にまとめます。
### 1. 一部の仕事は置き換えられる
- **定型的な作業やルーチン業務**はAIによって自動化が進みやすいです。たとえば、データ入力、簡単な文書作成、画像認識やパターン判別などです。
- **カスタマーサポートの一部(チャットボットなど)**や**プログラムコードの生成補助**も、生成AIによって効率化や置き換えが進んでいます。
### 2. すべての仕事がなくなるわけではない
- **創造性が必要な仕事、対人スキルが重視される仕事**(医療、教育、交渉など)はすぐには置き換えられません。
- AIは人間の判断力や共感力、倫理的判断を完全に再現できず、**人間とAIの協働**が主流になると考えられています。
### 3. 新しい仕事も生まれる
- 生成AIを**導入・管理・活用するための新しい業種や職種**(プロンプトエンジニア、AI倫理監査、AIトレーナーなど)が出てきます。
### 4. **職業の「内容」が変化する**
- 仕事の本質が「AIを使いこなす力」にシフトし、**AIと協働することが標準化**する分野も多いです。
- 日常業務をAIが補助することで、人間はより創造的・戦略的なタスクに集中できるようになるという見方もあります。
### 専門家の予測
- 一部のリサーチでは「2030年までに世界の仕事の約15%が自動化される」といった予測もありますが、全面的な失業には至らないという見方が主流です。
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**まとめ:**
生成AIは特定の職種や業務の「やり方」を大きく変えたり、なくしたりする可能性は高いですが、「すべての仕事がなくなる」わけではなく、人間の働き方が変わる方向に進むと考えられます。
もし特定の業種や、生成AIがもたらす具体的な変化の例が知りたい場合は、さらに詳しく説明できます。
それぞれの結果を見比べてみると情報量には大きな差異は無いものの、回答傾向としてGPT-4.1は事実を多く出力しているのに対してGPT-5はそれを踏まえた提案を出力してくるように思われます。
実行時間、コスト比較
続いて、それぞれのモデルで実行時間とコストを比較してみます。
モデル | 実行時間 | 発生コスト |
---|---|---|
gpt-4.1 | 約10秒 | $0.01以下 |
gpt-5 | 約30秒 | $0.02 |
o3-deep-research | 約4分 | $2.27 |
gpt-5の実行時間は約30秒で、gpt-4.1よりも2~3倍ほど時間がかかりますが深く推論しているものと思われます。そしてコストは$0.02ほどと、GPT-4.1とあまり変わらず低価に抑えられています。
appx. Dockerコンテナでの実行
実行環境をうまく構築できないかたへDockerfileを置いときます。
Pythonスクリプトを作成したのと同じディレクトリに下記のDockerfileとinit.shファイルを作成してdocker buildでイメージ作成してください
(*) APIキーを直接記述せず、環境変数で渡す方式にしています
step1. Dockerfile その他ファイル作成
Dockerイメージ作成用のDockerfileと起動用のinit.shを作成してください。
Dockerfile
#FROM python:latest
FROM registry.access.redhat.com/ubi8/ubi:latest
# Install package
RUN cd $HOME
RUN yum install -y python3.12
RUN yum install -y python3.12-libs
RUN yum install -y python3.12-devel
RUN yum install -y python3.12-pip
RUN yum install python3.12-pip
RUN yum install -y gcc
RUN yum install -y gcc-c++
RUN pip3.12 install openai
COPY ./*.py /root/
COPY ./init.sh /root/
RUN chmod 755 /root/init.sh
ENTRYPOINT ["/root/init.sh"]
init.sh
#!/bin/bash
echo start sample_gpt-5.py: `date`
python3 /root/sample_gpt-5.py
echo finish sample_gpt-5.py: `date`
step2. Dockerイメージ作成 (docker build)
docker buildコマンドでDockerfileからイメージ作成します。
Dockerfileおよび関連ファイルはすべて同じディレクトリに格納して、そのディレクトリへ移動してからdocker build実行してください。
docker build ./ -t sample-gpt-5
step3. Dockerコンテナ実行 (docker run)
APIキーを環境変数にセットして、それをDockerコンテナへ渡す方式で実行します。
export OPENAI_API_KEY=<APIキー>
docker run -e OPENAI_API_KEY -it sample-gpt-5 /bin/bash
step4. 実行結果を確認 (docker logs)
Dockerコンテナを実行すると標準出力に実行結果が表示されますが、ログから確認することも可能です。
# 実行したコンテナのCONTAINER IDを探す
docker ps -a
# コンテナの実行ログを表示
docker logs <CONTAINER ID>
最後に
すでに生成AIも社会へ普及しつつあり、今回ご紹介したGPT-5はより実用化に寄り添った形で進化した印象です。すでに多くのSaaSサービスでもGPT-5導入を発表しており、この流れはもはや止められないでしょう。今回紹介した手順で API キーを設定し、サンプルコードを動かすだけで実践できます。興味を持った方はぜひお手元の環境で試してみてください。
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