はじめに
私は現在、情報系の専門学校に通っており、卒業研究でiPhoneアプリの開発を行いました。その際に、Swift言語を一から独学で勉強しました。その成果として、今回ドキュメントにまとめることにしました。
今回はSwiftについて、主な特徴や開発環境をまとめてみました。
目次
1. Swiftとは
2. Swiftでできること
3. 主な特徴
4. 開発環境
5. まとめ
1. Swiftとは
Swiftは、Appleが作ったプログラミング言語です。Appleが2014年にObjective-Cの後継となる開発言語として、リリースされました。主にiOS、macOS、watchOS、tvOSなどのApple製品向けアプリケーション開発に使用されます。
2. Swiftでできること
Swiftは、iOS・Mac・Apple TV・Apple Watch向けのアプリ開発のプログラミング言語です。Swiftでできることは、以下のApple製品で動作するアプリ開発です。
・iOS向けのアプリ開発
AppleのiPhoneおよびiPadで動作するアプリ開発
・Mac向けのアプリ開発
AppleのMac Pro・MacBook Pro等のMac製品で動作するアプリ開発
・Apple TV向けのアプリ開発
AppleのApple TVで動作するアプリ開発
・Apple Watch向けのアプリ開発
AppleのApple Watchで動作するアプリ開発
3. 主な特徴
Swiftは、現代的なプログラミング機能を備え、開発者にとっても学習がしやすい言語です。Appleの公式サイトでは、Swiftとは「誰もが圧倒的に優れたアプリケーションを作れる、パワフルなオープンソースの言語」として紹介されています。以下では5つの特徴をピックアップし説明していきます。
特徴① : 高速性
Swiftは日本語訳で「迅速」という意味があるほど、高速性を強調しています。Swift言語でのアプリ開発では、高性能なLLVMコンパイラテクノロジーを使用することで、Swiftのコードが最適化されたマシンコードへと変換されます。これにより実行速度を向上させたハイパフォーマンスのアプリ開発が可能となっています。Appleの公式サイトの検証結果では、深さ優先探索アルゴリズムを使って1つのグラフ内で10,000個の整数を検索した場合、Objective-Cの最大2.6倍、Pythonの最大8.4倍の速度が出ると発表しています。
特徴② : モダン性
モダンとは、最新の技術やトレンドに基づいて設計されているという意味です。Swiftは、プログラミング言語に対する最新の調査結果と、数十億台ものデバイス上で動作するソフトウェアの数十年にわたる構築経験を活かして生み出されました。具体的には、名前付きパラメータの使用、英文に近い直感的な表記を用いていることなどによりAPIは分かりやすく、メンテナンスも容易で、型推測によりコードが明快で誤りが少なくなりました。
特徴③ : 安全性
Swiftは、安全性を重視した設計がされています。例えば、メモリ管理の自動化です。SwiftはARC(Automatic Reference Counting)というメカニズムを使用してメモリ管理を自動化しています。ARCでは、インスタンスが作成されるたびに、値を保存するためもメモリを確保します。この他にも参照カウンタの管理、メモリの自動開放がされます。これにより、開発者が手動でメモリ管理を行う必要がなくなり、より安全なコードを書くことができます。
特徴④ : オープンソース
オープンソースとは、プログラムソースを一般に公開し、誰もが使ってよい状態にすることです。Swiftは2015年12月にオープンソース化されました。これにより、GitHubでソースコードが公開され、誰でもアクセスできるようになりました。さらに、Swiftを一段とパワフルな言語に進化させるために、ユーザーがSwiftのソースコードの改良に直接参加できるコミュニティも作られています。
特徴⑤ : 学習環境
主にSwift PlaygroundsとXcodeのPlaygroundsを使うことで、開発体験ができます。Swift Playgroundsは、Appleが2014年にリリースしたiPad・mac対応のSwift学習アプリ(無料)です。このアプリを使用することで、Swiftを始めて学習する人やプログラミングに興味を持つ人が、Swiftの基礎を簡単に学ぶことができます。このアプリでは、インタラクティブな学習環境を提供しているため、コードを書くとすぐに結果が表示されます。表示方法も3Dアニメーションなどで視覚的に表示されるなど、理解を深めやすくなっています。これによりリアルタイムでフィードバッグを得られます。また、パズルを解くような形式で、ゲーム感覚でプログラミングの基本概念を学習することができます。
4. 開発環境
Swiftを使用してアプリ開発を行う際、基本的にはMacが必須です。理由は、Swiftのメイン開発環境であるXcodeは、Mac専用のソフトウェアだからです。
Xcodeは、Apple製品向けのアプリケーション開発に特化した統合開発環境(IDE)です。以下ではXcodeの主な特徴を3つピックアップし説明していきます。
特徴① : 直感的なUI設計
Storyboard機能により、ドラッグ&ドロップでUIを構築でき、視覚的にデザインや画面遷移を確認することができます。これにより、開発者はコーディングの知識が少なくとも直感的にUIを設計できるようになり、開発時間の短縮にもつながります。
特徴② : 強力的なコード編集機能
自動補完、エラーチェック、リファクタリング、高精度な検索機能を備え、効率的なコーディングが可能です。これにより、開発者は生産性を向上させ、コーディングエラーを減らすことができます。
特徴③ : 充実したテスト環境
シミュレータを使用して様々なデバイスでの動作確認が可能で、テストレポート機能も備えてあります。これにより、開発者は実機を用意することなく多様なデバイスでのテストが可能となり、開発コストを削減できます。
上記でMacは基本的に必須と書いていますが、WindowsでもSwift開発は技術的には可能です。しかし、仮想環境を使用する必要があるため、開発効率の低下や、初心者の方には難しいといった問題点があります。
5. まとめ
Swiftは、Appleが開発したモダンで高速、安全性の高いプログラミング言語です。主にiOS、macOS、watchOS、tvOSなどのApple製品向けアプリケーション開発に使用されます。その特徴として、高速性、モダン性、安全性、オープンソース、充実した学習環境が挙げられます。
開発環境としては、Mac上で動作するXcodeが主に使用されます。Xcodeは直感的なUI設計、強力なコード編集機能、充実したテスト環境を提供し、効率的な開発をサポートします。
Swift PlaygroundsやXcodeのPlaygrounds機能により、初心者でも楽しく学習できる環境が整っています。
WindowsでのSwift開発も技術的には可能ですが、効率や初心者の学習難度を考慮すると、MacのXcodeを利用して開発することを推奨します。SwiftでiOSアプリ開発を行う方は、Macを使用することで最適な開発環境を整えることができると思います。