はじめに
no such identity: /Users/ユーザ名/.ssh/id_rsa
エラーに遭遇し、解決策を調べる中で学んだ、gitをはじめる際の5つのステップをまとめます。
ちなみに、上記エラーに対しての対処法は、Step4に記しています。
5つのステップ
Step1: 鍵ペアを作成
ssh-keygen
コマンドで、公開鍵、秘密鍵のペアを作成する。
-tオプション
で鍵の種類(ここでは、RSA)を指定し、-Cオプション
ではコメントを登録するが、メールアドレスを指定するのが一般的だそう。また、-bオプション
で鍵の長さを指定するが、セキュリティの観点から4096
を指定すると良い(デフォルトでは2048
が多いよう)。
さらに、-fオプション
でファイル名を指定することができる。鍵を作成する場面は、Githubと通信する時以外にもあり、例えば、AWSにアプリをデプロイするときや、VPSと接続する時など多々ある。その度、デフォルトでは、鍵は全て、id_rsa
、id_rsa.pub
という名前で作られるため、適宜変更していく必要がある。
よって、Githubで利用する鍵の名前は、github_rsa
(もしくは、github_id_rsa
)のように変更するとする良い。
コマンド実行後、まずは、SSH Keys
の保存先を聞かれるが、特に問題なければEnter
キーを押す。次に、パスフレーズ(パスワードのようなもの)を入力する。ここで、入力したパスフレーズは画面に表示されないことに注意する。
❯ ssh-keygen -t rsa -b 4096 -C "takuyanin@gmail.com" -f github_rsa
Generating public/private rsa key pair.
Enter file in which to save the key (/Users/takuyanin/.ssh/github_rsa): (Enterを押す)
Enter passphrase (empty for no passphrase): (パスワードを入力)
Enter same passphrase again: (再度パスワードを入力)
Your identification has been saved in /Users/takuyanin/.ssh/github_rsa.
Your public key has been saved in /Users/takuyanin/.ssh/github_rsa.pub.
The key fingerprint is:
SHA256:UpcWqlhLGY1RN2iAQWfBDRysjAja0CGAz2rbcUiCpoY takuyanin@gmail.com
The key's randomart image is:
+---[RSA 4096]----+
|=..oo*X@..+ |
|+.. .o=o=o + |
|+* o .+.o + |
|+o=.o+ + o |
|+.o o + S |
|Eo o . . |
|o o o |
| . . |
| |
+----[SHA256]-----+
実行後、github_rsa
(秘密鍵)と、github_rsa.pub
(公開鍵)が~/.ssh
フォルダに作成される。
また、key fingerprint
も表示される。key fingerprint
とは言葉通り、まさに鍵の指紋のようなもので、データが改ざんされていないか確認するために使われるよう。より詳細に知りたい方は、ここをチェック。
Step2: 秘密鍵の登録(任意)
ここから、~/.ssh
フォルダでコマンドを実行する(別の場所からでも問題ないが、タイプが長くなる)。
下記のコマンドを実行すると、秘密鍵をssh-agentデーモン
に登録することで、SSH接続の際にパスワードの入力を省くことができる。
❯ ssh-add -K github_id_rsa
Identity added: /Users/takuyanin/.ssh/github_id_rsa (takuyanin@gmail.com)
次のコマンドでssh-add
がきちんと行われたかを確認できる。
❯ ssh-add -l
4096
SHA256:UpcWqlhLGY1RN2iAQWfBDRysjAja0CGAz2rbcUiCpoY takuyanin@gmail.com
Step3: 公開鍵をGithubに配置
まずは、pbcopy
コマンドで公開鍵の中身をクリップボードにコピーする。
❯ pbcopy < github_id_rsa.pub
そして、GithubのSettingsを開き、Githubに鍵登録する。
1. 「New SSH key」をクリック
2. 公開鍵をペースト
そして、「Add SSH key」をクリックして鍵の登録が完了。
Step4: SSH接続できるか確認
❯ ssh -T git@github.com
no such identity: /Users/takuyanin/.ssh/id_rsa: No such file or directory
git@github.com: Permission denied (publickey).
上記コマンドを実行した時に、no such identity: /Users/takuyanin/.ssh/id_rsa: No such file or directory
といったエラーが出た場合は、
git@github.com: Permission denied (publickey).
config
ファイル(がなければ作成し、)に下記のように設定する。
もしかしたら、IdentityFile
が~/.ssh/id_rsa
のままかも(名前を変更したため、ここも変更する必要がある)。
また、.ssh/config
とは、SSH経由でリモートサーバと接続する際に利用される設定ファイル。
Host github
HostName github.com
IdentityFile ~/.ssh/github_id_rsa
User git
もう一度実行し、次のように出力されれば、成功。
❯ ssh -T git@github.com
Hi takuyanin! You've successfully authenticated, but GitHub does not provide shell access.
Step5: プロジェクト始動
5.1: Githubでレポジトリ作成
まずは、プロジェクト(hoge)をGithubで作成する。「New repository」から、プロジェクト名を記入し、レポジトリを作成する。
5.2: ローカルでプロジェクトを作成
作成後は、そのプロジェクトディレクトリに移動して作業する。
❯ mkdir /Users/takuyanin/hoge
❯ cd /Users/takuyanin/hoge
5.3: 初期化
❯ git init
Initialized empty Git repository in /Users/takuyanin/hoge/.git/
5.4: ファイル作成
❯ touch README.md
❯ echo "# hoge" >> README.md
5.5: ステージングする
❯ git add .
5.6: コミットする
❯ git commit -m "first commit"
5.7: リモートリポジトリと連携
最初にGithub上で作った、リモートリポジトリとローカルのリポジトリを連携する。
次の2つのどちらかを実行する
1. git@
で登録
❯ git remote add origin git@github.com:takuyanin/hoge.git
2. https
で登録
❯ git remote add origin https://github.com/takuyanin/hoge
そして、きちんと連携されたか確認。
❯ git remote -v
origin git@github.com:takuyanin/hoge.git (fetch)
origin git@github.com:takuyanin/hoge.git (push)
5.8: ローカルでの変更をリモートと同期
origin
(Githubとしてもリモートリポジトリ)のmaster
(メインブランチ)にプッシュする。
❯ git push origin master
補足
ステップ1で作成した公開鍵のフィンガープリント(鍵の指紋)を確認したい場合は、ssh-keygen
コマンドで確認できる。
❯ ssh-keygen -lf ~/.ssh/github_id_rsa.pub
4096 SHA256:UpcWqlhLGY1RN2iAQWfBDRysjAja0CGAz2rbcUiCpoY takuyanin@gmail.com (RSA)
参考
- お前らのSSH Keysの作り方は間違っている
- Gitのリモートレポジトリのssh接続で no such identity: /Users/ユーザー名/.ssh/bitbucket: No such file or directoryとエラーが返される
- ~/.ssh/configについて
まとめ
上記に記しましたが、初めてGithubを利用する際は、次のようなステップをふむ必要があります。
Step1: 鍵ペアを作成
Step2: 秘密鍵の登録(任意)
Step3: 公開鍵をGithubに配置
Step4: SSH接続できるか確認
Step5: プロジェクト始動