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オブジェクト指向エクササイズの遵守度を確認する

Last updated at Posted at 2018-05-26

概要

Thought Worksアンソロジー という本でオブジェクト指向エクササイズが紹介されている.
ソフトウェアの設計を改善できる9つのルールが紹介されている.
このルールの良し悪しについては,様々なところで紹介されているので,そちらを参照されたい.

これらを踏まえて,実際にオブジェクト指向エクササイズを実践するためには,1つ大きな問題がある.
どれくらい遵守できているかを確認する術がないのである.
もちろん,目視で確認はできるが,全てのプログラムを確認することは非常に困難であるし,メソッドの数や行数など,数えてられない.
逆に,ルール自体はしっかりと決まっていることから,プログラムで確認することは可能であるはずである.
探してみたところ,そのような確認ツールを見つけられなかった.
ということで,確認ツールを作ってみた,という宣伝である.
なお,その作成に当たり,オブジェクト指向エクササイズを実践してみた.

9rules

https://github.com/tamada/9rules にて公開しているツールである.
Java のソースコードを対象にし,オブジェクト指向エクササイズの9つのルールに違反している箇所を指摘するツールである.

インストール & 使い方

$ git clone https://github.com/tamada/9rules.git
$ cd 9rules
$ mvn package
$ java -jar target/9rules-1.0-SNAPSHOT.jar -h
java -jar 9rules.jar [OPTIONS] <ARGUMENTS...>

OPTIONS:
    --strict:  Strictly level check (Default).
    --general: General level check.
    --rough:   Rough level check.
    --help:    Print this message and exit.

ARGUMENTS:
    Directories include Java source files, and Java source files.
$ java -jar target/9rules-1.0-SNAPSHOT.jar src/main/java

依存ライブラリ

特徴

できること

  • 9つのルールを満たしていない箇所(ファイル名,行数,違反しているルール)を出力する.
  • ルールを緩和して確認できる(Strict, General, Roughの3パターン.デフォルトは Strict)

できないこと

  • ルール5 名前を省略しないこと は未実装.
    • WordNetを使えばできるとは思うが未対応.
  • ルール6 全てのエンティティを小さくすることの1パッケージ10クラスまでも未実装.
    • 他のルールと調査方法が違うため.調査自体はそれほど難しくはないものの,他のルールとの調査方法とどうやって合わせようかなと考え中.

オブジェクト指向エクササイズをやってみて

遵守のために必要なこと.

  • Java 8 以降.
    • Stream API必須.
      • for文使うだけで遵守が非常に難しくなる.
  • デザインパターン.
    • Strategy など必須.
    • 中でもVisitorパターンは必須.
      • 典型的には,toString などで,フィールドにあるオブジェクトの中身を取り出したいときに必須.

遵守が非常に難しいもの.

  • 例外のキャッチが難しい.
    • ルール6 全てのエンティティを小さくすること のメソッドは3行以内を遵守することが非常に難しい.
      • try-catch はブレース({})を省略できない.
        そのために,try, catch, 閉じ括弧で3行を消費してしまい,try-catch間,catch節の中身を別の行で書けない.
  • SonarやSpotBugsの警告も解決しようと思うと,コンフリクトが起こる場合がある.
    • 1行に1つの内容のみにするよう警告が出されるため,try-catch でコンフリクトが起こる.
    • これはどうやって解決するか,今でもわからない.
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